サバイバーと、サバイバーを支援する人と | しあわせになりたかったのに

しあわせになりたかったのに

すみませんでした。

苛烈な環境で生きてきた子供たちを、受け入れ、見守る人と出会った。
その人と過ごし、生きのびてきた人たちと、共に過ごした。

生きることの保証されない環境で生きてきた人たちにとって、普通、などという枠組み自体がない。
「生きる」ということは、その人にとって求めるものですらなくなっている。
「死にたい」という感覚が、その人の日常となっている。

それでもなお、生きているその人たちを、守り、いたわろうとする。
生きる意味を見失った人が、それでも生きられるように、住まいと食事を整える。
本来保障されるべきだった、過去に損なわれてしまった権利や機会を、可能な限り守り、再び得られるようにする。

生きのびた人が再び、自らのなにかを感じられるように。
自分がどうしたいかを考えられるように。
自分で他者に働きかけられるように。
自分で訊ね、自分で伝え、自分で動くことができるように。
自分の意志を持てるように。

命をつなごうとする、人々がいた。