綾辻行人 暗闇の囁き<新装改訂版>(講談社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?

暗闇の囁き 〈新装改訂版〉 (講談社文庫) [ 綾辻 行人 ]
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ブックオフの古本で入手…2021年5月発行、綾辻行人の「暗闇の囁き<新装改訂版>」を読了…もともとは1991年に祥伝社から発刊されていたものであり、後に出版社が変わって1998年に講談社文庫のラインナップに加わったのだが、本書はその98年の文庫を底本に全面改訂した“新装改訂版”とのこと。まぁ、綾辻作品では過去の作品を大幅に改訂するのはお約束のようなものなんだけど、実は…綾辻作品に限っては、“ファーストインプレッション”に勝るものはないと思ってるので、一度読んだ作品をそんなに読み返す機会ってないんだよな(前に一度、「迷路館の殺人」の新装版を読んだことがあるな)。ただ、さすがに最近は“色々と記憶力も落ちてきたし”…内容を忘れてる作品もあるから、読んでみるのもいいかなと。そしてたまたま古本で見つけたのがこの作品だった…しかも、まだちょうど発刊から1年しか経ってない新しさ。一応、“囁きシリーズ”と呼ばれる3部作の2作目で、どうせなら1作目から読み返したいところだけど…物語自体はそれぞれ単独であるのも覚えていたし、問題ないだろうと判断(作中の仕掛けとの一つとして著者の別シリーズ「殺人鬼」にはちょっとだけ話がリンクしている…このネタは覚えてたな)。とある別荘地を訪れた大学生の青年が…一見、双子にも見える1歳近い美少年兄弟と知り合うのだが、その後…親が裕福なその少年らのちょっと変わった家庭環境、境遇が気になり始め、気がつけば少年らの親族が被害者となる“連続殺人”に巻き込まれてしまう。犯行の陰には…もう1人の謎の少年“あっちゃん”の姿がちらつき…。過去に読んだのは、かれこれもう30年近く前…高1くらいの時じゃなかったかな?それこそ祥伝社のノンポシェットっていう新書版のヤツで。本棚にまだ並べてあるので、久しぶりに引っ張り出してみたら(最後に新書版の写真も載せてみました)、当時も古本で購入してて…巻末に“鉛筆書きで360円”という値段が書きこまれていた。定価は税込720円…あの頃はだいたい古本の相場は半額くらいだった印象。ブックオフ自体は既にあったのかもしれないけど、地元にできるのはもっと後になってからだし、いわゆる個人経営の古書店に通ってはミステリーを買い漁ってた時期だと思う。って…作品の感想だけど、なんとなくオチは覚えてたけど、そこに至るまでの展開は忘れてる部分もあって、ドキドキして読めた。綾辻作品って、映像化しにくいものが多いけど…このくらいだったら、うまい演出家、脚本家がいれば映像でもぜんぜんいけそうな感じはするよね。この頃って、世を震撼させた“宮崎勤の連続幼女誘拐殺人事件”があって、祥伝社版の初版発行時期を調べると、犯逮捕の1か月後くらいに出てるんだけど…あのバッシングの中、よくこんな“ホラーテイスト”な小説を無事に出せたもんだなと思うよ。宮崎事件は中2くらいで、自分がこの小説を読んだのは高1の頃なので…当時の状況がどうだったかはわからないんだけどね。ただね、偶然にもホラーバッシングへのアンチテーゼみたいなテーマが入ってるようには感じるよね。要は、ホラーのような創作物を子供に見せるのは、本当に教育上よろしくないのか?ってことじゃない。隠して、取り上げれば問題ないという、大人側の勝手な都合こそ、余計に子供のそういった闇を生むと。実際に、親が厳格だったりする家庭ほど…後々問題を起こしたりするよね。久しぶりに昔の綾辻作品を堪能…これからは“館シリーズ”なんかも、率先して“新装版”を読んでみようかな?