1922(2017年) | 勝手に映画紹介!?

1922(2017年)

1922

WOWOWで見てたスティーヴン・キング特集の延長で、ネットフリックスの方で、何か見逃しているキング原作映画がないかなって物色をしたところ、先日鑑賞した「ジェラルドのゲーム」と「1922」という2つのネットフリックスオリジナル映画がヒット…そんなわけで今度は事前にマイリストへ登録しておいた「1922」を鑑賞。タイトルの“1922”は作品の舞台になる年代を指し示したもの。広大な土地を相続した嫁と結婚した旦那が…息子と一緒に嫁さん殺しを計画、実行し、犯行が発覚するのではないかとビクビクしながら、事の顛末まで描かれる感じの話でした。

マグノリア・ホテル209号室…ウィルフレッドは部屋に入ると、おびえた様子で周囲の物音を確認、その後、机に向かって手紙をしたため始めた。その内容は、妻・アルレット殺しの罪を告白するものだった。時は遡り1922年、ネブラスカ州…ウィルフレッドは、アルレットが亡き父親から継いだ100エーカーの土地と農場で農業を営んでおり、ゆくゆくは息子のヘンリーに全てを継がせようと思っていた。しかし、アルレットが都会暮らしに憧れ土地を売ると言い始めた。その場を離れたくないウィルフレッドはヘンリーを巻き込みアルレットの殺害を計画する…。

お互いに、やたらと不遜な態度の農夫とその妻…年代的にまだまだ“男尊女卑”な世の中だっただろうから、男が偉そうなのは当たり前だと思うんだけど、どうやら土地の所有者は妻の方でして、尻には敷かれてないが、頭は上がらない、そういう微妙な関係が…夫婦関係にも影響しているといったところか?ただ、2人とも…一人息子(農夫の息子にしちゃ、おぼっちゃん風のわりかしイケメン)を溺愛してまして、オッサンの方は、自分の後継者として農業を継がすことだけが生きがいみたいなんだよ。そんな時に、嫁さんが“田舎暮らしにうんざり”と言い始める。

どうやら嫁さんは土地を売ろうとしている(=農業も辞める)んだけど、もちろん所有者は嫁さんの方なので…あまり強くは否定できない、でも面白くないわけですよ。そして、いつもガミガミ、わがままばかり言ってるので、段々と殺意が芽生えてくるわけなんだな。こんな女殺しちゃえと。そこで…愛する息子を自分の味方につけることを思いつく。息子は、近所に住む同年代のおねーちゃんと付き合い始めたばかり…母親の言いなりに土地を離れると、ねーちゃんと別れなきゃいけなくなるぞ、だから俺に協力しろ、二人で母ちゃん殺しちゃおうぜと…。

普通だったら…“何言ってるんだよ父ちゃん”ってなるところだろうが、田舎暮らし(外の世界をあまり知らない)で、ヤルことしか能がないような若者ですから、自分の女と引き裂かれるなんてもってのほか。息子はまんまとオッサンにそそのかされて、計画にのっかってしまう。オッサンの考えた計画は、嫁さんの申し出を承諾するフリをし、祝杯と称して酒をガブ飲みさせ、酔ったところを一気に息子と2人で襲うというもの。そして死体は、敷地内にある井戸に放り込んでおけばバッチリOK…もう完璧!調べられても、“女房に逃げられた”と言い張れば問題なし。

計画はあっさりと成功…オッサンの予想通り、周囲にもまったく気づかれていない様子。ただ、やっぱりさんざん憎んで、恨んだ嫁さんでも、死体を井戸なんかに放り込んだことは、後々、後悔とかしちゃうわけですよ。そうだよ、そんなことしたら…嫁さん、“貞子”みたいになって、枕元に立つぜみたいに、見ててオイラも思った。案の定、最終的にはそんなような展開も待ってるんですけど、まず最初の異変は…ネズミ。井戸に放り込んだ嫁さんの死体を確認することがあったんだけど、なんと死体の周りに、大量のネズミが!死体の口の中からも出てくる!

さすがに、傲慢で不遜な態度のオッサンもこれにはこたえた。その後も、まるで殺した嫁さんの代弁者のように、あちこちからネズミがやってきて、オッサンは悩まされる。そして、信用していた息子までが、母親殺しを後悔し、そして父親との決別という道を選び、息子自身にも因果応報な運命が待っていたりする。例の付き合っていたガールフレンドを孕ませてしまいまして、相手の親とかもプンスカ怒ってるんですよ。で、オッサンからも諦めろて別れろって諭されるんだけど、家を飛び出し、どんどんと泥沼に足を突っ込んでいく…そして最後には“ネズミの餌食”。

オッサンの方も、どんどん不幸が雪だるま式に重なっていって…あの時、嫁さんの言う通り土地を売ってれば幸せになれたかもしれない、安易に“嫁殺し”なんて考えたのは選択ミスだったなと悔やむ…って、もう遅いよ。まさに後悔先に立たず…それを悟って、冒頭に繋がる。ストーリーはわりかし淡々としてて、後半の息子との決別あたりに、若干、急展開を感じる。落ちるところまで落ちる感じが、意外と小気味よかったりもしたよね。そして、幽霊、死体、ネズミ…このあたりが、キング作品らしい悪趣味なグロ描写で、一応、ホラー映画を見た気分にさせる。


監督:ザック・ヒルディッチ
出演:トーマス・ジェーン モリー・パーカー ディラン・シュミット ケイトリン・バーナード ニール・マクドノー


【原作小説はこちら】
1922 (文春文庫)





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