復活しました!スリービルボードは傑作か?東映映画 脱獄広島殺人囚を見て | 東映映画と殺人事件を追いかけるブロガー

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やくざ映画全般、時代劇、馬鹿映画、空手映画が大好き。写真は竜虎一代より鶴田浩二と佐久間良子

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皆さんほんとに久しぶりです。二年間のご無沙汰でした。私、三年前位から体調を壊しておりようやく、なんとか元気になった次第です。体重は20キロほど痩せて30キロほど増えて現在は90キロ程になっております。これからは週一くらいで記事更新していければと考えています。また今年は新作映画も少しずつ見ていきたいなあと思います。勿論男の偏差値をあげる男の教科書 東映映画は引き続き紹介していきます。


「スリービルボード」




傑作なのかな?

最初に断っておきますがダメな映画というわけではありません。点数でいったら60点くらいで可もなく不可もなくといったところでしょうか。

 

期待してみたらそうでもなかったのです。途中迄はこの先どんな締めくくりをしてくれるのかとしっかりと見ていました。丁寧な創りをしていましたから。が、段々とミルドレッドが暴走するだけで居心地が悪くなってしまいました。はっきり言ってやってることは思いっきり犯罪です。

 

歯科医への暴行も普通に傷害事件ですし警察署への放火なんてどうみても執行猶予無しの懲役刑でしょう。困ったことに作品の中では

これらの犯罪を物語りの一部分としてほったらかしてしまっています。どう考えても普通逮捕されますよ。これが例えばバーフバリ王の凱旋(最高の映画です)だったら、まぁバーフバリだからねの一言で済むのですがこういう人を描くドラマならば最低限のリアリティは必要でしょう。

 

段々と彼女は元から単に危ない人だと思わざるを得なくなります。

子供を犯罪で亡くして未解決なご家族が警察署に放火して人を火だるまにするでしょうか?ましてや私はやってませんと平気で嘘をつくでしょうか?冷静に考えるとそんな人現実には居ません。あのあと警察が調査を綿密にやってるショットを数箇所だけでも入れたりしていたら物語として違和感は弱まったことでしょう。サムロックウェルの暴行事件も単なる解雇でなく普通に逮捕されますよ。

 

どうしてもミルドレッドがそこまで狂暴化するのを肯定させるには娘をレイプされて殺されまして燃やされたという事を言葉だけでなく映像で表現するのもある意味必要です。映画は映像ですから。勿論まんまではなくファニーゲームのように肝心の所は見せない方法もありますし深作欣二が得意とするストップモーションでもほんの二つ三つのショットを付け加えるだけでミルドレッドの狂暴化に整合性を持たせれると思います。(監督はそこを狙ってないでしょうが。)

 

ラストはアイダホに出掛けるシーンで唐突にウヤムヤに終わりますが西川美和かよ!と一人ツッコミを入れてしまいました。散々文句を並べましたが良いところも有ります。ウッディハレルソンは好演していたと思います。助演は彼がとるかも知れませんね。また一度見たら忘れられないジョンホークス(ミルドレッドの別れた夫)が普通にしてても異様でインパクトありました。


本日の東映映画

「脱獄広島殺人囚」 1974年製作




殺人罪で四十一年七カ月の刑に服する実在の人物をモデル にして、あくなき自由への渇望から七回に及ぶ脱獄を敢行 した男の執念を描く。脚本は「あゝ決戦航空隊」の野上龍雄、監督は「安藤組外伝 人斬り舎弟」の中島貞夫、撮影は「実録飛車角 狼どもの仁義」の赤塚滋がそれぞれ担当。


熱量で押し切る


今回は混じりっ気無し純度100%の馬鹿、懲りない馬鹿、弘樹松方の脱獄シリーズの無駄なエネルギーに溢れたご機嫌な作品をご紹介します。本作品は東映お得いのパクリスピリット、いや、アレンジ力を活した?男汁しかでない痛快娯楽作品であります。言っておきますが

この映画を見ても1ミリも頭は良くなりませんのでご了承下さいませ。






開始早々ヤクの売人と情婦を射殺する弘樹松方と狂犬渡瀬恒彦。

映画開始三分で血みどろ汗まみれずぶ濡れと中島貞夫監督は観客の期待を裏切りません。掴みはOKであります。

 

弘樹松方はその後広島刑務所行きとなります。一回目の脱走はうんこまみれの汚水溝からとなりますが腰が抜けず、こうなったら腰が砕けてもええわと一気に引き抜き案の定腰を痛めまくります。脱走に成功したら普通は大人しくするものですが弘樹松方はウロウロしまくります。

 

映画館で知恵蔵御大の映画を見ながら刑事の格好をして俺もなかなかイケるなあ、わっはっは、と御満悦中に御用となります。何をやってるんでしょうか。好感が持てますね。


反省ゼロの潔さ




弘樹松方はその後も広島刑務所から脱獄しますが今度は女郎屋で暴れてまた御用となります。刑務所内では大人しくせず小松方正を刺殺!その手下が刑務所に入ってきて勝負を持ち掛けるも不意打ちを食らわして刺殺!とやりたい放題をします。次の脱走も成功しますがまたしても御用となりお前はどんだけ学習能力ないんだよ!とツッコまずにはいられません。脱獄した後の事を一切考えていないんですね。勿論一切反省などしません。1ミリもです。ますます好感が持てますね。


軸がぶれてない


弘樹松方は今度は裁判所から脱走を図ります。窓から若いお姉ちゃんを見るなり、娑婆がみえたんじゃあ~またしてもやる気にスイッチが入りひたすら逃げまくるので有ります。何処に辿り着けるかは分かりませんが、そんなのは関係ないんですね。俺はムショが嫌いだから逃げるんだ、シンプルにそれだけなのです。  映画は線路で大根をかじりながら線路脇のシケモクに火を付ける所で終わります。

 

作品をおおうテイストは実にサバサバしています。情感溢れるシーンはほぼほぼなくドライでありコメディ色も結構有ります。機会があれば家族に内緒でこっそりと見られてください。貴方が女性ならば男という生き物が解りますよ。


馬鹿を貫く事にフォーカスした本作品はマックイーンのパピヨンに影響を受けて製作された映画ですが、このあと暴動島根刑務所、強盗放火殺人囚と松方弘樹の脱獄シリーズは続いていきます。ちなみに強盗放火殺人囚は山下耕作監督なので情緒さは有りますよ。


何処までも逃げる弘樹松方



こいつに悩み事はない



おまけ





わしゃあ広谷賢次いうおなごの腐ったもんですがのう

おわり