2013.1.27 東京・後楽園ホール 観衆1542人(超満員)
○飯伏幸太vs竹下幸之介×
[11分48秒 ハーフリバースボストンクラブ]
評価:★★★★★★★★☆☆
フォト:16枚
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.322204421225002.65859.100003063396387&type=1&l=06545d4a27
寸表:日本武道館でデビューし、ジェネリコやケニー、ディーノとDDTの数ある名選手と勝負を展開しPSJへ引導を渡した現役高校生レスラー竹下幸之介が遂にゴールデンスター飯伏幸太と激突!勝負は名勝負を期待したが差がありすぎた。いや、言葉を変えるなら飯伏が竹下に何もさせないまま非情な攻撃の数々を浴びせていった。これ以上にないくらいに・・・
場外から断崖へのブレーンバスターやムーンサルトニードロップはただいなるインパクトとダメージを与えた。これは竹下に対する賞賛から出ていると思う。
若い芽を積むっていうよりかはトップ宣戦は軽々しくないっていうのを教えたような内容だったかな。本当に防戦一方。
飯伏がかつて経験した壁っていうのを竹下に見事教え込んだって感じ。
個人的にはベストバウトに近いような試合だった、俺個人はこういった非情かつ一点攻めっていうのが大好きだからね。
俺はね、もしかしたら高木社長の考えるドームのメインって飯伏vs竹下を考えてるんじゃないかなって。だからこの一戦は見逃せなかった。将来的にも豪華カードになるしね。
腕の取り合いからグラウンドで探り合うなど静かな序盤。竹下がドロップキックを放つと、場外エスケープする飯伏を竹下が捕まえてリングに戻す。
戻された飯伏は再びリング下へと移動し、リングに戻ってきた竹下を場外に引きずり落とすと、ブレーンバスターの体勢。これをしのがれるとオーバーヘッドキックをブチ込み、場外へのブレーンバスターをエプロンサイドに向けて敢行。
飯伏はボディースラムで何度も叩きつけ、逆片エビ固めへ。飯伏は「どうしたオラ!」と檄を飛ばす。腰にダメージを負った竹下はガムシャラにエルボーを打ち込むも、クロスボディーをキャッチされてバックブリーカー、さらに抱え上げられコーナーへと叩きつけられる。
飯伏はそこからロコモーション式に弓矢固めを決めて、エスケープしてコーナーでダウンする竹下を踏みつけた。竹下は飯伏をエプロンに出すと、スワンダイブせんとする飯伏をドロップキックで迎撃。
リング下に落ちた飯伏に竹下はエプロンからジャベリンキック。竹下は飯伏をリングに戻すと逆水平。串刺しビッグブーツからドロップキック、ジャベリンキックでカバーするもカウント2。
飯伏はタッチダウンをかわしてキックのコンビネーションからその場跳びムーンサルト・ニードロップで腰に追い打ち。そこからサソリ固めにつなげる。ロープに逃れた竹下は、飯伏のラリアット狙いをエルボーで止める。
直後に鋭いソバットを食らったが、向かってきた飯伏をドロップキック、さらにジャーマンSHを決めるがカウント2。なおもクラッチを離さず、再びジャーマンを放って、今度はエビで固めるがこれもカウント2止まり。
バイパームーブからタッチダウンを狙ったがかわされるやラリアットを食らい、ジャンボ・スープレックスで投げ捨てられ、逆片エビ固めを決められてはギブアップするしかなかった。試合後、飯伏が傍に寄ると、竹下は額を付けて睨み合い。エルボーで突っかかっていくが、セコンドに分けられた。
---初めて見せる技が多かったですが?
「初めてやりましたけど、プロレスごっこではやっていました。やっぱり身体能力とは別のところの能力がすごいですね。体幹というか、もともと持っている体の強さみたいなのすごいです。ただ、プロレスに100%使い切れてないだけで、まだ20%ぐらいしか使い切れていないはずです。それが100%使い切れるようになったら、プロレス専用の体になったらヤバいと思います。」
---ほかの選手が飯伏選手に対してそう思っているのではないですか?
飯伏「自分の新人の時とは違うレベルを感じます。」
---あそこまでやられるとは思わなかったですか?
「それもそうですし、余裕はないけど、余裕があるという感じです。プロレスに100%つぎ込まれていない身体能力というか、その部分じゃないですかね。」
---キツい攻撃をやっていたが?
「逆に言えば、竹下じゃなければできなかったかもしれないですね。」
---パワーボムで抱え上げて、後方に落としたが?
「あれはOPGの必殺技です。名前はないですけど。」
---これまで新人に胸を貸すことはなかったですか?
「自分では胸を貸したつもりはないですね。対一人として普通に闘いました。」
「僕は勝手にじゃないですけど、やってきたんで。あんまりそういう能力がないんで、育ってくれればいいですね。」
---竹下選手が残りの80%を出し切るにはどうしたらいい?
「キャリアというか、慣れというか。ここでこのくらいの配分とか、何となくいろいろあるんですよ。それが全部わかった時は、すごいことになりますね。」
---飯伏選手自身が新人の頃にそう感じていたのですか?
「自分では100%出していたつもりなんですけど、今思えば体が使い切れていなかったですね。プロレスごっこの動きになっていました。」
「正直何もできなかったという印象で。僕がDDTに履歴書を送ったのは飯伏さんが『ベスト・オブ・ザ・スーパーJr』で活躍する姿を見て、飯伏幸太を超えたいと思って。それでDDTに入門して初めて対戦させていただいて、何もできなかったですけど、ちょっとは近づけたかなと。すごく遠かった目標がちょっと前進したかなと、今日はそう思います。」
---飯伏選手との距離が見えた感じですか?
「今まで全然見えないところにあったゴールが、あと何十キロ、何百キロとわかっただけでも、今日はよかったです。
---飯伏選手にかなわない部分は?
「飯伏さんというと派手な技が目立つかもしれないですけど、勝つという気持ち、感情の部分が闘っていて、すごく感じました。」
「ありますね。陸上競技ってその場所で自由に動けるんです。プロレスって、ロープがあって、お客さんがいて、その中で自分の力を出さなければならない。そういう面ではプロレスの経験が少ない分、自分の持ってる力を発揮しきれていないと思います。今は持てるものを出し切るので精一杯です。」
---陸上よりプロレスの方が制限がありますか?
「実際に触れ合って、人と闘うんで。陸上は自分ひとりなんですけど、そういう面で相手の動きがあるんで、まだまだ自分が発揮できてないと思います。」
---次の目標は?
「飯伏さんは、僕はプロレスラーとして完璧だと思って、僕は未熟なんでもっとレベルアップして、強くなったらどこでもいいんで、もう一度シングルをしたいと思います。」