秀作 太秦ライムライト | 東映映画と殺人事件を追いかけるブロガー

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やくざ映画全般、時代劇、馬鹿映画、空手映画が大好き。写真は竜虎一代より鶴田浩二と佐久間良子

さんこんにちわ。☆-( ^-゚)v
佐村河内、小保方、塩村、野々村で、ネタに敏感な東映岡田名誉会長にエロ込み映画化を熱望して止まない、帰ってきた高血圧痛風親父です。(因みにこの中で一番たちが悪いのは塩村ですね。外国に発信するなんて確信犯でしょう。裏に朝日と電通が絡んでいますね。で、監督は牧口雄二でお願いします!)

ということで、久々に記事更新をばしていきたいと思います。ここ最近は面倒臭がりには最適なツイッターばかりやってた次第でございます。今回は東映映画ではございませんが内容はリンクしてますので取り上げてみます。


太秦ライムライト






太秦の「日映撮影所」に所属する香美山清一は斬られ役ひと筋の俳優人生。しかし、若者向けの作品の波にのまれ、出番を失いつつあった。ある日、新人女優のさつきと出会った香美山は彼女に往年の女優たちの面影を感じ、殺陣の稽古をつける事に。香美山の指導のおかげでチャンスをつかんださつきは、スター女優としての道を歩んでいく。時が経ち、主演を務める事になったさつきは、すでに引退した香美山との共演を熱望する。




いい映画だなあ


誠実で丁寧で凛としていて余韻もある。日頃あまり映画を観ない人にも分かりやすく感情移入させる配慮も兼ね備えている。これは裏を返せば技術が有るが、そのスキルをこれ見よがしに見せないという高度なテクニックだ。
いい映画というのはバランスだと思う。シナリオ、撮影、配役、演技、編集、音楽、衣装、ロケーション、そして演出。本作品はそのどれもに卒がない。どれもがでしゃばらず互いに相乗効果を生み出している。化学反応さえ起こしている。この作品は撮影はアメリカ人である。監督はアメリカで映画の勉強をした人でありハリウッドの制作技法を理解している。日本人のアプローチと異なる視点の導入で魅せ方が工夫されているし、どことなく洋画感もある。タイトルシェーンクスからその違いは明白になっている。これは興行としてアメリカ公開も視野に入れたマーケット戦略だ。(時代劇という題材、若い女性がアクションをする、居酒屋、趣味の盆栽等。アメリカ資本の片腕マシンガールが違和感出しながら作られている。)しかし本作品はその戦略さに全く厭らしさが無い。自然そのものである。日本人が持つ人を思いやる心の部分の軸が明確に有る。その芯が実に骨太なのだ。軸が一切ぶれていない…これが見る人に感動を与えている一つの要因だと思う。




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語らない魅力


福本さんの生き方がそのまま映画になっている。だから本人は殆ど台詞が無い。いや、だからこそいいんだ。彼の所作が言葉の何十倍もの効果を生み出している。顔に刻まれた深いシワ、一人で黙々と稽古をする姿、撮影所を歩く姿、出番がなく帰る後ろ姿、踏切を歩く姿、家の玄関を開ける、ご飯を一人で作って食べる姿、殺陣の立ち振る舞いにおける動きと目の力、芝居に入る前の相手への仕掛け・・・映画とは言葉ではなく視覚で雄弁に語るものだ。





アクション映画としての上手さ

殺陣がアクションとして上手く出ている。特にラストから二番目になる殺陣。刀を落とすシーンの松方弘樹との殺陣はスピード、見せる角度と思わず唸ってしまった。この構図はどんなアクション映画でも出せるものか?実に感心してしまった。(深作欣二のいつかギラギラする日のショーケンを思い出した。)
殺陣に入るまでの両者の距離感や所作や間も秀逸だ。








日陰に生きる、生きた人への優しい眼差し

人の心を動かすには、共感というものが必要になる。上手いも大事だが観客はどれだけ、その人に、その人の生き方に共感できたか?寄り添う事が出来たか?だと思う。(最低限の技量があっての話)。日頃世の中の、しがらみに揉まれながら、悪戦苦闘しながらも生きている人には特に響くのではないかと思う。また、映画は多数の人の縁の下から成り立っている。主役だけでなく、脇役だけでなく、スクリーンには見えない無数の映画スタッフさんから成り立っている。当然なのだが、その当然を一生懸命してきた人にこそ、リスペクトするべきだと改めて思う。こうして個人的には東映映画の、ほぼ中毒化した私にとっては、裏方の方々も神と同じだ。この人達無しでは恩恵が受けられなかったのだから・・・








この映画の課題

この映画は公開されている劇場数が著しく少ない状況だ。九州では博多の1スクリーン、鹿児島の1スクリーンのみ。ツイッター、ブログ、映画レビューサイトでも賞賛が圧倒的に多いだけに実に勿体ないと思う。薬にも毒にもならない映画も時としてビジネスだから在りだが、その中で本物がないがしろにされるのには心が痛む。1800円の価値は充分にあるので、お近くの方は是非あしを運ばれて頂きたい。グラントリノやセンチメンタルアドベンチャー(イーストウッドの真の最高傑作)等がお好きな人は特に響くものがあるでしょう。



二日前、アメリカNYのアジアンフェスティバルにおいて上映されてのツイート。遥か遠くアメリカでも、日本人の心に響いている。外国にいるからこそ染みいるのかも知れませんね。














おまけ

近衛十四郎ネタも本作品にはありますよ。
、ブログは、やっぱ大変だわ、やはりズボラでは無理だわな、またツイッターの世界でちょっくら遊んでおきます。では、いつか?お会いしましょう!


私のツイッターです



おわり