若松孝二監督1周忌 『千年の愉楽』感想/高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太、井浦新、寺島しのぶ | 映画時光 eigajikou

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『千年の愉楽』

日本映画
シネマイーラで鑑賞(2013年3月)

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2010年8月『キャタピラー』の舞台挨拶で
シネマイーラに来場された若松孝二監督


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予告はこちら↓


監督:若松孝二
原作:中上健次

出演:寺島しのぶ、佐野史郎
   高良健吾、高岡蒼佑
   染谷将太、山本太郎
   井浦新、石橋杏奈
   増田恵美、並木愛枝
   地曵豪、安部智凛
   瀧口亮二、岡部尚
   山岡一、水上竜士
   岩間天嗣、大谷友右衛門
   片山瞳、月船さらら
   渋川清彦、大西信満
   石田淡朗、小林ユウキチ
   大和田健介、真樹めぐみ
   大西礼芳

舞台は紀州。
女たちに愉楽を与えることを糧に生きる
中本の美しい男たち。
産婆オリュウノオバは
彼らの生き死にを世代を越えて見て来た。
そんなオリュウは今、生死の境を彷徨い、
と同時にこの路地に生を受け、もがき、
死んでいった男たちの姿を思い起こしていた。

2012年10月17日、交通事故によって逝去した若松孝二監督が、
盟友・中上健次の代表作を映画化した人間ドラマ。
三重県・尾鷲市の集落、須賀利を舞台に、
女たちに圧倒的な“愉楽“を与える血筋の美しい男たちの物語を、
路地の産婆の視点と回想で描く。
神話的で複雑な構成で、
匂い立つような命の賛歌を謳い上げた
若松監督最期の叙事詩を見届けたい。
(ぴあ映画生活より)

10月17日は若松監督の一周忌でした。
この映画の感想記事を書きそびれていました。
若松監督はこの作品が本当に最後になるとは
考えてみえなかったかもしれませんが、
癌を患ったこともあったし、
いつ最後になっても悔いのないようにと
映画を撮ってみえたのではないでしょうか。
「ああ、今朝も目が覚めたなって思うんだよ」と言われていました。
いつも全力疾走されていた印象です。
この映画も12日間で撮影されました。

『千年の愉楽』は、人が生まれて、死んでいくこと、
その不条理と美しさが、
いつもの若松監督の作品とは違う、
情念さえも即物的でない静けさを感じる演出で描かれていました。
〈路地〉の男たちは儚く、激しく生き、死んでいく。
(とくに高良健吾の美しさは格別でゾクッとしました。)
生まれるおちる所から彼らをを見守る産婆のオリュウ。
その強い生命力と性的でもある存在感。
物語はゆったりとした時間の流れの中に描かれ、
熊野の神が全体の視点人物であるようにも感じられました。

若松監督は「中上と、あの世で再会したら、
彼の感想を聞かせてもらいたい」と、
パンフの巻頭言に書かれています。
きっと、あの世の飲み屋で中上健次氏と飲み明かしながら、
語り合ってみえることでしょう。

若松監督は常に若い映画人、俳優を育てることに
心を砕いてみえました。
現場ではとても厳しくても、
フォローをきちんと考えてみえました。
この『千年の愉楽』は若松組俳優大集合的でした。
若松組で修業した映画人や俳優の活躍には、
これからも期待したいです。
(『凶悪』白石和彌監督、
『かぞくのくに』『楽隊のうさぎ』の戸田義久カメラマンも
若松組出身です)

シネマイーラで『キャタピラー』(2010年)の上映時に
舞台挨拶にみえた若松監督と、
監督が信頼して若い俳優のサポートを頼んでいた大西信満さんです。


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