デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン 喪失の冬を刻む(早川書房・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?


ブックオフの古本220円で購入…2022年7月発行、デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデンの「喪失の冬を刻む」を読了。カバー折り返し部分のプロフィールによると本書が長編デビューとなる新人のようだ。映画なんかでもたまにある題材、先住民たちの居留地を舞台にしたミステリーであり、ハードボイルド。自身も先住民である主人公は…同族の人たちから依頼があれば、対象の悪党たちに鉄槌を下す“処罰屋”、日本風に言えば“仕事人”のような仕事をしている。ある日、知り合いである部族評議会の議員から、“最近、居留地内でヘロインが蔓延している、その売人と見られる男を捜し出して罰してほしい”との依頼を受ける。あまり乗る気じゃなかったんだけど…このままでは同族の人たちがヤクで命を落としかねないと考え、渋々とその仕事を引き受ける。なんだけど、その探している売人っていうのが、自分の元カノ(依頼主の娘でもある)が、自分と別れた後に“一時付き合っていた男”らしく、元カノが捜索を手伝うと押しかけてきてしまう。さらに話がややこしくなるのが…主人公には母親を亡くした年頃の甥っ子がいて、一緒に暮らしているんだけど…その甥っ子が、ヘロインでぶっ倒れて救急搬送!一命をとりとめるも、今度は薬物の所持、売買の容疑で警察に捕まってしまう!甥っ子の件が…売人探しを引き受ける後押しにはなったんだけど、なかなか成果が出ず、そして甥の窮地も助けなければならず…というよう話。甥絡みでは、要所要所で驚かされるところもあるのだが…意外と展開はまったりだったかな?先住民たちの文化・風習は詳細に描かれており、彼らへの差別や迫害もしかり。主人公の事件に対する原動力なんかも、少なからずそういった自分の生い立ちが関わっている。最後の事件の黒幕に関するどんでん返し的なものは…この手の閉鎖的な田舎を舞台にしたミステリーでありがちなヤツだったな。なんとなく最初から怪しく思っていた(笑)


デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン 喪失の冬を刻む(早川書房・文庫)