- いっすんぼうし (日本傑作絵本シリーズ)/いしい ももこ
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格調の高い絵と文章
絵本を選ぶ時、なんとなく日本の昔話よりも最近の創作絵本の方に目が行きませんか?
自分も気持ちでは、「昔話を教えないと…」と思うのですが、やっぱり昔話は 少し「地味」、「怖い」というイメージがあって、「読んであげてもあまり子供が喜ばないんじゃないか?」と勝手に思ってしまうのです。
幼稚園児の絵本の所有率(平成2年と22年の比較)
「桃太郎」 97%→55%
「浦島太郎」 94%→38%
「猿蟹合戦」 94%→37%
「舌切雀」 85%→20%
「花さか爺さん」 88%→29%
(筑波大学・徳田克己教授調査)
この20年で、昔話の絵本の所有率がかなり減っていることが見て取れます。それと同時に、お話自体を正確に知らない子も増えているようです。
そうです、教えてあげないと子供たちは伝統的な昔話を知る機会がないのです。「自分も気を付けねば」と思って、有名な昔話には意識的に触れさせようとしています。
さて、この「いっすんぼうし」は、石井桃子さんの文はもちろん、秋野不矩さんの絵がとても素敵です。秋野さんはかつての日本画の第一人者で、文化勲章なども受章された方だということです。
昔話の絵本と言ったら、アニメ風にアレンジしたものもいっぱいありますが、格調の高い絵本で子供たちに触れさせるのもいいな、と思います。