久しぶりの利尻山と『だいくとおにろく』 | 絵本島 

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大人も絵本を楽しもう!絵本の紹介と感想を発信します。
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 今日ではありませんが、久しぶりの利尻山のお姿です。逆光ですね。


 二、三日前の朝に写したものと思われます。

帽子のように雲をかぶっているのが面白かったんですね。


 晴れている時は


 こんな感じです。


 今日の絵本は


だいくとおにろく

松居 直 再話

赤羽 末吉 画

福音館書店


 常々、赤羽末吉さんの絵が好き、と書いて来ましたが、その赤羽末吉さんの作品の中でもこの『だいくとおにろく』が一番好きです。

 もう、尊敬です。


 そんなわけで今日は『だいくとおにろく』のお話もさることながら、赤羽さんの絵についてお話ししたいです。


 まずタイトルと一緒に載せた表紙ですね。

 配色が美しいですね。

 そして鬼のずるくてニヤニヤした表情と大工の考え込んでいる表情が、いいですね。


 「俺の名前を当ててみろ」

というところですね。鬼は、(絶対に名前がわかるわけない。大工の目玉はおれのもんだ)と思っています。


 大工は山の中で鬼の名前を聞いてしまいました。だから実は考え込むフリをしているんですね。

腕組みして、難しい顔で。


 表紙の絵は後ろの表紙とつながっています。開くとこんなふうになるんですね。


 後ろの表紙がつくと、鬼の怪物性が際立ちますね。

 水から湧いて来たようで、とても大きい。目玉どころか大工をパクリと食べてしまいそうです。


 そして私の一番好きな絵がこれです。


 鬼の掛けた橋を大工が初めて見たところです。


 この絵を初めて見た時は、あまりに美しくて惚れ惚れと見惚れてしまいました。


 それ以来、赤羽末吉さんというとこの絵を思い浮かべます。まず、赤い橋ですね。それとミントグリーンの雲と地面です。このミントグリーンがすごく効いていると思います。


 見開きいっぱいに掛けられた橋は流れの速い川にも耐える丈夫な橋です。しかもこの上もなく美しい。この赤とこの形、がいい!

というくらい素晴らしく見えるのです。


 赤羽末吉さんの画力恐るべし。


 私がいうまでもないことですが。


ラブラブラブラブラブラブラブラブラブ照れ


 さて、名前を当てられることで悪魔や鬼が魔力を失い、消えたり逃げていく民話は外国にもありますね。

 グリム童話の「ルンペルシュテイルツヒェン」

 イギリスの「ティム・テイット・トット」

など。


 これらが名前を知られることで魔力を失うということは、名前に魔力が宿っており、それゆえ知られてはならないと信じられていたのでしょうか?


 興味があります。


 ではでは皆さま。良い週末を!