橋爪大三郎編著「小室直樹の世界」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「アメリカ留学はおそらく小室博士に、二つの大きな目標を衝撃のようにもたらした。一つはアメリカの学術水準の頂点にまで達し、対等に渡り合うのでなければ、日本の将来はないであろうということ。それはどのように可能か。もう一つは、日本は、アメリカになりえないということ。日本という国家と社会の行く末を思い、日本のアイデンティティ、日本人の生きる道について考え抜いていかなければならない。このふたつの大きな課題を、終生のテーマとして掲げることになった。」


「小室博士の特徴は、その分野の第一人者を見るや直接に教えを受けようと、弟子か学生となり、その学問の本質をつかみ取ろうと実行に移すこと。もしも、直接教えを受けることがかなわなければ(相手が死んでいるなど)、その学者の書物を読み、繰り返し読み、あたかも面前で教えを受けているかのようにその内容を体得しようとつとめる。このような特異な勉強法をもっている。」


久しぶりにおもしろそうな本に出合えたといった感じ。