引き続き「構造」から | さかえの読書日記

さかえの読書日記

琴線に触れたことを残す備忘録です。

「ペルソナとは、古典劇において役者が用いた仮面のことである。人間がこの世に生きてゆくためには、外界と調和してゆくための、その人の役割にふさわしいあり方を身につけていなくてはならない。外的環境は個人に対して、いろいろな期待や要請をなし、その人はそれに応じて行動しなくてはならない。教師は教師らしく、あるいは、父親は父親らしく行動することが期待されている。いわば、人間は外界に向けて見せるべき自分の仮面を必要とするわけであり、それが、ユングの言うペルソナなのである。」

「男性は一般に男らしいといわれているような属性をもったペルソナを身につけなければならない。彼は社会の期待に沿って、強くたくましく生きねばならない。そのとき、彼の女性的な面は無意識界に沈み、その内容が、アニマ像として人格化され、夢に出現してくると、ユングは考える。女性の場合はこの逆で、女らしいペルソナをもつために、男性的な面はアニムスとして無意識界に存在するという。このように、男性であれ女性であれ、潜在的可能性としては両性具有的であると考えるところが、ユングの特徴である。」


 「アニマとアニムス」、「自我と自己」など、理解しがたい概念が続く。