ベネデッタ(2021年) | 勝手に映画紹介!?

ベネデッタ(2021年)


ベネデッタ  [DVD]

 

先週の21日に発売となった映画秘宝の最新号(映画秘宝 2024年 04 月号 [雑誌])で恒例のベスト&トホホテンが発表されていたのだが…上位ランクイン作品で、もうWOWOWで放送・録画済みだったのに、見ていなかったものをこの機会に消化してしまおうと思い、順番に鑑賞中…“2023年度映画秘宝のベスト10”の4位にランクインしていた「フェイブルマンズ」に続き、今度は3位にランクインしていた「ベネデッタ」を鑑賞する。スピルバーグの次はバーホーベンか…ベテラン巨匠勢はやっぱ強いな。相変わらずエロとバイオレンス満載な劇ヤバ修道女のお話。

 

17世紀、6歳の少女ベネデッタは…両親に連れられテアティノ修道院にやって来た。両親は持参金を払い…ベネデッタを修道院にあずけることにしたのだ。それから18年後…修道院で育ったベネデッタは純真無垢なまま成長し、神に仕えていた。そんなある日、1人の若い女性バルトロメアが暴力的な父親から逃れるため、助けを求めて修道院に駆け込んできた。ベネデッタの助言でバルトロメアは修道院で暮らせるようになり…いつしか2人は惹かれあう。同じころ…ベネデッタに聖痕が現れ、新しい修道院長に選ばれるのだが、周囲から疑問の声も挙がり…。

 

ヤリマンばばぁがレイプ被害に遭うサスペンス…前作「エル ELLE」の時点で80近かったバーホーベン。作風やテーマのブレてなさに思わず拍手したくなったが…その前作から約5年ぶり、80半ばになって完成させた本作でも、まったく変わっていなくて、元気ジジイぶりを見せつけてくるのが凄い。今回も…修道女がキリストとファックスするという淫夢を見る一方で…世話役の後輩修道女とはレズビアンの関係になるという、下手すりゃ“フランス書院文庫”のまとめてイッキ読みだろうみたいな話をシレっと撮って、平然としてやがるんですよね、恐れ入ったよ(笑)

 

いくら“17世紀の実話から着想を得た”と謳っているとはいえ…コンプラだ、多様性だとなんだとうるさい時代に、女優を容赦なく脱がし、同性愛を真っ向から否定、手作り性具を隠し持ってたくらいで火あぶりにされるという…めちゃくちゃな話だもんな。スケベなおねーさんが平然と嘘をつき周囲の人間を惑わす…観客・視聴者的には、こいつ絶対に“クロ”だろと思いつつも、劇中の堂々とした振舞いを見ていると、翻弄される人々同様、聖痕は本物、彼女の言葉は本当にキリストのお告げなのではないかという錯覚に陥ってくる。やってることは「氷の微笑」と一緒か?

 

夢の中では、それこそキリストと名乗る荒くれ者にレイプされそうになるシーンもある…そしてそんな荒くれ者たちに抵抗し、容赦なく鉄槌をくらわすシーンもあるのだが、そこを見ているだけで「ロボコップ」のワンシーンがフラッシュバックするのだった。本来はR18指定作品だが、WOWOWではボカシ処理などをしてR15+に引き下げて放送…頻繁にボカシ処理が入るので、見てる間はけっこうストレスがたまる。円盤だとR18ってなってたので…たぶん、過度な修正はされていないのだろう。お金に余裕がある人は、ちゃんとパッケージで見た方がいいかもね。

 

主人公ベネデッタは…教会関係者から嘘つきのドスケベレズ女だと糾弾されて、裁判にかけられる。シロかクロかの心証は前述したとおりだが…彼女にどんな結末が訪れるのかは、ドキドキしながら最後まで見守った。証拠の“アレ”まで見つかっちゃって完全にアウト…学生時代、オカンにエロ本の隠し場所を指摘された時のような絶体絶命のピンチじゃねーか(笑)でも、最後はへぇ~、ほぉ~という意外性もあって、驚きながら見終わった。いつもと同じことをやってるようだけど…映画としては、ちゃんと“新鮮さ”もある。秘宝のベストで上位ランクインも納得だ。

 

 

監督:ポール・ヴァーホーヴェン

出演:ヴィルジニー・エフィラ シャーロット・ランプリング ダフネ・パタキア ランベール・ウィルソン

 

 

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