勝手に映画紹介!? -904ページ目

ウォーターメロン(2004年)

2005年1月21日発売、レンタル開始の新作DVD「ウォーターメロン」(R-15指定)を鑑賞。“私は私のカラダが嫌い。”…巨乳の妻と嘘付き夫の、奇妙で切ないラブストーリーで、ビデオ撮影された、安っぽいオリジナルビデオ、Vシネマの類なんですけど、これが意外と面白かったので紹介しておきます!

自分の胸が異常に大きい女の子がいる。しかし、彼女はそれを逆手にとって自分の売りにするような性格にはなれず…ずっと巨乳コンプレックスで悩み続けていた。自分に言い寄ってくる男は結局、胸が目当てなんだと…そんな時、「俺、巨乳嫌いだから」といい、全く巨乳に興味を示さない男と出会う。そんな彼に惹かれて…結婚してしまうのだが…実は夫がとんでもない嘘つきだということが発覚した…。


きっと主演の女優さんはAV女優さんか何かなんだと思います…そっち方面はあまり詳しくないので、どの程度の女優さんか分からないのですが…脱ぎっぷりはいいです(笑)顔は凄い美人というわけではないのですが…こういう映画ですから、確かに巨乳であり、きれいな乳してます(爆)いくら劇中の彼女が「見るな~!」って言っても…映画に登場する男どもと一緒で、視線は自然と彼女の胸に注がれていく…。

男だったら経験あるな~というか…普段平気でやってるだろう女性に対する下心みえみえの視線に、容赦なく彼女の心の声が猛反撃してきます(笑)こういうのを見ちゃうと…ちょっとだけ今までの自分を悔い改めようと感じたり。映画の中で、女優さんが全力疾走をすると…大きな胸が左右にユサユサと綺麗に揺れていた。思わず…高校時代に同じ学校にいた、巨乳の陸上部の女の子を思い出してしまった。あの頃は…他の男友達と、あからさまに目で追ってましたもんね。友達なんて(本当に自分じゃなくて、友達が!)、思わずその女の子の前で「乳でけ~」とつぶやいてしまい…怖い視線を浴びてしまいましたが…きっとこの映画みたいな状況になっていたんでしょうね。

とまあ、男という困った生き物の本心を見透かされながらも、ちょっとノスタルジックな気分に浸れる映画でもあった。

もちろん、巨乳だけがメインの作品ではない。あくまで…ラブストーリーなんだから…この二人のちょっと変わった新婚カップルの関係が非常に面白く描けている。些細なことですれ違っていく二人の様子。何故、夫は嘘をつくのか?そしてラストに待ち受ける笑撃…じゃなかった衝撃な展開。

そういえば…劇中、ずっと気になっていがた…出演者にクレジットされている小沢和義さんはどこに出演してるんだ?いえいえ、ちゃんと出ていました(笑)これには正直やられたって感じだ。とにかく物語の結末以上に、笑撃的で、衝撃的な真相がエンディングで明かされますので…コアなVシネファン(小沢和義ファン)は必見の1本ですぞ!


監督:本田隆一
出演:紅月ルナ 黒沢愛 上妻コウ 加藤亮 小沢和義 山本浩司


Amazonで検索できなかったので、もしかしたらDVDはレンタルのみかもしれませんので、興味がある方はレンタルショップへ!

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小説版“箪笥” 姉妹-Two Sisters- 吉村達也

先日鑑賞した韓国のホラー映画「箪笥」…見終わった後も、色々ミステリアスな謎を含んだままのこの作品に決着をつけるために、謎解き本とも呼ばれる、ミステリー作家の吉村達也氏が書き下ろした、ノベライズ小説的な、小説版“箪笥”「姉妹-Two Sisters-」を古本で買ってきて(セコイ)、ちょうど読み終わったところである。


もしかしたら、映画版、未見の人にはネタバレになっている部分があるかもしれませんので、ご注意ください。気をつけて文章を書いてるつもりですが…。





とりあえず…映画では全く描かれていない、前日談のような…エピソードも描かれ、映画の主人公の姉妹とその両親が、いったいどんな家族だったのかを詳しく描いている。また、映画とは若干、時系列を変えているため…物語の真相にたどり着きやすくなっている。映画ではカットされていたようなセリフ、描写もたくさんある。やっぱり、映画のほうは…意図的に答えを導き出す情報を隠していたんだなぁということがわかり…なんて不親切な映画なんだと、あらためて思いました。なんか、日本で最初に放送した「冬のソナタ」が、オリジナルをカットしていたので、物語がミステリアスになって…ヒットの要因に繋がったという話を思い出しましたよ。やっぱり、これは製作者側にまんまとノセられたって感じが大きいのではないでしょうか?

結局は推理小説を読みなれている人の方が…映像に騙されずに本質に近づきやすいのかもしれませんね。案の定、自分が引っかかっていた部分が“やっぱり解決のヒント”だったし…真相から導き出した答えも、あながちハズれてはいなかった。小説版の原作者が、あとがきで語っていた…“第二の衝撃的真相”というのが、小説版の最終ページ数行で描かれていた、“あのこと”なのだろうか?それはちょっと見逃していたかもしれない。彼女の××が実在し…復讐を企てていたというところまでは、映画だけでも納得できたのだが…その先は、この小説で詳しく描かれている、物語のモデルになった韓国の童話「薔花紅蓮伝」を知らないとついていけない。「薔花紅蓮伝」のことなんて、映画じゃ一言も出てこなかったしなぁ。

でも、もっと自分が気づかなかった、物凄い秘密が隠されているのかと思ったが…そうでもなかったんだなぁ。映画を見て、ある程度理解できた人、答えを導き出せた人は…答えの再確認に読んでみたらいかがでしょうか?きっとあなたの名推理は当たっていると思います。


映画「箪笥」の感想はこちら⇒クリック



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著者:吉村達也
姉妹―Two Sisters








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ゴッド・ディーバ(2004年)

2005年1月19日発売・レンタル開始の新作DVD「ゴッド・ディーバ」を鑑賞した。コミックやイラストの方でもかなり有名なエンキ・ビラル…前作「ティコ・ムーン」から7年ぶりに、3本目の劇場映画監督作品となる。自分は前作の「ティコ・ムーン」しか見ていないのだが…本職の才能を生かした、独特のヴィジュアルはかなり強烈であった。ということで…今回の新作もかなり期待がふくらみ、そしてセルDVDも30000セット限定の豪華版、リミテッド・エディションの方を奮発して予約購入した!まぁ、こちらを買わないと、音声仕様がDTS対応になっていないというのが最大の理由だが。

人間、ミュータント、エイリアンが混在して生活している未来のニューヨーク。突如、上空に出現したピラミッドの内部では、他の神々から死刑宣告を受けたホルスが、7日間の猶予を与えられ、ある女性を探すために下界に降りようとしていた。ホルスは人間の身体を借りようとするが、なかなか適合する人間にめぐり合えず…ようやく脱獄した政治犯ニコポルと出会い、彼の身体を利用して…青い髪をした謎の美女ジルを探し始めるのだった。

もの凄い世界だ。人間、ミュータント、エイリアン…さらには“神”までもが登場する。この特殊な世界観を…主要メンバー以外ののキャラクターもほとんどを、CGアニメで描くという手法で映像を見せている。更にそのCG映像も、リアリティを追求した物凄いものから…子供の落書きのようなチープなものまで、一つの個性に固まらずに色々なバリエーションで見せてくるから、ビックリだ。最初こそ、違和感を感じずにはおれないが…CG映像は、エンキ・ビラルが描き出すイラストに非常に近いものであり、彼の作品を見ているという満足感が少しずつ出てくる。何もかもグチャグチャに混ざり合った、エンキ・ビラルの独特なヴィジュアル、猥雑な世界だからこそ…この奇妙な映像でも作品が成立してしまう。

物語は一見、とっつきにくいが…語っていることは意外と単純。ただ、説明が不充分なだけなので…そこはもう視聴している人間のセンスで補うしかない。映画を理解できない人が、原作ものだからだとよく言い訳しているが…SF作品が好きな人なら、それはあまり問題にならないと思います。活字でSF小説を好んで読むような、想像力豊かな人の方が、こういう作品は楽しめると思いますよ。映画なんて好みの問題なので…他人の好き嫌いまではとやかくいいませんが、決して難しい映画ではないというのは理解してほしいです。

感心するのは、エンキ・ビラルの女優選択のセンスの良さ。「ティコ・ムーン」のジュリー・デルピーに匹敵する、チャーミングな女優を見つけてきたなぁというのが…この映画の最大の魅力かも。

ちょっと映画をかじったような人が、直に何々のパクリだという表現をしているのをよく目にするが…実は、パクっているのは過去に作られたそういうったSF作品であり、それらがエンキ・ビラルの作品に非常に影響を受けているというのを忘れてはいけない(ロード・オブ・ザ・リングを見てドラクエのパクリっだって騒いでるお子様がたくさんいました…それと一緒です)。

SF嫌いだけど…レンタルで借りてちょっと見てみようかなんて思っている人は、回れ右して…「フィフス・エレメント」でも借りた方が無難かな…。自分は頑張って高い方のDVD買ってよかったとおもいますよ。短時間に何度も繰り返し見ようとは思わないが…何年かに1回は見直したい…そんな作品の1本です。

まだ試してないのですが…DVDの特典で、“「ブレードランナー」体験!ズームアップ・フォトギャラリー”なるものが収録されています。ちょっと面白そう。

監督:エンキ・ビラル
出演:リンダ・アルディ トーマス・クレッチマン シャーロット・ランプリング


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DVD ゴッド・ディーバ リミテッド・エディション
DVD ゴッド・ディーバ 通常版













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ファースト・スピード(2004年)

2004年12月31日発売(レンタル開始は28日って書いてあったけど)、新作DVD「ファースト・スピード」を鑑賞した。「ワイルド・スピード」の監督・ロブ・コーエンが原案&製作を担当しているので…いかにも“ワイルド・スピード”の類似品映画のように見せかけているジャケットと邦題!(ワイルド・スピードも原題全然違うんだけど)しかし、日本でも劇場未公開な、所詮はTVムービーだというのを忘れないように注意しましょう。デニス・ホッパーを筆頭に、ウィル・パットン、フレッド・ウォードとそこそこ有名なオヤジ俳優が揃って出ているので…なんとなく豪華には見えるのですが。

設定をいちいち説明すると…意外と複雑だしネタバレにも繋がるので、簡単にあらすじ程度の説明にとどめると、30年ぶりに出所してきた凄腕の強盗が、孫の力を借りて…自分をハメた裏切り者に復讐を果たすといった感じである。さりげなく祖父ちゃんから孫まで…親子三代の絆なんてものを描きながら…永遠の不良オヤジ、デニス・ホッパーが中途半端にやんちゃしている作品だと思ってもらえればよいかと(笑)

ポンティアックGTO(新旧)ほか…車の登場シーンはたくさんあるものの、「ワイルド・スピード」級のチェイスシーンなど皆無に等しい。孫が展示会場からかっぱらった、漆黒の“PONTIAC 2004 GTO”に…恋人である美人整備士が、塗装を変えて、ニトロまで搭載して、大改造を施すのだが、結局ニトロなんて使うシーンは出てこなかったぞ(多分、使って逃げたってことになってるんだけど…映像ではわからない)。

祖父ちゃんの現役時の愛車は“PONTIAC GTO THE JUDGE”。人手に渡っていたこの車をなんとか持ち主から借り受けることに成功し…これまた勝手に改造、ついでに断崖絶壁ダイブをかます始末で…さすが不良オヤジというところを見せ付けるのが、一番の見所???

1時間24分…複雑なわりに物語はお粗末だし、車好きの人にも物足りないだろうし、よっぽど見るものがない時以外は、あまりお薦めできないかなぁ(笑)レンタルで充分…一応ドルビーデジタル5.1chなので、見るならDVDで見ましょう!テレビ東京の午後のロードショー向きな作品だなぁ、コレ。

監督:ガイ・ノーマン・ビー
出演:デニス・ホッパー ウィル・パットン フレッド・ウォード クリス・カーマック


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DVD ファースト・スピード












【関連作品】
DVD ワイルド・スピード コレクターズ・エディション
DVD ワイルド・スピードX2



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箪笥(2003年)

2004年12月24日発売・レンタル開始の新作DVD「箪笥」を鑑賞した。公開当時も色々話題を振り撒いていたこの作品…劇場でも見なかったし、年末は他に買いたいソフトもいっぱいで予算がなかったタメ購入も控えていたのだが…先にこの映画を見た知人から、“とにかくわけわからないので、理解できるように詳しく解説してくれ”と言われたので…よーし、一丁その“わけわからない映画”に挑戦してやろうじゃないかという気持ちで…週イチのGEOの半額レンタル(セコイ)で、問題の「箪笥」を借りてきた次第です。

郊外の一軒家に姉妹は帰ってきた。美しい継母はどこかぎこちない態度でそんな二人を迎え入れる。どうやら姉妹と継母の関係はうまくいっていない様子だ…。


確かに、注意してないと、知人の言うとおり“わけがわからない映画だ”。とにかく不親切な内容で…普通の映画だと手がかりになりそうな“いかにも”な演出や説明的セリフがいくらでもあるはずなのに…この映画では意識して、そういったものが排除されている気がする。本当に手がかりを見つけにくい。登場人物だって極端に少ないのに…映画の中ではあえてキャラクターの関係などもあまり説明しないで、あやふやなままどんどん話が展開していく。まぁ、この辺がミソといえば、ミソなんだろうなぁと自分は思いますが。

ただ…どうみても怪しい箇所は何箇所か目に付く。その辺をきっちりおさえておくと…中盤で明かされる一つ目の衝撃的なと真実…クライマックス近くで判明する真相から…とりあえず二つの答えが導き出せるのではないでしょうか?自分はあの人の●●であるというのと、あの人が××であるという、両方が映画の中で成立しているのではないかって思うのだが…。なんでって聞かれると全然自信がないんだけど、とりあえず一度映画を見た段階で導き出せるのは、ストレートに考えてこの二つしかない。きっと細かく見ていくと…更にその答えを裏付けるものが隠されているのだろうが、一度見たくらいでは、はっきりとは確認できないよ(笑)


まぁ、DVDにはオーディオコメンタリーもついてるので、そういうのを聴けば、もっと色々、謎が判明するんじゃないかと思うのだが…まだ聴いていない。その前に…映画を見た直後に近所のBOOKOFFに行って、角川書店から出ているコミック版「 箪笥―薔花紅蓮」と、作家・吉村達也氏によるノベライズ的な小説版“箪笥”「 姉妹―Two Sisters」を購入してきた。さっそくコミックの方をさーーっと読んでみたのだが、なるほど、映画と微妙にセリフのニュアンスが違う箇所があり、●●なんじゃないかと、映画よりも気づきやすくなっていると感じた。で、現在…小説版の方も読み始めたのだが、映画では描かれていなかったバックボーンがきっちり語られているので、家族、姉妹、夫婦、妻と後妻(愛人)の関係がいっそうわかりやすくなっている。まだ途中までしか読んでいないのだが、映画の中とは時系列も違うので…かなり真相究明に近づきやすい構成になっている。巻末の作者のあとがきを先に読んじゃったのだが(笑)…映画のどんでん返しに、“さらにどんでん返し”が起きるような真実が、この小説には隠されているそうで…ようやくこれで「箪笥」の補完ができるみたいだ(笑)時間があれば、オーディオコメンタリーも聴いておこうと思う。

内容が把握できてくると…なかなかよくできた物語だなぁとは思うのだが、まんまと…製作者側のメディアミクス展開にのせられちまったなぁという印象も捨てきれない。

小説なんかでは…この手のオチ、手法はよく用いられるのだが…映像でやるとこうなるんだなぁ。今回の作品は…映画オタクよりも…活字でミステリーを読んでるような人の方が理解しやすいかもしれない。

監督:キム・ジウン 
出演:イム・スジョン ムン・グニョン ヨム・ジョンア キム・ガプス

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DVD 箪笥












【関連書籍】
姉妹―Two Sisters 著:吉村 達也
箪笥―薔花紅蓮 著者:キム ジウン 画:古結 あかね













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ガキ帝国(1981年)

1月22日より最新作「パッチギ!」が公開される井筒和幸監督だが…最近は深夜番組の辛口映画評やワイドショーのコメンテーターぶりの方が有名で、あまり映画に興味ない人たちからは“自分で面白いものを撮ってから、人の映画を貶せ”と思われている事もあるだろう。いやいや…井筒和幸は過去に面白い映画を本当に撮っているのです!ただ、悪口言ってるだけの変なオッサンじゃないんです。正直…自分はかなり「パッチギ!」期待しています。とりあえず…井筒和幸のことを変なオッサン程度にしか思っていない人…直にレンタル屋へ走って井筒監督の代表作「ガキ帝国」を借りてきましょう。というか、「パッチギ!」見る前に…コレは絶対見ておけよ!と声を大にして叫びたい。ということで、自分も久しぶりに鑑賞しましたです…ハイ。

時は昭和40年代…大阪ではキタの北神同盟とミナミのホープ会の二大勢力が激しい抗争を繰り返していた。少年院から帰ってきたばかりのリュウは、仲間のケン、チャボと3人で…自由気ままに生活を送っていたが…リュウの少年院時代の仲間コウは、北神同盟へ入会してしまう。ヤクザの後ろ盾もあり北神同盟でメキメキ頭角をあらわすコウ(後に明日のジョーと呼ばれるようになる)は…勢力をどんどん拡大していく。そんなことで次第に行き場を失っていくリュウたちとも対立する羽目になり…ある事件をきっかけに抗争はエスカレートしていく。

大阪を舞台にした不良たちの暴れっぷりを描きながら…在日朝鮮問題などを絡めてくるなんて内容は、今度の新作「パッチギ!」にもかなり酷似している(パッチギ!は未見なので詳しくはまだ比べられないが)。

主演はこれまた例の傷害事件で、ようやく芸能活動復帰、謹慎明けの島田紳助と、昔の相方・松本竜介。彼らが漫才ブームで頂点を極めていた頃の映画なんです。パっと見、犬塚弘を若くさせたような(笑)風貌の故・趙方豪も渋くてカッコイイ。24年前から…印象的な脇役を演じる大杉漣なども意外と見所です!

安易な不良ドラマと違って…主人公たちが無敵のヒーローではないというところが共感しやすい。コノヤロー!と…勢いで相手に殴りこみに行ってもあっさり負けたりするのが、なんだか胸にジーンとくる。

低予算で映画であり…全体的にチープさも目立つ。監督自身もそれまで撮っていたピンク映画から、初めてこうした一般の商業作品にチャレンジしたものであり、演出的にも甘さが目立つのだが、そんなものを跳ね飛ばすパワーを兼ね備えた作品なのは間違いない!とくにクライマックス…抗争シーンのインパクトもさることながら、権力の象徴である警察官に楯突き、逃げ回るというラストカットがとにかく素晴らしい!たくさん露出があるわけじゃないが、さすがピンク出身だけあり…Hシーンも、微妙にエロさを感じられるかなぁ(笑)

30間近の自分が…ギリギリ分かる“ザ・ガードマン”ネタ(笑)、今の20代の人はどんな風に思うのだろうか。TVから流れ出すザ・ガードマンのテーマ曲と場面がシンクロするところなど、とにかくカッコイイ。今でいう懐メロを映画の中にうまく取り込むのも、井筒作品ではよく見かける(その極みが「のど自慢」?「パッチギ」の予告編では“あの素晴らしい愛をもう一度が効果的に使われてるし…前回の「ゲロッパ」だってJBだし)。

とにかく…「パッチギ!」鑑賞前に一度見ておきましょう!あっ、そうだ…できれば「岸和田少年愚連隊」も一緒に見ておきましょう。

監督:井筒和幸
出演:島田紳助 松本竜介 趙方豪 升毅 紗貴めぐみ 夢路いとし 上岡龍太郎

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DVD ガキ帝国














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スクリーン・デラックス カンフー映画大全集

近代映画社から出ている、カンフー映画大全集 「燃えよドラゴン」から「カンフーハッスル」までを立ち読みしてきた(笑)

洋泉社の「別冊映画秘宝 カンフーハッスルインサイダー」に比べると正統派な感じの映画ムック本だが…こちらも倉田保昭、谷垣健治なども登場するなど、なかなか見所アリです!

巻頭特集として「カンフーハッスル」の大特集を行っていて…作品、キャラクター紹介などは他の書籍類と重複的な内容ではあるが…これにもチャウ・シンチーのインタビューが載っているので、ファンはおさえたいところでしょうね!

「燃えよドラゴン」から「HERO」「LOVERS」まで、有名・無名のカンフー映画がたくさん載っています!ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ジェット・リー、ユン・ピョウなどスター名鑑もバッチリ!

お金に余裕のある方は、「カンフーハッスル」の予習・復習にいいと思いますよ!お金がない方は…安い「カンフーハッスル インサイダー」の方がお薦めだな(笑)

あくまで立ち読みだけなので…詳細など間違っていたらスイマセン!

近代映画社の公式サイトなど参考にしてください⇒クリック













カンフー映画大全集―「燃えよドラゴン」から「カンフーハッスル」まで
近代映画社 ISBN:4-7648-2028-5 2005年01月発行 定価 2,100円(税込)














カンフーハッスルインサイダー―功夫衝撃的電影実用解説書
洋泉社 ISBN:4-89691-885-1 2004年12月発行 定価:1050円(税込)








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DEATH 流血地獄(2004年)

期間限定のTSUTAYAオンラインの半額クーポン券があったので、それを利用して、見逃していた旧作ソフトをいくつか借りてきた。その中の1本がコレ…竹内力主演「DEATH 流血地獄」。昨年の10月頃リリースされたオリジナルビデオ。いわゆるVシネってヤツで…これには12月にリリースされた、「DEATH2 流血地獄」という続編がある。案の定…1は中途半端なところで物語が終ってしまい、続きはパート2なんだけど、そのパート2はまだ半額で借りれなかったので、承知で1しか借りてこなかったわけなのだ…。

中古車販売店を開いている領田我意…実はコロンビア麻薬カルテルから派遣された密売組織のボスだった。裏切り者は容赦なく殺す…自分を裏切ったイラン人を殺すため、同席していたヤクザもろとも蜂の巣にしてしまう!?警察上層部はそんな報復劇も…チンピラ同士のいざこざという単純な事件として始末してしまいたいのだが…一人の悪徳刑事はそこに“金”の匂いを嗅ぎ取った。仲間が起こした些細な揉め事から中国マフィアとの抗争へ発展、さらには少年院時代の幼馴染であるヤクザとの対立と…我意を取り巻く状況がどんどん悪化していく…。

といったところで…続きはパート2だ。発売メーカーの公式サイトで調べる限りは、パート2で完結、話に決着がつくみたいなので…また近いうちに借りてこようと思っている。

相変わらず力軍団は…自分の事務所の俳優たちがガッチリ固めている(笑)珍しく刑事役として、竹内力を追う立場にいる、山口祥行も…いつのまにか買収されてるし(笑)

とにかく今回の竹内力はカッコイイ。初っ端から、チョウ・ユンファのごとくトカレフの二挺拳銃で乱れ撃ちをかます!いや、チョウ・ユンファってより…見た目はアントニオ・バンデラスだな(笑)ユンファほど繊細じゃないから(爆)敵と戦闘をおっぱじめる前は「カーニバルだぁ!?」って嬉しそうに雄叫びをあげる!とにかく熱い男なのだ…(ラテン帰りだけど列記とした日本人)。昔付き合ってた彼女が末期がんで余命3ヶ月なんて状態なのに…久しぶりに会った途端「一発やるか!」って病院のベッドでガバーーーーってやっちゃう!でも、こんなキ●ガイ(我意とかけてみました)じみたキャラクターも何故かカッコよく見えてしまうから不思議だ。まぁ、そこが竹内力の魅力なんだけどさ。

幼馴染のヤクザを演じているのが遠藤憲一。今回はけっこう渋めにクールな役柄(一部、回想シーンで酔っ払って、やたらテンションが高いというシーンがあるが)。出番はそんなにないのだが…活躍はきっとパート2で用意されていることだろう。

ガンアクションに関しては…ブローバックも排莢も丁寧に見せているのでなかなかリアル。Vシネ系作品にはピッタリな遠藤浩二氏の音楽が今回も素晴らしい!

とりあえずパート2への期待はかなり膨らんでいます!

監督:池田敏春 原作:横溝 美晶( 螺子者の血統
出演:竹内力 遠藤憲一 山口祥行 ERIKU


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DVD DEATH  流血地獄
DVD DEATH2 流血地獄












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ほたるの星(2003年)

2004年12月22日発売・レンタル開始の新作DVD「ほたるの星」を鑑賞した。原作・宗田理、監督・菅原浩志と、「ぼくらの七日間戦争」コンビの作品だったりする。まぁ、この監督の過去のフィルモグラフィー(他の代表作は「ときめきメモリアル」「That’s カンニング! 史上最大の作戦?」「ドリームメーカー」とアイドル映画が多い)を見ると、主題歌が“つんく”のプロデュースだったり、キャスティングがハロー!プロジェクト絡みだったりするのは納得してしまうのだが…そういうのは忘れて、意外と大人の見れる作品に仕上がっているので、けっこうお薦めしたい。

何度も教員試験に挑戦し、やっとのことで教職の道に進むことができた主人公の青年が、赴任にしたのは山口県の田舎の学校。新任教師にありがちな熱い理想をかかげて生徒に接するが…ことごとく失敗。厳しい現実を思い知らされる。さらに彼の生徒で、複雑な家庭環境から心を閉ざす一人の少女のことが、気になってしょうがない。そんな時にふとしたきっかけから、生徒たちと“ほたるの飼育”をはじめることになり、少女や他のクラスメイトとも段々とコミニケーションがとれはじめるのだが…。

一応。原作は実話を基にしているそうだ。映画としてはベタな展開ながら…何か惹きつけられるものがある。自分が感じたのは、懐かしいあの名作ドラマ「熱中時代」の雰囲気に近いものなのだが、他の方はどんな風に思ったのだろうか?生徒の視線に立ちすぎて…周りの大人から(同僚の教師や親)見れば、変わり者にしか見えない先生。しかし…子供に対する愛情は人一倍強く、何度も危機に直面しながらも、他の大人が振りかざす“権力”には負けない(負けそうにもなるんだけど)という姿勢が、見ていてとても気持ちが良かった。

容姿は全然違うのだが…この映画の中の先生が、見ているうちに、本当に「熱中時代」の水谷豊に見えてくる。いや、見た目というよりも…小澤征悦の喋るトーンなのかな、声の質なのか…それが妙に“北野広大”(熱中時代の教師の名前)に似ているのだ。

この間、やはり教師が主人公の邦画、坂口憲二主演の「機関車先生」を見たのだが…あっちで物足りなかった爽快感みたいなものが、この作品にはあった。確かに坂口憲二と小澤征悦では…ルックスは坂口憲二の方がカッコイイが、田舎の先生としてリアルに見えるのは小澤征悦だろう(笑)

主人公が勤務する学校の校長先生を樹木希林、教師を目指すきっかけにもなった恩師の役で役所広司などがチラリと顔を覗かすのだが、やっぱりこういう人が出てくると映画としてキチンと締まりがでてくる。

ただ、一言だけ個人的に言わせていただくと…クライマックスが、ファンタジーすぎる!途中までリアルに描いてきたのに、最後の最後でファンタジーに昇華してしまうのも。結末自体はいい結果だと思うのだが、もう少し地味目なシーンでも良かったのではないかなぁと…。特に、思い出したように挿入される東京(笹野高史の出番)のシーンも不要に感じた。エンディングに到達するまでは非常によくできた作品だった。

さっき。フィルモグラフィー見直して、「ドリームメーカー」の監督だったのか~と気づいたが、あれもDA PUMPやSPEEDといった当時のアイドルを主役に迎えたアイドル映画の部類でありながら…映画としてけっこう面白かった。未見の方は良かったら一緒に見てみてください。

監督:菅原浩志
出演:小澤征悦 山本未來 菅谷梨沙子 熊井友理奈 中原ひとみ 森公美子 余貴美子 北見敏之 樹木希林 役所広司

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DVD ほたるの星














【文章中で紹介した作品】
機関車先生 スペシャル・エディション
ドリームメーカー
熱中時代 DVD-BOX
熱中時代(教師編Part.2)DVD-BOX 1
熱中時代(教師編Part.2)DVD-BOX 2




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クイーン・コング(1976年)

先日…行きつけのDVDショップに予約した「真珠の耳飾りの少女」のDVDを取りに行ったときのことだった。レジカウンター前で、売れ残りDVDの処分コーナーができていて、ALL1000円の値札がついていた。だいたい、廉価版で出ちゃったようなメジャー作品の旧作パッケージとか、時代遅れの音楽DVDとかそういう類のものが多かったのだが…ひときわ異彩を放っていたのが、この「クィーン・コング 初回限定版」のDVDソフトだった。噂だけは色々知っていたが…買う気にはなれなかったソフト。でも、定価6000円のソフトが1000円なら買ってもいいかな~などと思案していたところ、懇意にしている店員さんが更に値引きをしてくれるということで、思わずノセられて勢いで買ってきてしまった(笑)買った金額は…内緒です。安すぎて言えませんよ。聞けば、まだ倉庫に何本か同じソフトが残っているそうで…保存用にいかがですか?などと言われてしまった。今から3年も前に限定1000本で発売されたソフトなのに…いまだに在庫があまっているなんて、まったく人気のなさもここまでくれば凄いとしか言いようがない。そんなソフトを買ってしまうとは…。ということで、「真珠の耳飾りの少女」と「クィーン・コング」を抱えて帰ってきました。

で、何故か…「真珠の耳飾りの少女」を見ずに、「クィーン・コング」を開封してしまったのですね(笑)限定版だったので、箱を開けると中からパンフレットとストラップが出てきました。ソフトは4800円って書いてある通常版と同じモノが…って、このパンフレットとストラップが1200円もするのか!メジャーソフトメーカーだったら2980円で特典ディスクとオマケが付いてくるという時代に、まったくあこぎな商売してるな…弱小メーカーは。でも、自分は1000円以下で買っているので文句は言えません。


確かに、この映画はB級どころか、C級、D級…いやいやZ級映画に違いないんだけど、それはあくまでオリジナル音声を日本語字幕で見た時であり、日本劇場公開版の吹き替え音声で楽しめば…Z級映画がC級位までパワーアップしているという不思議な映画だ(でも所詮C級なのね)。

普段は、洋画の吹替えなんて大嫌いな人間なんだけれども…中には例外もあり、故・山田康雄さんのイーストウッドや、石丸博也さんのジャッキー・チェンなどは大好きだ。そして…吹替えといえばこのひと、広川太一郎!?自分はTV版のロジャー・ムーア007でお世話になっていて…この人も許せる洋画吹替えの声優さんの一人だ。

文字通り、映画の内容は「キングコング」のパロディであり…ハリウッド映画を相当茶化したバカバカしい内容。更に25年前ということで…映像も極めてチープ。ねーちゃんのケツのアップがいっぱい出てくるくらいで、その他は見所なんて一つもありゃ~しない(個人的にスピルバーグの「ロスト・ワールド」よりは、こっちの方が好きだけどなぁ~)

しかし、これが吹替えになると…意外と見れる作品になってしまうのだ。ただし、広川太一郎という声優さんの凄さ、面白さを知っている人限定だが(笑)このメチャクチャやる気のなさそうでいて…実はアドリブ全開の広川節がたまらない。オリジナル音声にはセリフなんて入ってないところまでバンバン、セリフが入ってるし…映画に対して観客がツッコむ前に広川太一郎の絶妙なツッコミが先に飛び出してしまう。本当にふざけた映画である。でもなんだか憎めないこの作品。ヒロイン役の吹替えは、ドラえもんの“のび太くん”やタイムボカンシリーズでお馴染みの小原乃梨子女史。イケイケのパツキン美女がドロンジョ様という…ピッタリなキャスティングだ。ワンシーンで消えていくようなマヌケな脇役たちを一人で何役もやっていた緒方賢一さんも笑いどころかもしれない。このハチャメチャ感が実に懐かしい…吹き替え洋画の稀に見る成功例ではなかろうか?(映画自体はコケてるけど)

本当は…一度見たら、元値の5倍くらいで、ヤフ●クにでも出してやろうかと企てていたのだが…見終わったとは、そんな気持ちはどこかへ吹き飛んでいた。今度はいつ見るのかわからないけど…自分の大事なDVDコレクションとなったのは事実です。DVDには映像特典として、アテレコの収録風景や、広川、小原両氏による劇場公開時の舞台挨拶などが収録されている。合計すると…30分くらい、広川太一郎が、いかにこの映画がつまらないかを観客に説明している風景が延々と収録されている。ぶっちゃけ、普段はDVDの映像特典にはあまり興味ないんですけど…本編以上に笑わせてもらえる映像特典も珍しいかな~。

もし、皆さんも…このソフトが1000円以下で売られているのを見つけたら、試しに買ってみてください(笑)ただ“チキチキマシーン猛レース”とか“タイムボカンシリーズ”とか知らない世代は、絶対に見ないほうがいい。きっと、あの吹替えの良さが分からないでしょう。

【DVDソフトの購入】

DVD クイーン・コング(限定)
DVD クイーン・コング
Amazonでも売ってますが…こんなもん、正規の金額で買うもんじゃないですよ!?