オール・ユー・ニード・イズ・キル (3D版) | 愛すべき映画たちのメソッド☆

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映画感想家・心理カウンセラー・芸術家のNatsukiです☆

『映画にどんなに素晴らしいメッセージが含まれていようと
「娯楽性」がなければ作品としては失敗だ』/レオナルド・ディカプリオ



「また目覚めたら、私を探して。」

数日前に博多駅で「本物のトム・クルーズ」に会えた興奮も冷めぬまま、そのテンションで先行上映に行き鑑賞。

やはりトム・クルーズの作品選びの「目」はいつも素晴らしい。

本作は桜坂洋のSFライトノベル「All You Need Is Kill」をトム・クルーズ主演でハリウッド実写化した作品。

地球は突如「ギタイ」と呼ばれる未知の侵略者に襲撃されていた。

その侵略者と人類の激しい戦いが続く近未来を舞台に、同じ時間を何度も繰り返すはめになった兵士が幾度もの死を経験し、成長していく姿を描く。

ある日、決死の任務に就くことになった主人公は、本格的な戦闘が始まる前にあっけなく戦死。

しかし意識を取り戻すと、周囲の時間は戦闘が始まる以前に戻っていた。

不可解なタイムループから抜け出せず、特殊部隊の女性兵士とともに戦いと死を何度も繰り返し、次第に戦闘技術を磨きあげていき、やがて敵を倒す糸口をつかみはじめるが・・・。

英語圏でのタイトルは『Edge of Tomorrow』だが、邦題は小説と同じ『オール・ユー・ニード・イズ・キル』となっている。

原作者の桜坂洋は本作のストーリーを「テレビゲーム」から思い付いたそうだ。

確かに本作はハリウッド映画としてはとても斬新なアイデアに溢れている。

それは、テレビゲームでは当たり前の「リセット」から「リトライ」の繰り返しを取り入れたストーリーにある。

これは、敵AIの行動パターンを暗記しながら何度も死んで何度も「コンティニュー」し、少しずつ前進し各ステージをクリアしていく「FPS」や「TPS」のゲームそのままの感覚で、超現代的で刺激的なモチーフだ。

『GANTZ』や『恋はデジャ・ブ』や『ミッション:8ミニッツ』の様な雰囲気でもある。

まず「あっけない死」と「圧倒的不利な戦況」でカオスな冒頭に圧倒される。

その「21世紀版ノルマンディー上陸作戦」の迫力と修羅場は「SF版プライベートライアン」と言っても過言ではない程の迫力と狂気に満ちている。

無限に増え続ける「パラレルワールド」と、無限に経験を積み重ねてどんどんレベルアップしていく腰抜け新兵。

こんな「腰抜けトム・クルーズ」が見れるのは後にも先にも本作だけだろう。

彼は「タイムリーパー」なのか「予言者」なのか「救世主」なのか。

「敵」の詳細が全く説明されずに最後まで謎な点も効果的で、トム・クルーズの前作『オブリビオン』同様に、この物語の中心にあるのは意外にも大人の「ボーイミーツガール」だ。

本作は時空を超越した究極のラブストーリーなのだ。

「何度繰り返せば勝てるんだ?」


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