河合隼雄「無意識の構造」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「エディプスは有名なギリシャ悲劇の主人公である。主人公のエディプスがそれとは知らず、父親を殺害し、母親と結婚する物語である。この恐ろしい事実をはじめって知った時、エディプスの母であり妻であるイオカステは自殺し、エディプスは自分の運命を呪って、自らの両目をつぶし、盲目となって放浪の旅に出る。

 フロイトは、この物語に示されているような、男性がその母親を愛の対象とし、父親を殺そうとするような願望が、人間の無意識内に存在すると考えたのである。これをエディプス・コンプレックスといい、女性の場合は、母親を殺して父親と結婚しようとする願望であり、これもギリシャ悲劇の主人公の名前をとって、エレクトラ・コンプレックスと呼ばれている。」


 本書によると、ほかにもカイン・コンプレックスやメサイヤ・コンプレックスがある。「中空構造日本の深層」を読む前に、こちらに目を通しておけばよかったかもしれない。