![]() 影の中の影 [ 月村了衛 ] |
2冊続けて月村了衛…特にシリーズものではない。2015年9月発行のハードカバー単行本「影の中の影」、近所のブックオフにて360円で発見!さらにメール会員のバースデークーポンというものを利用して20%OFFで入手できた。ついでに…著者の署名・サイン入りというオマケ付きでもあったのだが、残念ながら、一部ページに目立つ“折れ目”箇所が存在。前所有者がやったものなのか、それともブックオフで買い取り後に店員や客がやったものかは知らないが…もう少し本を大切にしてほしいなって思ったのである(所詮、古本購入なので、あまり偉そうには言えないけど)。さて、書籍の内容は…ウイグル問題を追いかける女性ジャーナリストが、取材対象者と接触している最中に中国側が送り込んできた刺客、暗殺部隊に狙われる。取材の過程で知った“カーガー”という謎のメッセージはどうやら人の名前(通り名)らしく、まさにその“カーガー”が絶体絶命のピンチに助けにやって来る。他に、やはり別件の取材で顔見知りになっていたヤクザたちが助っ人に加わり、中国人暗殺団と激しい死闘を繰り広げる。やってることは先に読んでいた「土漠の花」の舞台を日本に置き換えて、キャラクターやメッセージをアレンジしたって感じがしないでもないが…なかなか日本には伝わってきづらい中国のウイグル問題を真っ向からとらえていて、さらに社会派度やタブー度は増してる感じがした。また、自衛隊員をかっこよく描いた「土漠の花」とは違い、こちらはアンダーグラウンドの人間や、反社会的勢力の人間が魅力的に描かれているというのが大きな違いか?どうやら正義の味方のような、フリーのエージェント的存在らしい“カーガー”と、反社会的勢力の人間が力を合わせて困難に立ち向かう姿は、著者の「黒警」にも通じる要素。そして、お約束の警察組織の腐敗なども描かれている。本作も月村作品らしく、ヴィジュアルを想像しやすい読み物でもあったが…この内容じゃ、今の日本の映画やテレビでそのまま映像化する勇気はないだろうな。映像化できても中国やウイグルが架空の国名・地名に変わりそうだよね。
↓こちらがサインです↓
![月村了衛 サイン 署名 影の中の影](https://stat.ameba.jp/user_images/20170630/05/eigasuki2/dd/0f/j/o0452033913971712929.jpg?caw=800)
![月村了衛 サイン 署名 影の中の影](https://stat.ameba.jp/user_images/20170630/05/eigasuki2/dd/0f/j/o0452033913971712929.jpg?caw=800)