先日(1/27)、上野にあるオートモデリGTでいろいろとフィニッシャーズ製品について聞いてきました。
今までにメルセデス300SLでCLKシルバーを使ったり、ラフェラーリでブライトレッドを使ったことはありましたが、今ひとつ使いこなせてる気がしなくてモヤっとしてました。
そして最近、フィニッシャーズ代表の川口信義氏によるYoutube動画を見つけて「なるほど〜」と思ったのですが、知れば知るほど知りたいことが出てきて、こりゃお店に直接聞きにいくしかないなと思って行ってきた次第です。
いろいろとお話を伺ってきたのですが、まずはピュアシンナーについて。
クレオスやガイアノーツのいわゆる「エアブラシ用」とされるシンナーは、基本的にリターダーを入れて塗装表面が乾くまでの時間を長くする、という考え方でした。
乾く時間を長くとることで、塗膜が流動して表面が均一になる時間を与える、という考え方です。
ところがフィニッシャーズのピュアシンナーはその逆で、乾燥時間を短くしながらも表面を均一にさせる、という考え方なのです。
どういう仕組みなのかはわかりませんが、乾燥が早くても表面にツヤを出せるようなシンナーが使われているのだとか。
考え方としてはクアトロポルテのティーポマルチシンナーも同じで、成分は違うでしょうけど発想としてはピュアシンナーのほうが元祖だと思います。
ではなぜクレオスやガイアノーツも同じようにしないのかというと、ツヤが出すぎるとつや消し系の色もツヤが出てしまうから。
フィニッシャーズの製品はカーモデルで使うことをメインにしているので、ツヤ出しを重視した設計にしているのです。
乾燥が早いとホコリがつきにくいというメリットもあります。
また塗装の仕方も変わってきます。
乾燥が遅いと、何度も塗っては乾かし、という作業をしていくと全体の時間が長くなってしまいます。
ところがピュアシンナーだと、塗ったあと5分くらい乾燥させれば次の塗装ができるので、薄く薄く5回くらい塗り重ねても結果的に全体での時間はそれほどかからなくなるわけです。
乾燥速度以外にも、シンナーの力が少し強くしてあるという特徴もあるようです。
他社のものよりもややプラスチックを溶かす力が強くしてあるようで、プライマーを使わなくても食いつき力が確保できるようです。
つまりはプラ表面に塗るならサーフェイサーが必要ないということ。
川口氏はツヤ消し表面になってしまうサーフェイサーを下に塗ることに懐疑的なようで、たとえあとでコンパウンドで磨くにしても途中でツヤ消しにするのはいかがなものか、というわけです。
もちろん、発色を良くするために下地に何か塗る必要はありますが、塗るとしてもつや消しではなく、光沢の色を塗ったほうがいいというわけです。
フィニッシャーズ製品の「ファンデーション」系の色はそのためのもので、隠蔽力を強くしてありながらも塗膜を薄く仕上げることができ、塗装後の表面は光沢になります。
また、塗る前にプラスチック表面は磨いておきます。
ペーパーで足付をするとかいうレベルではなく、コンパウンドまで使ってピカピカにしておきます。
ピカピカだと塗料の定着が弱くなるのではと思ってしまうところですが、そこでピュアシンナーの力が効いてきます。
プラスチックをわずかに溶かすことによって定着力を補います。
てなわけでこれは一度試してみなければと思って塗ってみたのが上の写真。
アオシマのER34です。
すでに黒サーフェイサーが塗ってあったのですが、600番→1000番→1500番→ラプロス6000番→コンパウンド「ミクロ」と磨いてツルツルにして、中性洗剤で洗浄後、フィニッシャーズのファンデーショングレーを塗りました。もちろん希釈はピュアシンナーを使っています。
・・・確かにツヤツヤになる。
また乾燥が早いので塗装中何度も重ねることができるのと、ファンデーショングレーの隠蔽力が強いのともあいまって、一度の塗装でしっかりとグレーになりました。
しかも塗膜が薄いのでディテールがシャープ。
ピュアシンナー、ちょっと高いけどいいかもしれない。
その他いろいろ試しているところです。
ツヤ消し黒をピュアシンナーとガイアのブラシマスターを使って比較してみましたが、それほどツヤ消し具合がなくなったりといったことはないみたい。(写真右下)
Exブラックも比較してみましたが、こちらは乾燥が早い分、ピュアシンナーで塗った方が色が濃くなったような気がします。(写真左下2つ)
今回は以上〜