辻真先 夜明け前の殺人(実業之日本社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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夜明け前の殺人 (実業之日本社文庫) [ 辻 真先 ]

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古本入手してあった2022年2月発行、辻真先センセイの「夜明け前の殺人」を読了…1999年9月に単行本で出たものの文庫化、かれこれ24~5年前の作品なんですね。たぶん、自分も最近読んだ著者の“昭和ミステリ”シリーズの人気にあやかって、未文庫化だったものを文庫化したんだろうなと。企業メセナ(企業による文化・芸術支援)の公演で…島崎藤村原作の「夜明け前」が舞台化され、好評のうちに千秋楽を迎えるのだが、その千秋楽の舞台上で…主演女優が服毒自殺を図るという事件が発生し、関係者はショックを受ける。それから9年後…自殺した女優の弟が、フランスから帰国して、かつて姉が所属していた劇団に入団することに。弟は姉の死が自殺なわけない、殺されたんだと考えており…劇団への入団も、姉の死の真相を探るのが目的だった!そんな矢先に…再び事件が起きてしまう。物語は、企業側が支援する劇団選びをするところからはじまり、メセナ担当者や、劇団関係者の視点が適宜入れ替わって進行していく。ぶっちゃけ、島崎藤村なんてまともに読んだことがないので、本書を読んで得た知識くらいしか持ち合わせてないのだが…藤村自身が体験した複雑な“恋愛・人間関係”ばりのドロドロが事件の背後に隠れていたってことなのね。正直、女優が舞台上で自殺するという“第一の事件”で犯人の目星はついてしまうものの…死者からの暗号メッセージを解いたり、時間を経て、9年後に再開する事件の被害者が“えっ、この人なの?”という予想外のものだったり、ミステリーとしての面白さや驚きはちゃんとあった。なによりも、巡り巡って犯人が受ける報いというものがなかなか切ないものでしたね。今だったら色々と指摘されてしまうかもしれない、女子高生のあれやこれやな行動も…24~5年前の作品だと思えば、そこまで気にならないか?


辻真先 夜明け前の殺人(実業之日本社・文庫)