速報パルムドールはジャック・オディアール監督「ディーパン」2015年第68回カンヌ映画祭受賞結果 | 映画時光 eigajikou

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2015年第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門受賞結果!
パルム・ドールはジャック・オディアール監督「Dheepan」(ディーパン)




パルム・ドール

「ディーパン Dheepan (aka Erran)」フランス映画

ジャック・オディアール監督

出演:ヴァンサン・ロティエ、マルク・ジンガ

スリランカのタミル人ディーパンは、
タミル・イーラム解放戦争で戦っていたが、
敗色が見え、国外へ逃げることにする。
ヨーロッパでは家族がいる方が
亡命が受け入れられ易いと考え、
赤の他人の女性と少女と家族のふりをして3人でパリに来た。
郊外の治安の悪い街で家の修理の仕事を得るが、
環境の悪さからディーパンの過去の傷が開くことに...
偽装家族だった3人だが、
本当の家族のようになり、彼は家族を守ろうとする。







2009年『預言者』でグランプリを受賞。
2012年『君と歩く世界』コンペティション部門出品。
今回は移民問題と家族を描いた「ディーパン」で、
ついに、パルム・ドールを受賞しました。
コンペ作品の中で評価は高めでしたが、
パルム・ドールの受賞は意外ではありました。
作品はとても楽しみです。






グランプリ

「Saul Fia (Son of Saul)」ハンガリー映画 

ラズロ・ネメス監督

主人公Saul Auslanderは、
ハンガリー人の囚人で、
アウシュヴィッツの火葬場で、
ゾンダーコマンド(特別部隊)の1人として働いていた。
ある日息子のように可愛がっていた少年が殺され、
彼に遺体を処理する仕事が回ってきた。
簡単に「処理」などできず、
葬式をしてやりたい彼が計画したのは...

プレゼンターのマッツ・ミケルセンから
賞を受け取るラズロ・ネメス監督








アウシュビッツ収容所が舞台で、
作品の評価も高く、
審査委員長のコーエン兄弟が
ユダヤ人であることからも受賞が有力視されていました。
38歳の若手監督の力強い作品を観てみたいです。
この賞は、私の予想が当たりました。


監督賞

侯 孝賢監督(ホウ・シャオシェン)

『黒衣の刺客』台湾映画
出演:出演:スー・チー、チャン・チェン、
妻夫木聡、ニー・ターホン、
ニッキー・シエ、シー・チェン

唐代の作家裴刑の短編小説集『傳奇』の1編
「聂隐娘」が原作の武侠映画。
舞台は唐代の安史の乱(755年~763年)から40年後で、
唐が弱体化していた時代。
子どもの頃誘拐された聂隐娘が、
家に戻ってくる。
彼女は実は武術を仕込まれた殺し屋になっていた。
彼女の任務は権力者を倒し
宮廷を転覆させることだった...






主演のスー・チー、チャン・チェンと
侯 孝賢監督


妻夫木聡が遣唐使船の日本人青年役で出演


侯 孝賢監督はコンペ部門6回目の出品。
1993年『戯夢人生』(なつかしい!)
で審査員賞を受賞。
今回初めて取り組んだ武侠映画で監督賞受賞。
この賞は私の予想が当たりました。


脚本賞

マイケル・フランコ

「Chronic」アメリカ映画

マイケル・フランコ監督

出演:ティム・ロス、ビッツィー・トゥロック、
クレア・ヴァン・ダー・ブーム、サラ・サザーランド、
デイヴィッド・ダストマルチャン、テイト・エリントン、
ジョー・サントス

終末医療の在宅ケアをしている看護師が、
患者と家族の絆を取り持とうとする。


マイケル・フランコ監督、ティム・ロス






メキシコのメキシコシティ出身。
1979年生まれの若い監督です。
2012年『父の秘密』で
ある視点部門の「ある視点賞」受賞。
ティム・ロスの演技が素晴らしいようなので、
男優賞を予想しましたが、
脚本を評価をされて脚本賞を受賞。
今後の活躍も楽しみな監督ですね。
「Chronic」も日本公開して欲しいです。


審査員賞

「The Lobster」
ギリシャ・英・アイルランド・オランダ・仏合作映画

監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:ジョン・C・ライリー、レア・セドゥ、
アリアーヌ・ラベド、レイチェル・ワイズ、
コリン・ファレル、ベン・ウィショー

近未来のディストピアで独身者は集められて
45日以内にパートナーを見つけられないと
動物に姿を変えられ森に放たれてしまう...









ベン・ウィショー、レア・セドゥ、
コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、
ヨルゴス・ランティモス監督


ヨルゴス・ランティモス監督は
2009年『籠の中の乙女』である視点部門「ある視点賞」受賞。
私は脚本賞の予想をしましたが、
審査員賞を受賞。
風変わりなSF的な作品のようです。
ハリウッドスターも出演している英語作品。
面白そうなので観てみたいです。


男優賞

ヴァンサン・ランドン

「La loi du marché (The Measure Of A Man)」フランス映画 

監督:ステファーヌ・ブリゼ
出演:ヴァンサン・ランドン

51歳のティエリーは失業して18ヵ月経ち、
やっとスーパーマーケットで
セキュリティー・ガードの仕事を得るが、
その仕事で道徳的ジレンマを味わうことに...
ヴァンサン・ランドン以外は素人の俳優が起用された
低予算映画。






女優賞

ルーニー・マーラ

「Carol」
トッド・ヘインズ監督

エマニュエル・ベルコ

「Mon Roi」
マイウェン監督


「Carol」(英・米) 
監督:トッド・ヘインズ
出演:ルーニー・マーラ、ケイト・ブランシェット、
サラ・ポールソン、コーリー・マイケル・スミス、
カイル・チャンドラー

パトリシア・ハイスミスの別名義クレア・モーガンで発表した小説
“The Price of Salt”(1952年)
(ザ・プライス・オブ・ソルト/塩の値段)の映画化。

舞台は1950年代。
もっと良い暮らしがしたいと夢見る
デパート店員のテレーズ(ルーニー・マーラ)が、
年上の女性キャロル(ケイト・ブランシェット)と
恋に落ちる...





ルーニー・マーラの代わりに
賞を受け取った
トッド・ヘインズ監督



「Mon Roi」フランス
マイウェン監督
出演:ヴァンサン・カッセル、エマニュエル・ベルコ、
ルイ・ガレル、イジルド・ル・ベスコ、
リュドヴィック・ベルティロ

トニは、スキーで、大きな滑落事故を起こし、
リハビリセンターで自由な時間ができ、
ジョルジョとの激動の歴史を回想し始める。



マイウェン監督、
エマニュエル・ベルコ、ヴァンサン・カッセル


「Carol」は評価が高く、
パルム・ドール受賞かと思いましたが、
ルーニー・マーラの女優賞受賞でした。
無冠では済ませなかったでしょう。
女性監督の作品はヴァレリー・ドンゼッリ監督の
「Marguerite et Julien」と、
マイウェン監督の「Mon Roi」だけでしたが、
マイウェン監督の演出も評価したということでしょうか。
興味のある作品です。日本公開して欲しいです。
エマニュエル・ベルコは映画監督、脚本家でもあり、
監督作品が
アウト・オブ・コンペティション部門で、
オープニング作品として
「La Tête Haute (Standing Tall)」が上映されました。


カメラ・ドール(新人監督賞)

César Augusto Acevedo監督(コロンビア)
「La tierra y la sombra」




短編部門 パルム・ドール

Ely Dagher監督
「Waves '98(موج ٩٨/Moug 98」(レバノン・カタール)




以上の今回の受賞作品の抜粋動画を集めて繋いだ動画です↓
上手くまとめてありますからご覧くださいね。





パルム・ドール・ドヌール(パルム・ドール名誉賞)

アニエス・ヴァルダ監督







ある視点部門監督賞を、
『岸辺の旅』で黒沢清監督が受賞。
湯本香樹実原作。
深津絵里、浅野忠信出演。







閉会の様子




パルム・ドッグ賞

「アラビアン・ナイト」に出演した
マルチプーのラッキー
「Arabian Nights(As 1001 Noites)」ポルトガル
(ミゲル・ゴメス監督)
Lucky the Maltipoo in 「Arabian Nights」

マルチプーは、
マルチーズとトイプードルのミックス犬です。



・審査員賞

「The Lobster」に出演した
ボーダーコリーのボブ
Grand Jury Prize – "Bob" from The Lobster


・犬道賞(人道賞のもじり?)
「I Am a Soldier」

Palm DogManitarian award – I Am a Soldier

パルム・ドッグ賞はイギリスの批評家トビー・ローズが2001年に
企画して始まりました。
批評家たちがカンヌ映画祭で上映された映画の中から選びます。
発表はイギリスで行われます。
犬好きさんたちが行うリラックスした雰囲気です。
今年の発表の様子の動画↓





この記事は25日の夜中に
カンヌ映画祭の公式ツィッターの発表を見て、
画像集めて書きました。
結構記事作るの大変なんです。
でも、月曜は「なう」のまとめがUPされるから、
この記事が埋もれてしまって、
あまり読んでもらえない感じ?
最新記事しかなかなか読んでもらえませんよね。
なので、もったいなくて(苦笑)
画像、動画をプラス、加筆してUPし直しました。




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