フィッシュストーリー | 愛すべき映画たちのメソッド☆

愛すべき映画たちのメソッド☆

映画感想家・心理カウンセラー・芸術家のNatsukiです☆

『映画にどんなに素晴らしいメッセージが含まれていようと
「娯楽性」がなければ作品としては失敗だ』/レオナルド・ディカプリオ




「礼なら、父に」

伊坂幸太郎原作の映画化の中で一番好きな作品。

予備知識ゼロで観れば驚きの連続を味わう事ができる。そしてラストの5分に《宇宙へ突き抜ける人生の歓喜》が凝縮されている。

一番好きな映画『マグノリア』に最も近づいた日本映画である上に、ズバ抜けた発想で起承転結のパズルを崩壊&再生する見事なストーリー展開はスタンディングオベーションもの。

全世界の映画史上、最も《ROCK魂》に溢れた作品でもある。その心意気にエンドロールで嬉し涙が止まらなかった。

1975年、《セックス・ピストルズ》がデビューする1年前。日本の売れないパンクバンド《逆鱗》が解散前の最後のレコーディングを行った。

その「FISH STORY」という曲のレコードがあらゆる時代の人々に影響を与える。

この世界に意味の無い出来事や、不必要な人などいない。どんなにちっぽけな物でも、小さな言葉でも、報われない努力でも、必ず何かに影響を与えている。

売れない歌にも、退屈な小説にも、値段の付かない絵画にだって、大なり小なり人々の心を揺さぶる何かがある。だから存在する意味がある。

初めは小さな一歩でも、たとえ食物連鎖の底辺にいても、木からリンゴが落ちるのを見ただけであっても、ずっと先の時代や人々に間接的にでも影響を与えている。

誰もが何かに、そして誰かにきっと必要とされている。

気が付かないだけでこの世界は愛に溢れている。素晴らしい音楽が鳴り響いている。見たこともない程の鮮やかな色で彩られている。

そんな勇気と希望と愛で構成された一本の映画もある。

不幸とは、幸せだという事に気付かない事だろう。

「正義の味方になるためには、強い肉体と、動じない心、それを身につける準備こそが、必要だ」



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