富樫倫太郎 SROⅧ 名前のない馬たち(中央公論新社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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SRO8 名前のない馬たち (中公文庫 と26-39) [ 富樫 倫太郎 ]
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ブックオフの古本で入手…2019年7月発行、富樫倫太郎の「SROⅧ 名前のない馬たち」を読了。SROシリーズの8作目、番外編のepisode0を加えると通算9作目、前作を古本で読んだのは記録をたどると2018年1月、かれこれ4年以上前か。出てるのは知ってたけど、なかなか古本110円で入手できなかったんだよね。やっぱりコロナになってから、ブックオフも新し目の本が110円になりにくい時期があったと思うし、自分も買い物に行く回数が減ってたのも影響してるんだと思うけど、最近になってようやく買い逃していた2020年前後の作品が110円~220円で見つかるようになってきた感じがする。そんなわけで8作目の内容と感想…乗馬クラブのオーナーが立て続けに不審死、同じ日に馬も死んでいるという共通項があったことから、SROメンバーは連続殺人ではないかと疑問を抱き捜査を開始する。プロローグでは遡ること12年前、家庭の事情で牧場を経営する祖父母に養子として引き取られた少年に降りかかる不幸が紐解かれ、後に少年は成長し大学生となり獣医を目指している。この視点の話が、SROメンバーの捜査よりも、どちらかというとメインストーリーであり、きっとどこかで事件に繋がっていくのだろうという感じ。とりあえずこの大学生視点で、競走馬やら乗用馬(乗馬用の馬)といった“馬”全般の、一般的にはあまり知られていない、過酷な現実…それと合わせて社会問題になっているペット問題への警鐘なんかもテーマとして浮き彫りにさせている。自分は、正直…動物が苦手(特に犬なんかは、幼少期に友達の家で噛まれたりした記憶があるので大嫌いなんだが)で、ペットを飼いたいとは思わないんだけど、直ぐに“動物嫌いなヤツは冷たい”とか批判するヤツがいて…いやいや、何言ってんだ、安易にペットを飼い始め、まともに世話もできないでポイ捨てする連中より、最初から手を出さない方がよっぽどマシじゃねーかという自負はあるんだよ。だから、馬ごときのために、人を殺めるこの物語で描かれる犯人の行動に共感はまったくできないけど、言いたいことは理解できるなと…まぁ、そんな感じで読んでましたね。最近のSROシリーズは、初期に比べるとテーマも展開もヘビーであり、それこそ警察小説というよりは、一般の人が犯罪に堕ちていく姿の方を主軸にしている印象。さらには少な目のSROメンバー側の描写でも、各キャラクターが抱えた闇や負の部分の方ばかり描いていて、さらにヘビーだという。あと、最初と最後でちょこっとだけ…もはやシリーズの顔(裏主人公)といっていい、殺人鬼・近藤房子の近況も描かれており、何やらまた新たな“悪だくみ”を計画しているようだ。調べると今年の3月に最新作、シリーズ9作目(番外編を含むと10作目)「SROIX ストレートシューター」が出てるので…いつになるかわからないけど、そのうち古本で入手できたら読みたいと思う。


富樫倫太郎 SROⅧ 名前のない馬たち(中央公論新社・文庫)