「人生の対話」その2 | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「ジャーナリストというのは、ネタを抜いたとか抜かれたとかで一喜一憂したり、事件があったら早速その道の権威者=学者とか評論家にお伺いをたてて記事を作ったりというだけじゃ、一流とは言えないんです。何かコトが起こったとき読者から、『あの人はどう考えているんだろう。彼は何と言っているんだろう』と、意見や所説を期待されるようにならなくちゃいけない。だから日頃、専門分野について、しっかりと勉強していなくちゃいけないんですね。つまり、第一級の見識の持ち主であることが要求される。分野の如何を問わない。政治、経済、音楽、文学――何についても言えることです。そして第一級のジャーナリストであることの指標の一つは単行本。もちろんそれだけが証じゃないし、数が多ければいいというわけのものではないけれど、単行本を執筆して世に問えるか否かというのは、指標にはなるでしょうね』と、常々語っていた。」


「ちなみに、そんなとき話題になっていたジャーナリストは、名著『世論』の著者ウォルター・リップマンや、評論集だけでなく、書き下ろしで浩瀚な『大作曲家の生涯』まで出版してしまった、往年のニューヨーク・タイムズの音楽欄主筆ハロルド・ショーンバーグなどである。」


 丸山の人生論