サイバーネット(1995年) | 勝手に映画紹介!?

サイバーネット(1995年)

サイバーネット

 

シネフィルWOWOWで放送していたアンジー姐さんとジョニー・リー・ミラーの「サイバーネット」をケーブルテレビのSTB経由でエアチェックしたので鑑賞する。この作品はDVDを持ってるんだけど、日本では未ブルーレイ化(海外ではリリース済み「HACKERS」)なので、一応でもハイビジョン画質になっている放送版をコレクションしたかった。我が家のHDDレコでケーブルテレビが手軽に録画できるようになった昨年の春以降、何度も繰り返しリピート放送されてたんだけど、だいた放送が終わってから、やってたのに気づくことが多く、ようやくタイミングが合った。

 

幼い時にハッキング行為がバレて、FBIのブラックリストにのってしまったデイドは、18歳の誕生日を迎えるまで、パソコンに触ることを禁じられてしまうのだが、ようやくその咎めから解放される。それと同時に、シングルマザーの母親の事情で新しい高校に転入することになったデイドは、登校初日にケイトという同級生の女子に出会い、彼女のことを意識するようになるのだが、彼女もまた凄腕のハッカーだった!やがてデイドは、学校内のハッカー仲間たちと親しくなるのだが、仲間の1人が大企業にハッキングしたことから、別の犯罪の主犯として疑われてしまう!

 

キャストも監督もけっこう名が通ってるんだけど、日本ではソフトスルー、未公開扱いだった作品。サンドラ・ブロックの「ザ・インターネット」 なんかもそうだけど、当時はまだ、そこまでインターネットというものも一般的ではなく、映画のなかで描かれているものが“リアル”だと思って見ていたんだけど、ちょろっとネットの専門用語がセリフの中で出てきたくらいで、まんまと騙されていたよね。今の時代に改めて見ると…ネットの描写なんかもどこか絵空事、大味で、SF映画に近いような感じであり、ノリ的には、大昔のファミコン漫画みたいな印象だったりする…。

 

それこそ…先日他界した三浦春馬主演で映像化された、漫画原作の日本のテレビドラマ「ブラッディ・マンデイ」なんかは、そうとうこのあたりの作品の影響を受けていそうな感じがしないでもない。そんな、ネット描写は“あまあま”な作品なんだけど青春音楽映画の傑作「バック・ビート」を撮ったイアン・ソフトリーが監督しているだけあって青春群像サスペンスとしては充分に今でも楽しめ、役者の魅力もしっかりと出ている。冒頭、少年時代の主人公がハッキングで捕まってしまうくだりは、海外ドラマ「SCORPION/スコーピオン」のウォルターの生い立ちにも似てる。

 

アンジー姐さんは、転校してきた主人公ジョニー・リー・ミラーが一目惚れする、セクシーな同級生なんだけど…実は、実際に会う前に、既にネット上でハッキング対決をしていた、同レベルのハッカーだったという流れ。それがわかった途端、お互いに負けず嫌いな性格で、けん制しあったりして(アンジー姐さんには、乳繰り合う間柄のボーイフレンドも別にいたし)仲違いもするんだけど、その後、大きな事件に巻き込まれたことで、関係も変化していき、だんだんといい雰囲気になると…。気になる異性のセクシーな妄想・夢を見ちゃうあたりもどこか漫画的だよね。

 

当時は、そこまでネットの仕組みを理解してなかったので、漠然とコンピューターを扱えると、こういうことができるんだろうなって納得して見ていたんだけど、今見ると…ただキーボードをたたいてるだけで、そこまでできるかよ?っていうツッコミの方が大きくなる。たぶん、今だったら、もう少しハッキングのプロセスというのを詳しく、丁寧に描くことで、リアルさを演出するんだと思う。むしろ…このレベルだったら、パソコンやスマホを扱える人物はみんなハッカーになれるぜって思えてくる。だから、そこはやっぱり作られた年代というのも考慮して、見るべきなんだろう。

 

アンジー姐さんの髪型はショートカットなので、後の作品以上に男勝りな印象もあるかっこよさなんだけど…トレードマークである、あの厚ぼったい唇が、髪型と相まって、可愛らしさとセクシーさもしっかりと兼ね備えている。個人的には、本作のもう少し前に出演した(デビュー作?)「サイボーグ2」と合わせて、アンジー姐さんの初期の代表作と思っている。ああ、でも…オイラが持ってるDVDのジャケには本当の主人公(クレジット表記も上)ジョニー・リー・ミラーも一緒に写っていたのに、再版を繰り返してるうちにアンジー姐さんの単独ジャケ写真になってしまった。

 

なんだかジョニー・リー・ミラーの扱いが可哀そう(笑)もともとデコが広かったけど…今ほどデコハゲぶりが目立ってるわけでもなく、充分にかっこよかったけどな。2人のハッカー仲間には、いつもクネクネ、ナヨナヨした演技がクセになる「スクリーム」「スクービー・ドゥー」のマシュー・リラード、「チアーズ!」のエリザ・ドゥシュクのお兄ちゃん役とか、最近だとTVシリーズの「ザ・シューター/極大射程」でメンフィス捜査官の彼氏(元カレ?)を演じてるジェシー・ブラッドフォードなんかも出ている。電話のタダ掛けが得意なあんちゃんは、「コン・エアー」のオカマ役だ。

 

 

監督:イアン・ソフトリー

出演:ジョニー・リー・ミラー アンジェリーナ・ジョリー フィッシャー・スティーヴンス フェリシティ・ハフマン

 

 

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