速報!2014第67回カンヌ国際映画祭受賞作品の動画・画像・キャスト・あらすじ、受賞スピーチなど | 映画時光 eigajikou

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2014第67回カンヌ国際映画祭受賞結果
パルムドールはヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督「ウィンター・スリープ」


夜中になうとツィッターで速報書きましたが、
ブログ記事もUPします。

クラッカーパルムドール ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督
 「ウィンター・スリープ」
国際批評家連盟賞も受賞

トルコ映画のパルムドール受賞は1982年のユマルズ・ギュネイ監督『路』
以来の2回目。












↓トレーラー


ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督(トルコ)
「Kis Uykusu (Sommeil D'hiver/英題:Winter Sleep)」
英題:ウィンター・スリープ(トルコ・フランス・ドイツ合作)
ハルク・ビルギナー、デメット・アクバッグ、Melisa Sözen

引退した俳優のエイディンはアナトリア中部で、
小さなホテルを経営している。
若い妻とは精神的な距離があり、
妹は離婚後精神的に苦しんでいる。
雪が草原を覆い、エイディンの心には鬱憤が甦る...




デメット・アクバッグ、監督、ハルク・ビルギナー



ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督は、
プレゼンターのユマ・サーマンと、
クエンティン タランティーノ監督から、
賞を受け取り、
「とても驚きました。全く考えていませんでした。
何と言ったらいいのかわかりません。
今年はトルコ映画の100周年なので、嬉しい偶然です。
この長いプロジェクトを支えてくれたカンヌ映画祭に感謝します。
そして審査員の皆様と
ティエリー・フレモー(カンヌ国際映画祭総代表)
とジル·ジャコブ(同会長)にも感謝します。
ティエリー・フレモーとジル·ジャコブ、ありがとうございました。
私はトルコの若者や命を失った人々に、
このパルムドールを捧げたいと思います。
どうもありがとうございました。」
と、スピーチしました。(公式HPより)

ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督は、カンヌ映画祭では、
2002年の『冬の街』と2011年の『昔々、アナトリアで』で
グランプリを受賞。
2008年の『スリー・モンキーズ』で監督賞を受賞。
日本では6作品が、東京国際映画祭などで上映されていますが、
劇場公開はされていません。
今回の受賞作品だけでなく、
過去の作品も公開されるかもしれませんね。

この作品は記者の星取表等の点数も高く、
パルムドール受賞予想をしていた批評家やメディアも多く、
パディーパワーのオッズでも初めから一番人気でした。
私もパルムドールはこの作品ではないかと予想していました。


合格グランプリ アリーチェ・ロルヴァケル監督
「Le Meraviglie」







アリーチェ・ロルヴァケル(イタリア)
『Le Meraviglie』(イタリア)
モニカ·ベルッチ、アルバ·ロルヴァケル
サム・ルーウィック、マリア・アレキサンドラ・Lungu

12歳のジェルソミーナの家では
彼女が跡取りとして女王になっている。
3人の妹たちは彼女のいいなり。
ジェルソミーナは蜂蜜作りが上手い。
その一家に変化が起こる...









グランプリのプレゼンターはソフィア・ローレンでした。
監督は家族や映画の製作に携わった人々、
そして参加を許可してくれたティエリー・フレモーに
温かく感謝しました。
そして彼女はこの職業に就くにあたって
ソフィア・ローレンが
インスピレーションを与えてくれたとスピーチしました。
(公式HPより)
私はコンペ部門の全作品を紹介した時に、
アリーチェ・ロルヴァケル監督に注目してみましょう。
と、書きました。
今年は女性で唯一パルムドールを受賞している、
ジェーン カンピオン監督が審査委員長で、
審査員の中で女性審査員が過半数を占めていて、
これは女性監督の作品が注目されることになりそうだと
思ったから。
ロルヴァケル監督は、33歳の若手監督でもあるから、
ノミネートされた意味があるだろうと。
ところが、上映後のメディアなどの作品の評価は、
特に高くはなく、この作品より評価が高い作品がたくさんあり、
グランプリ受賞は意外でした。
これはサプライズ受賞ではないでしょうか。
河瀬直美監督より若く、
将来性を買われた受賞ではないかな。


クラッカー審査員賞
「Goodbye to Language(英題)」ジャン=リュック・ゴダール監督と、
「Mommy」グザビエ・ドラン監督

ゴダール監督はカンヌ映画祭に出席しなかったので、
賞は代理人に渡されました。

ジャン=リュック・ゴダール(フランス・スイス)
「Adieu Au Langage : Goodbye to Language」
グッバイ・トゥー・ランゲージ(英題)(スイス)
カメル・アブデル、ディミトリ・バジル
ゾーイ・ブリュノ、リチャード·シュヴァリエ
ジェシカ·エリクソン、エロイーズ・ゴデ
アレクサンドル・パイタ

ゴダール監督39本目の長編映画、3D映画です。
既婚女性と独身男性が出会い、
1匹の犬の行動も描かれています...

ちょっと驚き(女性のヘアヌード)の映像があるトレーラーです。
子どもは注意?



↓新しいトレーラー


ベルリン、カンヌ、ベネチアの3大映画祭で、
数々の受賞歴があるゴダール監督。
ベルリンとベネチアでは最高賞を取っています。
カンヌでパルムドールを取れば、
3大映画祭の最高賞制覇となりましたが、
今回は審査員賞でした。
これも大御所にコンペに出品させておいて、
何もなしではという所もあったのでは?
ゴダール流3D映像炸裂のようです。
ゴダール監督は83歳になりました。






演出するゴダール監督


はい、そして逆に今回最年少監督だった、
天才グザヴィエ・ドランも審査員賞を受賞しました。



プレゼンターはダニエル・ブリューリュでした。
(いや~このコンビは私の大好きなふたりなんですよ!)
グザヴィエ・ドランはとても興奮して
「私は審査員の皆さんの心の広さへの感謝で気が動転しています。
皆さんのおかげで、この仕事が、
愛し、愛される仕事であることを実感しました。
これは想像上の愛のお返しのようなものです。」と述べました。
ジェーン・カンピオン監督に敬意を表し、『ピアノ・レッスン』について、
「あなたは、素晴らしい女性の役割を、
被害者、物としてではなく、魂をもって描きました。」と述べました。
(公式HPより)



↓「Mommy」トレーラー


グザヴィエ・ドラン監督(カナダ)
『Mommy』マミー:原題(カナダ・フランス合作)
アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、
アントワーヌ=オリヴィエ・ピロン
夫と死に別れたディアーヌはシングルマザーで、
手を焼く息子を育てている。
ある時神秘的なな隣人が彼女たちの生活に関わるようになり...










クラッカー監督賞 ベネット・ミラー監督「Foxcatcher」


プレゼンターのエイドリアン・ブロディから賞を渡され、
ベネット・ミラー監督は、
「カンヌでのこの1週間は特別なものでした。
ジェーン カンピオン、審査員、
ティエリー・フレモーそしてジル・ジャコブに深く感謝申し上げます。
この賞を作品を演じてくれた皆さんに捧げます。
自分を信頼してくれる人たちがいるというのは素晴らしいことです。
本当にとても満足しています。ありがとうございます。」
と述べました。
(公式HPより)

ベネット・ミラー監督(アメリカ)
『Foxcatcher』
チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、
スティーヴ・カレル、シエナ・ミラー
オリンピックの金メダリストで世界チャンピオンのレスラー、
デーブ・シュルツ(マーク)が、アメリカの大手化学会社デュポン創業一族の跡取りで、
統合失調症のジョン・E・デュポン(スティーヴ)により射殺された事件について、
デーブの弟で同じくオリンピック金メダリストのレスラー、
マーク・シュルツ(チャニング)が記した手記がもとになっています。
昨年の8月にブログで紹介しました。
ここ←クリックで記事へ
アカデミー賞ノミネート候補とも言われていましたが、
公開を延期しました。

ベネット・ミラー監督は『カポーティ』で
長年の友人で亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンが、
アカデミー賞主演男優賞を受賞。自分も監督賞にノミネート。
キャサリン・キーナーも助演女優賞にノミネート。
最近では『マネーボール』でブラッド・ピット、ジョナ・ヒルが
アカデミー賞にノミネートされましたね。
「Foxcatcher(フォックスキャッチャー)」は、
スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、
マーク・ラファロの演技が素晴らしいとの評価で、
男優賞はスティーヴ・カレルの予想が有力でした。
スティーヴ・カレルか、チャニング・テイタム、
あるいはマーク・ラファロも入れた男優陣が受賞するのでは?
という予想もありました。
私はスティーヴ・カレルの男優賞受賞予想をしましたが、
外れましたョ。
でも、この映画はアカデミー賞始め今年の賞レースに、
必ず絡んでくるでしょうし、
男優陣も賞レースにノミネートされるでしょう。

↓トレーラー









クラッカー脚本賞 「Leviathan」アンドレイ・ズビャギンツェフ監督とOleg Negin



アンドレイ・ズビャギンツェフ(ロシア)
「Leviathan」レヴィアタン/英語読み:リヴァイアサン
(ロシア)
アレクセイ·セレブリャコフ、ウラジミール・ヴドヴィチェンコフ
エレナLyadova

ロシア北部のバレンツ海に面した小さな町に住む、
主人公ニコライは妻と息子がいる。
悪徳町長が自分の店や家を差し押さえようとするため、
町長の汚職を証明して闘う。









この「Leviathan」は、
とても評価が高く、
新しいロシアの傑作映画だとの評で、
グランプリ受賞予想をしている所も結構ありました。
私もグランプリ予想でした。
脚本賞候補にも上がっていたので、
何かの受賞はあると思いました。


クラッカー男優賞 ティモシー・スポール マイク リー監督「Mr. Turner」



ティモシー・スポールへの
プレゼンターはモニカ ベルッチ。

感動に包まれたイギリス出身の俳優、
ティモシー・スポールはマイク・リーに感謝の意を述べました。
ティモシー・スポールとマイク リーは33年来の旧知の仲であり、
監督の作品に7度出演しています。
ティモシー・スポールは白血病に苦しんでいたことを告白し、
今も生きていられることを神に感謝しました。
(公式HPより)

マイク・リー監督(イギリス)
『Mr. Turner』(イギリス)ミスター・ターナー(原題)
ティモシー・スポール、リー・イングルビー、
レスリー・マンヴィル、リチャード・ブレマー、
ロジャー・アシュトン=グリフィス、
ジェームズ·フリート、シニード·マシューズ

風景画の第一人者の1人、イギリスを代表する画家
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775年 - 1851年)
の生涯を描いた作品。



↓マイク・リー監督がインスパイアされたターナーの、
 シンプルな水彩画とその絵を再現したシーンの解説しています。










この「Mr. Turner」も評価が高く、
パルムドールは予想の所もありました。
男優賞は「フォックスキャッチャー」のスティーヴ・カレルかなあ、
と思っていましたが、
「フォックスキャッチャー」は監督賞受賞したし、
ティモシー・スポールの演技の評価も高かったので、
(次点、対抗にしていた所も結構ありました。)
順当な受賞でしょう。


クラッカー女優賞 ジュリアン・ムーア

ジュリアン・ムーアはもうカンヌにいなかったので、
脚本家のブルース・ワーグナーが代理で受け取りました。



デヴィッド・クローネンバーグ監督(カナダ)
『Maps to the Stars』マップス・トゥー・ザ・スターズ(原題)
(カナダ・アメリカ・フランス・ドイツ合作)
ジュリアン・ムーア、ロバート・パティンソン、
ジョン・キューザック、ミア・ワシコウスカ、
キャリー・フィッシャー、オリヴィア・ウィリアムズ、
サラ・ガドン、ニーヴ・ウィルソン
↓トレーラー


典型的なハリウッド一家の表の顔と、
スキャンダラスな内実、人間関係が描かれます。

当初、ジュリアン・ムーア演じる女優ハヴァナは
レイチェル・ワイズが、キャスティングされていました。
ジュリアン・ムーアは運がいいですね。
女優賞は殆どの所がマリオン・コティヤールの予想で、
対抗にジュリアンが入ってはいましたが、
マリオン受賞とばかり思っていて、
記事にも書いてしまいましたf^_^;
同じくジョン・キューザックの役を当初演じる予定だった、
ヴィゴ・モーテンセンも出てませんが、
クローネンバーグ作品はいつも楽しみなので、
日本公開を待ちましょう。









その他のオフィシャル・セレクションの受賞を
紹介していると、
すごく長くなるので列記しておきます。
また作品紹介などしたいと思っていますが...

・短編部門
 短編パルムドール
LEIDI 監督 Simón MESA SOTO

・特別事項-短編部門
 AÏSSA 監督 Clément TREHIN-LALANNE
 JA VI ELSKER (YES WE LOVE) 監督 Hallvar WITZØ
 UN CERTAIN REGARD :


・ある視点部門賞
 FEHÉR ISTEN (WHITE GOD) 監督 Kornél MUNDRUCZÓ

・審査員賞-ある視点部門
 TURIST 監督 Ruben ÖSTLUND

・ある視点特別賞
 THE SALT OF THE EARTH 監督 Wim WENDERS, Juliano RIBEIRO SALGADO

・アンサンブル賞
 PARTY GIRL 監督 Claire BURGER, Samuel THEIS, Marie AMACHOUKELI

・男優賞
 David GULPILIL 「CHARLIE'S COUNTRY」 監督 Rolf DE HEER


・CINEFONDATION (学生映画部門)
 シネフォンダシヨン第1位
 SKUNK 監督 Annie SILVERSTEIN
 シネフォンダシヨン第2位
 OH LUCY! 監督 Atsuko HIRAYANAGI(平柳敦子)
 シネフォンダシヨン同列第3位  Ex-aequo
 LIEVITO MADRE (SOURDOUGH) 監督 Fulvio RISULEO
 THE BIGGER PICTURE 監督 DAISY JACOBS

・GOLDEN CAMERA :カメラドール(新人賞)
 PARTY GIRL 監督 Samuel THEIS, Claire BURGER, Marie AMACHOUKELI




今回は受賞予想記事が間に合いませんでした。
金・土・日と東京へ行って映画を観ていましてf^_^;
書く時間がありませんでした。
とりあえず受賞結果の速報は、
なうとツィッターで書いて、
すぐにこの記事作りました。
これから授賞式の写真も投稿されるので、
また、今回紹介していないある視点部門の作品のことなども、
書きたいと思っています。
河瀬直美監督は受賞はできず残念でしたね。
「Timbuktu」アブデラマン・シサコ監督
「Two Days, One Night」ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督
は、評価は高かったですが、無冠に終わりました。


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