英国サスペンス「容疑者~ねじれた犯罪心理~」(2022年) | 勝手に映画紹介!?

英国サスペンス「容疑者~ねじれた犯罪心理~」(2022年)

 

土曜日にWOWOWの“WOWOWプレミア(海外の秀作ドラマを日本初公開)”で一挙放送された“英国サスペンス「容疑者~ねじれた犯罪心理~」”をエアチェックしておいたので鑑賞…約50分尺×5話。タイトルにも表記されているのですぐにわかると思うけど、イギリスのサスペンスドラマ。原作はマイケル・ロボサムの「容疑者」(容疑者 (上) (集英社文庫)容疑者 (下) (集英社文庫))という作品…これは読んだことがないんだけど、ロボサムの作品は何冊か触れたことがあり、早川書房から出ている「生か、死か」と、「天使と嘘」の2作品を読んだことがある。

 

臨床心理士ジョーは、自殺志願者の青年を説得することになり…なんとか無事にやり遂げるが、その様子がテレビで放送され、一躍“ヒーロー”として有名になってしまう。そんなジョーは親友の医師ジャックから、若年性パーキンソン病だと診断されたばかりで…ショックを受けていた。一方、墓地で21か所も刺された女性の刺殺体が発見され…ルイーズ警部補とデイヴィ巡査部長が捜査を担当。被害者の身元が特定できず、セックスワーカーの可能性が浮上する。デイヴィがパブで聞き込みをしている時に、偶然、ジョーと知り合い、捜査協力を依頼するが…。

 

墓地で発見された女性の死体…21か所も執拗に刺されており、明らかに他殺と判断、警察の捜査が始まる。しかし被害者の身元特定が難航…担当する刑事は、事件現場によくセックスワーカーが出没するという理由で、被害者も同じような職業ではないかと考える。そこで“同業者”へ聞き込みを行うことになったのだが…偶然、その場に主人公である臨床心理士が居合わせ、捜査協力をすることに。そして主人公は死体の検死にも立ち会うんだけど…なぜか刑事の目を掻い潜り、勝手に死体を調べたり、不審な行動をとりはじめ、刑事は主人公を怪しみだす。

 

職業柄、事件に興味を持ち過ぎただけなのか?最初はそう思ったんだけど…後から、被害者と主人公に面識があったことが判明!その事実を主人公は隠蔽しようとするのだ。この行動には劇中の警察だけでなく、視聴者から見てもかなり怪しい。本人は警察の追求を受け、“知り合いだとは気づかなかった”、“気づいた後も、動転してしまった”と言い訳。さらに、まだこの時点で隠している秘密が…“21か所の傷”という死体の特徴から、“21という数字に拘りを持っている、前科ありの自分の患者”が怪しいと推理していて、その情報を警察に提供するか迷っていた。

 

総合的に判断し…警察は挙動が不審過ぎる主人公を容疑者と確定し、本格的な取り調べを開始!もちろん主人公は反論…証拠不十分で、釈放されるも…幾度となく、主人公が不利になる証言や証拠が見つかり、その都度、厳しい追及をされる。さすがに“はめられた”と悟った主人公は…パーキンソン病という病いを抱えながら、独自に真相を解明しようとする。英国サスペンスって…その場をやり過ごそうと嘘をつき、どんどんドツボにハマっていく、その理由が異性関係にありっていうのがよくあるよね…前に見た「THE BAY ~空白の一夜~」も似たパターン。

 

実は被害者から暴行被害を訴えられていた主人公(そのせいで夫婦仲、家庭崩壊の危機にも直面)…それは誤解で、無罪が確定していると反論。警察は主人公の主張は鵜吞みにせず、疑いを捨てない。実は被害者とは別の女(しかもセックスワーカーで元患者)と浮気してて、それがアリバイになるんだけど、本当のことを言い出せないでいた主人公。いや、たとえ、この事実を素直に話しても、浮気相手によると…“空白の時間”が存在するらしく…ここでも主人公は、“自分はやってない(=殺し)と主張するが、視聴者として見ていても信用できなくなってくる。

 

ついでに、警察には浮気のことを黙ってるけど、嫁さんにはカミングアウト…夫婦仲が再び悪化!嫁さんに家を追い出されてしまうんだけど、なんだかんだで、嫁さんの方も男関係はちょっとだらしがない。っていうか…2人の馴れ初めとかも、三角関係を引きずっていたりとか、意外とグチャグチャドロドロしてまして…要はそういう人間関係なんかも真犯人につけこまれちゃったってわけなんだよな。あと、犯人が1人とは限らない…協力者がいそう感は序盤からあった。段々と、こいつも怪しい、あいつも怪しいとなるが、わりと直感で疑ってたヤツがホンボシやった。

 

主人公の身から出た錆と…主人公に固執しすぎる無能な警察が事件を余計にややこしくした部分がかなり大きいと思うのだが、物語が佳境に入る後半エピソード、ある程度犯人に目星をつけ、犯行動機に迫っていく過程、そこで発覚する真実や新たな事件、そして遂に正体を現した犯人の実力行使等に立ち向かう主人公や警察の緊迫感ある駆け引きと…けっこう楽しめたんじゃないかな?序盤では、見ている側も主人公が怪しく見えたし、こじれた夫婦関係が修復できるのかも気になった。全5話なので、この手のドラマにしたら、テンポも良かった方じゃないか?
 

 

監督:ジェームズ・ストロング カミラ・ストロム・ヘンリクセン

出演:エイダン・ターナー ショーン・パークス カミラ・ビープット アンジリ・モヒンドラ アダム・ジェームズ 

 

 

【原作小説はこちら】

容疑者 (上) (集英社文庫)

容疑者 (下) (集英社文庫)

容疑者 (上) (集英社文庫)容疑者 (下) (集英社文庫)






 

人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!