「日本の起源」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「私はかつて「中国化する日本」という書物で、現在の日本社会の起源を江戸時代に置くかたちの通史を叙述しました。座標軸の両極に「中国モデル」と「日本モデル」の二つの社会類型を置いて、まず前者が、大陸では宋朝の時代に成立したと位置づける。日本でも中世の間は、それを導入しようという動き(=中国化)があったのだけれど、戦国時代にその流れが反転して、むしろ中国の「皇帝専制下の競争社会」とは180度正反対の幕藩体制が、日本独自のモデルとして定着する(=江戸化)。だから、今日の私たちにとって「日本の伝統」「日本らしさ」と感じられる文化的な価値観や社会構造の起源は、実は中国化という選択肢を抹消した江戸時代に作られたのだ、というストーリーです。」


 「中国化する日本」の全体像がやっと理解できた記述