W・S・チャーチル「第二次世界大戦1」その6 | さかえの読書日記

さかえの読書日記

琴線に触れたことを残す備忘録です。

 「私は、1914年から1915年にかけて海軍省にいたとき、どうしてもそうせざる得なかった生活方法に頼ることにした。そしてそれによって私は毎日の生活の能率を非常に高めることができたのだった。私はいつも午後になると、できるだけ早めに一時間だけベッドで寝た。そしてたちまち深い眠りに入るという私の幸福な天性の習慣を、十二分に利用した。この方法によって、私は一日半の仕事を一日にちぢめてやることができた。自然は人類に対して、ありがたい忘却という休養を与えずに、朝八時から真夜中まで働かせるつもりはないのである。その休養は、たとえそれがわずか二十分でも、すべての活力を新鮮なものにするのに十分なのだ。私は、毎日午後になると子供のようにベッドにつかねければならないのを残念に思ったが、しかし私はそのお蔭で夜を徹して午前二時か、あるいはそれよりも遅くまで働くことができ、そして八時から九時の間に新しい日をはじめることができた。」


「私はこの日課を戦争中つづけた。からだのつづく限り長時間仕事をしなければならないときには、私は他人にもこのことをすすめる。軍令部長バウンド提督は私のこのやり方の効能を認めると、彼も直ちに実行したが、ただ彼の場合は実際にベッドになるのではなく、肱掛椅子でうたた寝をした。彼はこの効能をさらに推し進めて、閣議中でもしばしば眠ることがあった。しかし海軍に関する一言でたちまち目を覚まし、全力をあげて活動に入った。彼の油断のない耳、あるいは彼の隙のない心は何ものをも逃さなかった。」


 よく聞く話がこんなところにもでていたという感じ