今日も利尻山!と『やまねこおことわり』 | 絵本島 

絵本島 

大人も絵本を楽しもう!絵本の紹介と感想を発信します。
今住んでいる利尻島の毎日を日記ふうに書いていきます。
絵本と島生活の楽しさを合わせたブログです。

 今日も利尻山が綺麗に見えました。



 雲が山の向こう側にかかるように見えるのがまた、いいです。





 海には漁師さんの船が出ていました。何をとっているのかな?


 今日の絵本は


やまねこおことわり

あまんきみこ 文

北田卓史 絵

ポプラ社


 運転手の松井五郎さんのシリーズです。

 松井さんはタクシー運転手です。ある日若い男の人が松井さんのタクシーに乗ってきました。

 男の人は、行き先を言わずに

「そこを右」

「つぎ、右」

「たばこ屋を左」

などと、道順を言って行きます。

 松井さんがどこを走っているのか分からなくなった頃、ふと見ると、男の人は山猫になっていました。


「降りてください。あなたはヤマネコでしょう?」

と松井さんがいうと、やまねこはお母さんが病気になって、お母さんのところへ行くのだ、自分は医者だと言います。

 松井さんは、「送るべきだ」と考えてやまねこを送ってあげます。

 無事にやまねこがお母さんの病気を見て、帰りも松井さんが送ってあげました。


 元の街に戻って、タクシーを降りる時、やまねこはまた男の人に戻っていました。

 そして松井さんに一枚の紙切れをくれます。その紙には『やまねこおことわり』と書いてあるから、もうやまねこは乗ってきませんよ、と言います。


 松井さんはどうしたでしょう?

 松井さんは男の人を呼び止め、紙を破ってみせて、

「また、いつでもどうぞ」

と、言いました。


  爆笑爆笑爆笑爆笑爆笑爆笑爆笑爆笑爆笑爆笑


 このラストがものすごく好きです。

 自分を拒絶されても相手に思いやりを示すやまねこもかっこいいし、それを受けてまたいつでもやまねこを車に乗せる、という松井さんの広い心も大好きです。

 松井さんも、人間とは異質なやまねこというものに初めは驚きました。でも、やまねこにもお母さんがいて、お母さんの病気を治してあげにいくという、やまねこにも家族があるという、自分と共通する性質の方に目を向けて、やまねこを受け入れました。そこがいいです。


 優しい気持ちになれる絵本です。