神居海岸です。
ん?
建物がありますね。
これはウイスキーの蒸留所です。その名も「神居ウイスキー」先日、お披露目のイベントがありました。
試飲コーナーもありました。美味しかったです。まだ、売店も何もないのですが、これからできるといいな。観光施設としても充実してほしいです。楽しみです。
今日の絵本は
『おきなぐさ』
宮沢賢治 作
陣崎草子 絵
mikiHOUSE
宮沢賢治の文章が絶品です。
蟻との会話で、うずのしゅげについて話しています。この作品の中でおきなぐさは「うずのしゅげ」と呼ばれます。
「お前たちはいつでも花をすかしてみるのだから。」
と、蟻の視線に立っています。
会話の終わりには
「よろしい。さよなら。気をつけておいで。」
と、蟻を労います。蟻はうずのしゅげが好きだということです。
山男は、足元の小さなうずのしゅげに見惚れています。うずのしゅげがかすかに揺れているのを見ているのです。
蟻に対しても、うずのしゅげに対しても、小さなものへの愛情のこもった視線が感じられます。
今度はうずのしゅげ自身が語り始めます。
雲の流れるのを見て、話しています。空が広くて、雲の動いていくのを話しています。自然の美しさを感じる場面です。
やがてうずのしゅげは銀色の毛になって飛んでいきます。
賢治はそれを、
「小さなたましい」
と表現しました。
ここに、賢治作品の魅力の秘密があるように思うのです。つまり、賢治はあらゆるものに魂を感じているのではないのかな、と。
「野原には牧草や燕麦がきんきん光って居りました。」
「うずのしゅげの銀毛の房はぷるぷるふるえて今にも飛び立ちそうでした。」
(他にもたくさんこのような魅力的な文が登場するのですが、)
賢治はあらゆるものに魂をみるからこそ、このような「命いっぱい」を感じさせる、魅力的な表現を生み出すのではないか、と考えています。
命への愛を感じさせてくれる宮沢賢治の文章を絵も見ながら楽しめる、良い絵本です。
これも、宮沢賢治の絵本シリーズです。