抹茶とかマジ無理。
この文とても面白いですね。前に通っていた生徒が発した若者言葉で、お気に入りです。
「○○とかマジ無理。」よく使われる表現のようですね。とにかく「とか」が効いてる。
その子は「とか」を「なんて」という意味合いで使っているように感じましたが、文字にしてみると「抹茶とか、コーヒーとか(苦いもの)マジ無理」というふうに並列の意味合いで使い、並列するものを省略した文と見れないわけでもないのかなと。
その後ネットで調べているとテレビ朝日の『日本語研究室』で萩野志保子さんが「最近「とか」とか乱用気味!?」というテーマで鋭い考察をされているのを見つけました。「とか」の不定冠詞的働き、素敵なネーミングです。「抹茶とか(コーヒーとか、ゴーヤとか、○○とか、△△とか、××とか、とかとかとか...とかのような苦いもの)マジ無理。」とか。「コーヒーとか(紅茶とか、ジュースとか、○○とか、△△とか、××とか、とかとかとか...とかのような飲み物)一緒にどう?」という一般化ね。( )内は省略されるてるわけです。
また「とか」の研究論文もあります。これ読みたいんですが、まだで。
『日本語における「とか」の文法化について:並立助詞から引用マーカーへ』
砂川千穂(著)
日本女子大学文学研究科
日本女子大学大学院文学研究科紀要6,73-61,2000-03-15
『若者言葉「とか」の強調用法について』
洞澤伸(著)
岐阜大学地域科学部
岐阜大学地域科学部研究報告37,1-17,2015
若者言葉の研究論文はたくさん見つかるのでぜひどうぞ。
で抹茶の文の話ですが、「とか」は強調だけでなく、文中のまとまりを明確にする働きもしているように思います。
「抹茶マジ無理」よりも「抹茶とかマジ無理」と「とか」を挟み込んで区切りを入れたほうが、主題の「抹茶」がはっきりするし、さらに後に続く「マジ無理」のまとまりも際立つ感じがします。若い人にとって「マジ無理」のまとまりは大事にしたいところだろうし、「とか」はそれを可能にしてくれる便利な語句なんじゃないかなと。
さらに意味的にも「抹茶」「とか」「マジ」「無理」と4つのまとまりができるし、やはり四字熟語、起承転結に慣れてる日本人には4つのまとまりが心地よいのでしょうかね。
この発話をした子は心情と言葉がダイレクトにつながったインパクトのある言い回しや文章表現するので興味津々でした。
国語のテストの記述問題や作文ではどことなく若者言葉のようなニュアンスが出ていて、初々しくて、妙に力があってひきつけられました。また作為の無い文章には素直な性格が表れていて、好印象でした。国語の点数もテストの度に上がっていきました。
力のある文章を作れるのも才能ですね。将来的に仕事に生かしてほしいですね。