パッション 感想 レイチェル・マクアダムス、ノオミ・ラパス エロ、サスペンス、デ・パルマ節炸裂! | 映画時光 eigajikou

映画時光 eigajikou

世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
がんサバイバー。
浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
今は主にTwitterとFilmarksに投稿しています(eigajikou)

『パッション』
Passion
フランス・ドイツ合作映画 2012年製作
TOHOシネマズ浜松で鑑賞

$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


↓予告動画


監督:ブライアン・デ・パルマ

オリジナル脚本:アラン・コルノー
        ナタリー・カルテール
脚本:ブライアン・デ・パルマ

撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ

出演:レイチェル・マクアダムス  クリスティーン
   ノオミ・ラパス       イザベル
   カロリーネ・ヘルフルト   ダニ
   ポール・アンダーソン    ダーク
ポリーナ・セミオノワ バレエ・ダンサー

フランスのアラン・コルノー監督、
リュディビーヌ・サニエ&クリスティン・スコット・トーマス主演で
女同士の嫉妬や殺意を描いた
「ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて」(2010・日本劇場未公開)を、
ブライアン・デ・パルマ監督、
レイチェル・マクアダムス&ノオミ・ラパス主演で
リメイクしたミステリーサスペンス。
野心家のクリスティーンは、
狡猾さと大胆な行動力で広告会社の重役へとのぼりつめる。
部下のイザベルは、
最初はあこがれの存在だったクリスティーンに手柄を奪われ、
同僚の前で恥をかかされた上に、恋人にも裏切られたことから、
クリスティーンに対して殺意を抱くようになり……。
(映画.COMより)


エロ・サスペンス・ミステリー・殺人
懐かしいデ・パルマ節が炸裂
о(ж>▽<)y ☆


この作品は楽しめました。
デ・パルマは
この物語のどこに魅了されたのですか?という質問に
「サスペンススリラーであることが気に入った。
『殺しのドレス』(80年)以来の、
エロティシズムとサスペンスとミステリー、
そして殺人がひとつとなって観る人を魅了する作品だ。
おもしろみがあって、映像化するにはもってこいのジャンルだ。」
(パンフより)
と述べています。

この『パッション』と、
オリジナルの『ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて』
見比べてみました。
ココから後は2作品の違いなど
少しネタバレ的なことも書いてあります。
(核心に触れるようなネタバレはしていません)
まっさらな状態で『パッション』をご覧になりたい方は、
ご覧になってからまたぜひ読みに来て下さいね(^-^)/

オリジナルはアラン・コルノー監督の
『ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて』
(原題Crime d'amour2010年 劇場未公開)
ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて [DVD]/
リュディヴィーヌ・サニエ,クリスティン・スコット・トーマス,パトリック・ミル


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


監督・脚本:アラン・コルノー

出演:リュディビーヌ・サニエ  イザベル
    クリスティン・スコット・トーマス クリスティン
    パトリック・ミル    フィリッペ
    ギョーム・マルケ    ダニエル

「スイミング・プール」のリュディビーヌ・サニエと「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマスが共演したサスペンスドラマ。フランスの一流企業で働くイザベルは、厳しい上司クリスティーヌの恋人と関係を持ってしまう。これに気づいたクリスティーヌは、イザベルに陰湿な嫌がらせを開始。ついに耐え切れなくなったイザベルは、クリスティーヌに殺意を抱きはじめる。「めぐり逢う朝」「マルセイユの決着」で知られるアラン・コルノー監督の遺作となった。2012年にブライアン・デ・パルマ監督が「パッション」としてリメイク。

↓英語字幕付き予告動画


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


↑こちら、オリジナルはフランソワ・オゾン監督の『スイミング・プール』で、
シャーロット・ランプリング演じる主人公を翻弄したリュディビーヌ・サニエが、
クリスティン・スコット・トーマスを殺す完全犯罪に挑みます。

$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版

↑『スイミング・プール』のリュディヴィーヌ・サニエ

スイミング・プール(Blu-ray Disc)/
シャーロット・ランプリング,リュディヴィーヌ・サニエ


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版

リュディビーヌ・サニエはセクシーでキュート。
ヌードにもいくらでもなっていますが、『ラブ・クライム』で脱ぐのは、
クリスティン・スコット・トーマスの方です。


そんなことはどうでもいいのですが、
この2作を見比べてみました。
先に『パッション』を観ました。
『ラブ・クライム』とストーリーは殆ど同じですが、
完全にデ・パルマ色に染め上げています。
『ラブ・クライム』ではレズビアン要素は仄めかす程度、
イザベルの秘書は男性ですが、
『パッション』では、レズビアン要素モリモリで、
イザベルの秘書も女性に変更されています。
『ラブ・クライム』は最後までリアルなサスペンスで、
イザベルの完全犯罪が鮮明に描かれています。
完全犯罪のためのトリックなどに目新しさはありませんが、
女性2人がしっかり描かれていて、女優2人の演技が見所。
クリスティン・スコット・トーマスは迫力あるし、
リュディビーヌ・サニエが魅力的です。
『パッション』は後半、イザベルの夢・妄想も入ってきて、
時制も前後したり、現実と非現実の区別がつけにくくなる。
それを画面のコントラストや、
ストライプの影を入れて表現しているけど、
とても1回では把握しきれないです。
デ・パルマの映像表現へのこだわりがふんだんに出てきます。
ノオミ・ラパスはそもそも何でもやってくれそうですが、
レイチェル・マクアダムズの癖のある悪女は意外性があります。
ヌードはありませんがエッチな声出したり過激なシーンもあります。
こちらはヌードはイザベル役ノオミさんのほう。
ラストはオリジナルとはかなり違います。
どちらが良いかというのは好みの問題ではないでしょうか。
一般的な作品の評価(海外)はオリジナルの方が高いです。
丁度『パッション』公開に合わせてか、
WOWOWで『ラブ・クライム』の放送が10月28日と、
11月5日にありますので入っている方は見比べできますよ。

私はこのデ・パルマの『パッション』面白かったデス。
オリジナルよりハマりました(笑)
デ・パルマの映画は90年代以降は殆ど観ていませんでしたが、
ヴェネチア映画祭で監督賞を取った、
『リダクテット 真実の価値』(2007年)
リダクテッド 真実の価値 [DVD]/
パトリック・キャロル,ロブ・デヴァニー,イジー・ディアズ

これが、スゴク良かったのです。
私は年間ベストテンに入れました。
(世間の評価はあまり高くなかったですけど...)
始めデ・パルマはこの映画のビデオ映像、監視カメラの映像などを、
インターネットに投稿されているものなど本物を使って
映画を作ろうとしたけど、著作権の問題などがあり、
兵士が自分のビデオカメラで撮った映像や
監視カメラ、定点カメラ、
ゲリラのインターネットへの投稿映像など、
全てドキュメンタリーの本物の映像に見えるように撮りました。
このこだわりの映像は彼ならではです。
情報操作や映像表現に関してかなり考えさせられたし、
上から目線で啓蒙していない反戦映画として観ることもできます。

『パッション』では、
スプリット・スクリーン(画面を分割して見せる方法)
の表現が効果的に使われていました。
$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版

$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


ノオミがアリバイ作りに
ジェローム・ロビンズ振付のモダンバレエの『牧神の午後』
を観に行きます。
(『ラブ・クライム』では映画を観に行く)
(ジェローム・ロビンズは『王様と私』『ウエスト・サイド・ストーリー』
『屋根の上のバイオリン弾き』などのミュージカルの振り付けでも有名)
↓ジェローム・ロビンズ振付『牧神の午後』


映画の中でノオミが観る公演では女性ダンサーは
ポリーナ・セミオノワ(ベルリン国立バレエ団プリンシパル)です。
人気ダンサーで日本にもたびたび来ています。
ユニクロのCMに出ているバレリーナです。↓




このバレエ作品を使った意味と効果も勿論あるのですが、
ただならぬ官能性も感じます。
(すみません長くなるので説明は割愛)

ペドロ・アルモドバル作品の撮影監督として知られる、
ホセ・ルイス・アルカイネのカメラの
湿度感と色彩設計が見事なルックも、
作品世界にぴったりハマっています。

『パッション』は、つまらないと一刀両断に片付けてしまう人もいるでしょうけど、
昔のデ・パルマ映画が好きだった人には楽しめると思うのです。
彼の尽きない創作意欲も感じます。

売っ子女優2人がこんな悪い子役に
挑戦しているのを観るのも楽しかったです。
(ノオミさんはお手のものでしょうけど)
$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版

私は後半部分をもっと分析してみたいという
気持ちにもかられています。

レイチェルとノオミの新作情報も集めたのですが、
長くなってしまったのでここで切ります。
$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版

ブライアン・デ・パルマ監督も73歳になりました。
まだまだ新作を撮って欲しいです。


$映画中毒日記『新★映画時光』ブログ版
25歳衝撃の才能ビックリマーク
渡部亮平監督応援していますビックリマーク
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さいビックリマーク

仙台桜井薬局セントラルホール11月23日~29日公開決定

東京 下高井戸シネマ12月23日~28日レイトショー上映



カチンコ読んで下さってありがとうございましたビックリマークランキングに参加してます映画にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへこれをクリックしてもらえたらうれしいです音譜

読者登録してね