志駕晃 あなたもスマホに殺される(KADOKAWA・電子書籍) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?


当たる時は連ちゃんで当たるのに、当たらないとぜんぜん抽選に当たらない…auスマートパスのプレゼント、ブックパスコインがこの間、久しぶりに当選したので、電子書籍で新刊を購入した。昨年映画にもなったデビュー作「スマホを落としただけなのに」(小説も読んでるし、映画も見てます)の志駕晃が角川ホラー文庫で書き下ろした新作…今回もスマホを題材にしたスリラーです。“自殺相談室”という謎のアプリ(SNS)と出会ってしまった妻子持ちの中学教師が、そのアプリにどっぷりとハマっていき…人並みに幸せだった人生が狂い始める。最初はゲームだと思って遊び半分だった自殺の相談が、どうやらガチらしい。自分がネット上で相談にのった相手が本当に自殺をしてしまう。やがてその影響が同僚や生徒の周りにも出始め、遂には自慢である美人の嫁にも波及していく。「スマホを落としただけなのに」を読んだ時にも、五十嵐貴久の「リカ」みたいだなって思ってけど、本作はさらにそれが顕著になった。というか、主人公の中学教師が、無知すぎで、馬鹿すぎで、まったく共感できない。著者前作の「スマホを落としただけなのに」や五十嵐貴久の「リカ」の場合は、もし自分が同じ状況だったら、同じ行動をしてしまうかもしれないという状況設定がうまかったと思うんだけど、今回は主人公が明らかに道化を演じているというのがまるわかりで、最後のどんでん返しを狙ったラストも、まったく驚きに繋がらない。殺人事件とうまくリンクしていった「スマホを落としただけなのに」(映画より小説の方が面白かった)と比べてしまうと、アプリ、SNSに翻弄されているだけの時間が長く、全体の展開が退屈。途中で挿入されるストーカーの展開もほとんど蛇足。別の教師が起こした体罰問題に主人公が関わっていたことが明らかになる過去なんかも…主人公の駄目っぷりに拍車をかけ、本当にコイツは小さい人間で、クズだなと。ネットの危険性への警鐘というお約束のテーマももちろん描かれてはいるのだろうが、作品を最後まで読んでも、主人公がいかに“無知で小さいヤツだったか”というのを駄目押ししただけで、特に得るものがなかった。これは期待ハズレ…「スマホを落としただけなのに」は、単なるビギナーズラックだったのか?


志駕晃 あなたもスマホに殺される(KADOKAWA・電子書籍)