フェイブルマンズ(2022年) | 勝手に映画紹介!?

フェイブルマンズ(2022年)

フェイブルマンズ [DVD]

 

先月1月に復刊、先週の21日に最新号が発売となった映画秘宝(映画秘宝 2024年 04 月号 [雑誌])で…恒例のベスト&トホホテンの発表!そういえば2023年公開作品のベスト上位で、既にWOWOWで放送・録画済みなのに見てない作品もあるなぁと…エアチェックディスクを物色。2位から4位にランクインしていた3作品をこの機会にまとめて見てしまうことにする。そんなわけで、まずは“2023年度映画秘宝のベスト10”の4位にランクインしていた「フェイブルマンズ」を鑑賞…スピルバーグが映画作りに目覚めたきっかけを振り返る、自身の自伝的な物語。

 

科学者の父バート、ピアニストの母ミッツィに連れられ、初めて映画館にやって来た少年サミー・フェイブルマンズ…最初は映画というものに抵抗を感じ、怖がっていたが、スクリーンの中で展開されるスペクタクルの数々にいつしか魅了される。特に…車と列車が衝突するという衝撃的な場面が忘れられず、後に買い与えられたおもちゃと、家にあった8ミリカメラで映画のワンシーンを再現。以来、映画作りに夢中になっていくサミー…数年後、家族で出かけたキャンプを撮影することになり、編集中に思いがけないシーンを見つけて、どうすればいいかと悩む。

 

親に映画館へ連れて行ってもらった少年が、映画というものに魅了され、幼少期から8ミリを片手に、映像を撮りまくるようになる。最初は、列車と車がぶつかるという…特撮的なスペクタクルシーンに大興奮!列車や車の模型を買ってもらうんだけど、何度も映画の再現をするのは大変、おもちゃが壊れて親にも怒られる…そこで思いついたのが、その再現したシーンをフィルムに収めれば、いいんじゃないかという方法。そうすれば効率よく、何度も再現が見れる。その映像が本格的で…両親にも褒められる。かくして少年は…映画撮影(模倣)に夢中になる。

 

きっと、オイラが「ウルトラマン」を初めて見て、ビルを壊す怪獣に魅了された感覚に似てるんだろうな…でも、普通の子供はスピルバーグのように天才じゃないので、ソフビ人形とブロックを組み合わせて、ごっこ遊びをするのが関の山だったんだよ(笑)あと…スピルバーグには、機材を手にできる環境もあったのね。父ちゃんが頭も良いし、稼ぎも良かった。家族関係や血筋は…色々と後半のドラマ展開にも影響していくんだけれど、この幼少期に限っては、「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」のスネ夫感。撮影云々の前に、おもちゃもいっぱい買えてもらえている。

 

ちなみに、オイラが映画というものを意識して、のめり込んでいったのは…小学生の時に親父と一緒にテレビの映画劇場で見ていた「007/ゴールドフィンガー」だった。コネリーがウェットスーツを脱ぐと、その下に真っ白なタキシードを着ていてというあのシーンがなんとも鮮烈で、この時間に、このチャンネルに合わせると面白いものが見れるというのを覚え、手あたり次第洋画を見ていた。ちなみに、だいたい途中で親に“もう寝なさい”ってテレビを消されちゃうので…「ゴールドフィンガー」の美女の金粉全裸死体を見たのは、中学生に入ってからレンタルビデオで。

 

少年は妹や、学校の友達と一緒に…さらに本格的な映画撮影を極めていき、高校に入る頃にはプロ顔負けになっている。仲間と一緒に戦争映画を撮り始める展開などを見ていると…将来、「プライベート・ライアン」が誕生するのも必然だったんだななんて思えてくる。たぶんシーンは前後するんだけど、わりと破天荒な母ちゃんが、子供たちを連れて、車で竜巻の中心部に突入を試みる展開とか…スピルバーグを製作総指揮を務めた「ツイスター」のまんまワンシーンみたいで大笑いしてしまう。自分の作品以外にも名作のオマージュやパロディが色々と顔を出す。

 

物語が進み、一番多感な年頃に差し掛かると…自分の撮影癖が、思わぬ不幸をもたらし、大いに悩む。そして、それでも結局は欲求に逆らえない…“活動屋”の性が既に垣間見れる。ユダヤ人の家系のせいで…激しい虐めにも遭い、何度も心が折れかかるが、映画(撮影)に逃避することで己を貫き、最終的には成功のチャンスも掴むわけで…あのスピルバーグにだって、つらい過去があるんだ、でも決してあきらめるなという、若い世代へのエールもしっかり感じられた。日本でも樋口真嗣や北村龍平が自身をモデルに和製“フェイブルマンズ”を撮ったら面白そう。

 

 

監督:スティーヴン・スピルバーグ

出演:ミシェル・ウィリアムズ ポール・ダノ ガブリエル・ラベル セス・ローゲン デヴィッド・リンチ

 

 

【DVDソフトの購入】

DVD フェイブルマンズ






 

人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!