朽ちないサクラ(2024年) | 勝手に映画紹介!?

朽ちないサクラ(2024年)

朽ちないサクラ(2024年)

 

【鑑賞日:2024年6月25日】

 

ユナイテッドシネマ系列、CLUB-SPICEのポイントが貯まってたので映画を1本…本当は地元シネプレックスでも開催中の“ガンダムシネマフェス”に使おうと思ってたんだけど、一番スクリーンで見たい「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の上映スケジュール(日替わり上映で、今は1日1回、夕方しかやってない)と自分の都合が合わなそうなので断念…いいよ、家で円盤で見直すから!そんなわけで、先週末から公開されている「朽ちないサクラ」を見てきた…「孤狼の血」でお馴染み柚月裕子の同名小説を映像化したもので、オイラも原作を読んでいるのよね…。

 

愛知県在住の女子大生が、神社の長男にストカーされた末に、殺された。後に、被害者側から、被害届がショカツの平井中央署生活安全課に出されていたものの、慰安旅行のせいで受理が先延ばしになっていたことが判明…そのスクープを地元の米崎新聞に独占スクープされてしまう!警察にも市民から多くの苦情が寄せられ、警察内部では誰が情報をリークしたのかと、犯人探しも始まっていた。そんな中、県警広聴課の森口泉は、友人の記者・津村千佳が自分との約束を破って記事を書いたのではと疑っていた。その後、千佳が変死体で発見され…。

 

原作の単行本が発刊されたのは2015年2月、自分の読書ブログの記録を遡ると、オイラは2018年4月に古本で入手して、原作小説を読んでいる。もう、かれこれ6年前になるのか?大まかなストーリーラインはなんとなく記憶にあるけど、映画との違いが比較ができるほど覚えていないかな?事件・騒動にに巻き込まれ、真相究明に奔走するヒロインに杉咲花、監督は「帰ってきた あぶない刑事」が公開されたばかり(っていうか、まだ普通にやってるし)の原廣利…同時進行で警察ものを2本撮ったと話題になっていたけど、ジャンルや作風はまったく異なる…。

 

映画冒頭は…原作と見せ方が異なる。ストーカー殺人→警察署の不祥事→情報リーク→主人公の友人である新聞記者の死(他殺)と、物語上の時系列は同じなんだけれども…、映画だと先に、新聞記者が何者かに殺される場面を冒頭で見せてしまっている。いや、その時は…人が殺されたというだけで、映像も暗いし、BGMがやたらデカいので劇中のセリフが聴き取りにくく(たぶん演出?)、何が起きてるんだろう?と、かなり謎めいているんだけど…後に、新聞記者の死が描かれることで…あの冒頭の映像が、まさに犯行の瞬間だったのかと腑に落ちる。

 

小説の方は、ストーカー事件が起き、さらに警察の不祥事が影響してたよってことで、県警中がてんやわんやしてて、主人公は日常業務としてそれに接してるところから始まる。そこから、もしかしたら情報のリークは自分が知人に話してしまった他愛のないプライベートの話が原因じゃないかと不安になり、新聞記者を直接責め立てたりしちゃって、喧嘩別れ…その後すぐに、死体が発見されたことで、主人公は責任を感じてしまい、刑事たちの正式捜査とは別ルートで、事件の真相を自分で調べようとすると…あとの流れはだいたい一緒だったんじゃないかな。

 

原作小説の内容は忘れているところも多く…あくまで覚えている限りのなんとなくの印象と比較してなんだけれども、映画の方は、先に薄気味悪い殺人シーンを見せてしまうことで、全体の印象がよりハードでダークな雰囲気になったなと思った。ヒロインを演じる杉咲花なんかも、思った以上に感情を押し殺した演技をしているので暗いのよ。小説の方だけ読むと…それこそ2時間ドラマでもいいんじゃないか?って思っちゃう部分もあったのだが、ちょっとしたアレンジが功を奏し、映画ならでは重厚さはしっかり出せていたんじゃないかなと、個人的には評価する。

 

自分の読書ブログから、原作読了直後の感想を引用すると…「“朽ちないサクラ”というズバリなタイトルから、わりと早い段階で“真相”や“真犯人”を予想することは可能。導入部や、中盤で死者が増え、事件の広がりを予感させるあたりはわりと面白く読めたんだけど、最後が少々物足りなかった。あそこまで“真相”に迫ってしまったのならば、主人公自身にも、身の危険が迫るような…スリリングな展開が欲しかった。もし、“複数の死”が…主人公たちの推測・推理通りの”殺人”なのであれば、主人公も口封じの対象にされるべきだと思う」なんて書いてるのよ…。

 

まぁ、映画の感想も…だいたいこんな感じなんだけれども、小説の方で物足りなく感じた、“スリリングな展開が欲しかった”という部分は、芸達者な役者陣の芝居も影響してるのかもだけど、“怖さ”みたいなのは演出できていた。だからそれは、この文章でも書いたけど…小説よりもハードでダークな全体の印象と繋がるのかな?あと小説の方にあったかどうか覚えてないんだけど、事件解決後に、杉咲花が死んだ親友の母親・藤田朋子に会いに行ったシーンで思わずウルっときた。なんか、すごく緊張感もあるシーンなんだけど、藤田朋子の一言で、救われた。

 

っていうか…藤田朋子、見た目も含めてめっちゃ地味な役だけど、あのシーンで持ってったな。何気に昭和末期(まだ平成に入ってなかったはず)と令和のNHK朝ドラヒロイン女優対決なのよ、アレ、見応えがあるのは当たり前だよな。あとは…杉咲花の上司を演じたヤスケン(安田顕)と、事件の捜査を指揮する刑事・豊原功補のオジサン2人も迫力があったね。途中、この2人のオジサンが物語を回してる感じもあったしね。想像してたよりも面白あった、本当に「帰ってきた あぶない刑事」と同じ監督の作品なのか?大味の“あぶデカ”と違って繊細な作品だった。

 

 

監督:原廣利

出演:杉咲花 萩原利久 豊原功補 森田想 坂東巳之助 駿河太郎 遠藤雄弥 和田聰宏 藤田朋子 安田顕

 

 

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