「聖書の論理」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「ベルリンの壁が崩壊し、社会主義思想の敗北は決定的になったが、それは自由市場優越の思潮を世界中に普及させたシカゴ大学の新自由主義経済学者ハイエクとフリードマンの絶妙なコンビネーションがあった。」


「ハイエクは、社会主義はその目的はいいが手段は間違っていると敢然と説いた。彼はその著『隷属への道』でもって、アダム・スミスの説いた自由市場社会こそその手段であることを明かし、世界の自由主義者の学会『モンペルラン協会』を結成した。」


「ハイエクに啓発されたフリードマンは、その思想で一国の経済政策を行う技術『マネタリズム』を考案した。それによって、ハイエクの思想は経済政策の中で具体的に働かせることができるようになった。」


「レーガン政権はこの理念と技術を経済政策に全面的に取り入れた。欧州や日本はそれを模倣した。そしてこの流れは、ついには社会主義国の意識をも変えてベルリンの壁を崩壊させるに至った。社会主義の崩壊は自然に起きたような印象を人々は抱いているが、それは世界のマスコミの知的レベルが低いためで、実は、ハイエクらの入念で根気強い仕掛けが実を結んだものである。」


 宗教改革のくだりで、ルターは新しい宗教理念を造り、カルビンはそれを組織化、制度化したと述べている。理念化と能吏の協働についての他分野でのたとえであるが、覚醒させられた。