シャッフル [ 南 英男 ] |
昨年あたりからボチボチ読み始めたベテラン作家・南英男の「シャッフル」読了…かつて徳間文庫の書下ろしで出ていた「リセットロード」という作品を改題、加筆・修正したものだそうだ。面識のなかった様々な境遇の男女がライドシェア(相乗りサイト)を介して出会い、犯罪に巻き込まれていく。赤字続きのカレー屋店主を中心に、元刑事の調査員や、ダメ男と付き合ってる幸薄いOL、詐欺まがいの商法で人を騙している企業舎弟社員、4人の男女…カレー屋店主が運転する車に、突然、ヤクザが乗りこんでくるというトラブルに遭遇し、その際にバッグに入った大金をネコババ。ライドシェアの他の3人と山分けするが…もちろんただではすまなかった。どこかで見聞きした、あるいは読んだような設定で、やたらとご都合主義な展開が目に付くが…Vシネとか深夜ドラマだったら映像映えしそうなストーリーでもあるなと。ただ、登場人物の言動が稚拙というか、こんなヤツおらへんだろと思ってしまったりもする。いくら読者に求められてると言っても、やっぱり不必要で過剰なお色気描写は作品にとって邪魔である。作品がそういう話だから仕方ないんだけど、どの場面でも登場人物たちが“シモ”の話と“カネ”の話しかしていない。別にカップルでもないのに、男女2人になれば、すぐに女の方から“求めてきたり”…そういう描写ばかりで飽きる。あとは、パワハラ、セクハラ、ついでにリベンジポルノまで一身に受けてしまう女性が、泣き寝入りするわけでもなく、開き直って平然とスルーするんだけど、そういう性格だったら…相手と戦うなどの展開を入れても良かったはずである。やっぱりその場しのぎの意味のないお色気描写なんだよな。逆にそういう無駄を削っていけば、もうちょっとテンポが出て、作品全体が面白くなるのでは?カバー裏のあらすじは、カレー屋店主を中心にした紹介になっていたが…最後は、元刑事がちょっとだけかっこよく見えました。いつもは、超法規的な秘密組織が悪人を問答無用に抹殺する…仕事人みたいな話が多い著者だけど、こういうタイプのクライムノベルはちょっと珍しいかなって思った。
