山本七平「聖書の常識」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「聖書の基は契約書である。」


「契約には四種類あり、①上下契約、②相互(対等)契約、③履行契約、④保護契約とするが、日本人にないのはおそらく上下契約である。」


「この上下契約は、実は聖書の中の基本的な考え方であり、絶対者なる神との契約を絶対に守ることが、「信仰」すなわち「神への忠誠」なのである。したがってその意味は日本人のいう「信仰」「信心」といった言葉と非常に違う。そして、神との上下契約という考え方が基となっているので、聖書の宗教は「契約宗教」とも呼ばれ、それが明確に出ているのが、俗に「モーセの十戒」といわれている「シナイ契約」である。上下契約は常に「上」が契約を示して、「下」が署名する。」


「見よ、私は今日、お前たちの前に祝福と呪いを置く。もし今日、私がお前たちに命ずるお前たちの神ヤハウェの命に聞き従うならば、祝福を受けるであろう。もしお前たちの神ヤハウェの命令に従わず、私がお前たちに命じた道を離れ、お前たちの知らなかった他の神々に従うなら、呪いを受けるであろう。」


 「常識」はよく整理されている。