大沢在昌 予言(徳間書店・単行) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?

予幻 [ 大沢在昌 ]

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近所のブックオフで古本390円入手…2023年12月発行、大沢在昌センセイの「予言」を読了、わりと新し目のハードカバー単行本、現段階では未新書化、未文庫化。「獣目」「爆身」と、過去にも読んでいる“ボディガード・キリ”シリーズの3作目。国際情勢、世界情勢を物凄い的中率で予測する機密文書“ホワイトペーパー”…その執筆者であるシンクタンクの中国人リーダーが亡くなり、家族が所有しているらしい、残りの“ホワイトペーパー”を巡る熾烈な争奪戦が勃発。各国諜報機関や実業家、ヤクザ、公安警察などが血眼になって行方を追いかける。今回キリは、前作「爆身」でも登場した、フィクサーのような謎の老人からの依頼で、“ホワイトペーパー”の在り処を知っていると思われる死んだリーダーの娘(日本人)の護衛を頼まれる。前述の老人も生前の中国人リーダー、“ホワイトペーパー”と少なからず関係があったのだ。そして老人の直属の部下でもある、元女刑事がキリの仕事を色々と手助けすることになるんだけど…とにかく最初は、方針を巡って対立、というより一方的に元女刑事がつっかかる。元刑事にしては、その女性の言動がやたらガキっぽく、それをからかうキリとの関係がなかなかユーモラス。元女刑事の方は、段々とキリに好意を寄せていってるのが直ぐに伝わってくるのだが、それを見透かしてるのかどうか、キリはけっこう冷たくあしらう。その一方…別件で、キリ自身が住んでいる場所の“地上げ”にも巻き込まれ、その“地上げ”絡みで送り込まれてきた妖艶な女社長と…ムフフな関係になったりもする。この“地上げ”の話は、冒頭で同時進行しつつも…なんだか妙に中途半端な展開で終わってしまった感があり。将来の続編への伏線になってるのかどうかは不明…今までのパターンからいって、次作のネタにはならないと思うけど。ただし…女社長は意外な形で、その後も物語に関わる。キリ、元女刑事、女社長の奇妙な三角関係にドキドキ…続編があるなら再登場願いたい。“ホワイトペーパー”争奪戦のさ中に複数の殺人事件も発生、その真犯人をあぶり出して直接対決に挑むのがクライマックスとなる。オチに向かうまでの二転、三転はスリリングなのだが…最後が若干、味気ない。今まで読んだシリーズの中では、キリ以外の登場人物(新キャラ)も一番魅力的だったように感じたので、そこは満足度高めです。