大激突(1992年) | 勝手に映画紹介!?

大激突(1992年)

大激突


Amazonプライムビデオの有料チャンネル、“JUNK FILM by TOEI”の60日間無料体験(通常は14日間、キャンペーン申し込みは既に終了)にて、岡本夏生主演のVシネ「大激突」を鑑賞する…某国からの麻薬ルートを壊滅するために女Gメンの夏生姐さんが現地に潜入、裏切者をあぶり出し、謎のボスに迫るという感じのアクション。勘の良い人なら、作品画像の“見切れている大型トレーラー”から、タイトルの意味も察せられるんじゃないですかね?夏生姐さんのVシネといえば、前にU-NEXTで「女囚さそり 殺人予告」を見て、意外と面白かったんだけどな…。

 

麻薬Gメンの高村洋子は日夜、違法薬物と戦っていた。現在、日本では東南アジア“サザンランド”から密輸入される薬物が蔓延しており、捜査官の間では、組織のボスの名前から“カタオカルート”と呼ばれていた。ある日、“カタオカルート”の大規模取引があるということで、洋子とその仲間が監視、ガサ入れ捜査を行うのだが、取引自体はガセであり、同僚の捜査官が何者かに殺されてしまう。洋子は“サザンランド”行きを志願…カジノのディーラーに化け、現地で潜入している会田、町野と共にカタオカの正体に迫る。一方で洋子は会田が裏切り者だと怪しみ…。

 

冒頭、意味深に大型トレーラーがエンジンをふかすシーンから始まり(後に麻薬を運搬するためのトレーラーだとわかる)…薬物が蔓延するライブハウスで、Gメン夏生がヤク中を締め上げる姿が描かれる。その後…ショートカットになったGメン夏生が組織の人間を銃で脅し…取引現場の情報を入手。仲間と共に監視を始めるが…上司から連絡が入り、取引は別の場所だと知らされる。結局、上司の元に入ったタレコミはガセ。最初の情報の取引現場に戻ってみると、監視していたはずの仲間が何者かに殺されていた、危ない、夏生の後ろにも犯人が忍び寄る!

 

ああ、いいな、この“志村後ろ!”的なお約束の演出…そこへガセネタを掴まされた上司たちが応援に駆け付け、事なきを得る夏生。どこかに裏切者がいる、それは麻薬の供給元である“サザンランド”(詳しい国名は描かれてないのだが、作品のロケ地はフィリピンなので、きっと東南アジアなんだろうと推測)で潜入捜査を行っている2人の麻薬Gメンのどちらかに違いない!夏生は上司に自分も現地へ飛ぶと志願…カジノのディーラーとして潜入捜査を始める。どうやらカジノのマネージャー峰岸徹と、使用人の坂上忍が同業者、どちらかが裏切り者らしい。

 

さらに…ディーラーとして腕を振るってる夏生の前に、日本語ペラペラの現地人、又野誠治が現れ、口説こうとする…。しばらくは、ボスの正体もわからず、裏切者がどちらなのかも絞り込めない状況が続く…意外とダラダラ、正直、あまり面白くない。ただ、今見ると…この頃の、どこかあどけなさが残る夏生姐さんの、ちょっと控えめな演技(グラドルとして活躍していた当時のバラエティのグイグイくる感じが印象強く残っている)はけっこう可愛く見える。無駄なシャワーシーンや、侵入者と対峙する時のもっとちゃんと服着ろよなサービスシーンも目の保養になる。

 

序盤の日本、現地でのカジノへの潜入まではずっとショートカットだったんだけど、途中…ある人物を尾行する時から急に長髪になるGメン夏生!てっきり、尾行に気づかれないための変装なのかと思ったら、その後もずっと…最後まで長髪。ガンガン、髪を振り乱してアクションとかしてたけど、こっちの方が地毛なのか?ショートカットの方がヅラ?女性のファッションとか疎いので、パニくるオジサン…気になって、映像に集中できなくなる。ショートカット姿も自然に見えたけど、あれがヅラだったのかな?単なるミスなのか、何か設定があるのか、誰か教えてくれ。

 

で、中盤…一緒に峰岸徹が出てるので、若干、かっこよくも見えそうになる、錯覚を起こすんだけど、全然迫力もやる気も感じられない銃撃戦が挟まれたあたりから、ようやく物語が動き出す。まだボスの正体はわからないんだけど(見てる客はだいた予想がつく)、とりあえずボスが大規模な取引を実行するらしい、麻薬をトレーラーにしこたま積んで運搬するから、追いかけようということになる。途中、合流した坂上忍と、車でそのトレーラーを追いかけるのだが、いつの間にか、立場が逆転して、追いかけられるようになると…なるほど、だから「大激突」なのね。

 

そう、後半からクライマックスにかけては、スピルバーグの「激突」オマージュというにはだいぶ“おこがましさ”を感じる、パクリ以前の…車とトレーラーの追いかけっこが延々と繰り広げられるってわけですよ。ただ、低予算のVシネでも、ヘリによる空撮とかぶっこんでくるので、たまに“ちゃんと映画っぽいな”なんて感心もさせられるんだけど…それ以外は、なんとも微妙。後ろから迫る敵のトレーラー、前には荷物をしこたま積んだノロノロ運転のトラックが走り、鉄パイプが異様な長さではみ出てる…日本だったら、赤い布をつけなきゃ、絶対に違反だぜ、アレ(笑)

 

「激突」だけじゃなくて、年代的に「007/消されたライセンス」(こちらも麻薬王をぶっ潰す話で、大型トレーラー同士のチェイスシーンが見せ場の一つ)や「ヒッチャー」なんかもパクってる感じがするな。動かなくなったので、倒したと思ったトレーラーが、急に息を吹き返して、近づこうとしたGメン夏生に迫ってくるというシーンがあるんだけど、あの猛ダッシュで逃げる夏生姐さんの必死の形相が、演技じゃないガチ感(あくまでオイラにはそう見えたってだけだけど)。当時のVシネだったら、主演女優でも、ある程度のアクションをやらされてたんじゃないかなぁ?

 

まぁ、そんなわけで…前半のオマケ的お色気シーン同様、ロングヘアーになった夏生姐さんが、必死にアクションを頑張ってる姿も、まぁ、それなりに見れるなって思ったんだけど、映画的な演出とか脚本に関してはかなりクズな印象。ここ2、3本見たVシネは、それなりに面白かったので…正直、ガックリ。尺が約74分しかないのが救いかも?こんなク●映画、誰が撮ったんだよって思ったら、最後に“監督:磯村一路”って出てきてめっちゃビックリ、超ベテランやん(当時はまだ中堅)、田中麗奈のブルマ姿が拝める「がんばっていきまっしょい」の監督じゃねーか!

 

 

監督:磯村一路

出演:岡本夏生 坂上忍 下元史郎 デルジベット 松田時吉 鈴木義男 加倉井えり 峰岸徹 又野誠治

 

 

【JUNK FILM by TOEIへの加入で視聴可能】

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