ShortStory(テレパスの国) | わがままなマックの最近思う事

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愛のままに…わがままに…僕は好き勝手に書いてます。 、

それは初め…「見られてる?」から始まった

 

とある国での話…

僕は日本が長いせいか『日本語の言葉の煩わしさ』に心底…ウンザリしていた。

だから…言葉が伝わらない国…いや、正確には日本語が聞こえない国が好きで、最低限の会話はお互いカタコト英語である事がベストである。

もし…どうしても話さなければいけない事があっても、大きなホテルや役所か大学に行けば英語が喋れる人間は大抵ひとりはいるもんで、最悪…日本かアメリカ大使館に逃げ込めば何とかなる

しかし当然…他国であるから、街を歩いていると、さすがに外国人であるせいか僕はやたらと目立つらしい…

興味本位で声をかけて来る輩も多く…話したくない相手ならそのままシラ切って無視してりゃ良いし

話しかけられられても言葉がわからないから、手のひらを上にして左右の両手を肩まであげ、困った顔をして首を振るだけで十分だけど…それで足らなきゃ、その後に両手を合わせて拝む様な仕草をして軽く笑顔でカタは付く、

この「ごめんなさい!わかりません!」は便利なもんで…ほぼ全国共通な様だ!

よっぽど文化や環境が違い過ぎなければこんな風に…もし買い物や食事などで会話が必要でも…ジェスチャーで会話をして意思疎通ができれば不思議な事に何とか伝わるもんである

相手が外国人同士であるから、それに付きつき合ってくれる人と短気で付き合ってくれない人も

すぐにわかるから楽でもある。

勿論、文化の違いもあるのでなかなか伝わらない煩わしさはあるが、これがなかなか楽しかったりもする

だから…最低その国の「YES」と「NO」くらい知っておけば更に助かるのである

…と長々話しましたが、ここで本題と行きましょう。

 

そんな街で…もちろん見られているのだけど

『強くこちらを見てる感じ』…と言うのがあって人間が本来持っている能力?眼力?とでも言うのでしょうか

それは「ねぇ~君!」みたいなフランクな物もあれば、「おい!てめぇ!ちょっと待て!」の様な威圧的な物まであって…たまに『無言の呼び止め』と言うのがある

その中でも…それが毎回同じ人と言う場合もあって、どうやら明らかに僕に何か用があるんだろう…

まぁ~先程の分類であれば…威圧的な後者の方は「触らぬ神に祟りなし」じゃないが…こちらからわざわざトラブルに足を踏み込む必要は無い訳で、単に警戒しておけば良いけれど

フランクな前者の場合は…楽しい出会いの始まりでもあったりもする

 

さて、【まえ振り】はこれ位にして、

ふと気が付くと毎回視線が合う子供がいて、まるで「こっち!こっち!」と声をかけられてる感覚になる事があり、それが続いたある日…

「ほら…やっと気がついた」と声がした…それはあきらかに自分の知らない言葉なのにまるで日本語の様に理解できた…そして「アナタもこれが出来るんだね…やっぱりそうだと思ったよ」と

その子は僕のアタマの中へ直接話かけていた

こんな事は以前日本でも一度あって…その人は自分は能力者であると名乗っていたから「これがテレパシーなのか」と生まれて初めて体験した違和感であった

ただ残念ながら使いこなせるとは程遠く、聞こえるがうまく話せないようで、幾度か噛み合わなかったりタイムラグがある様だ。

日本で会った能力者は「アタマで思えばいいんだよ!」とは言っていたが、そう旨くはいかないらしい。

そして、その子に実際に言葉で話しかけるとわからない外国語であったが、この方法だと何故か理解できた「だから…こっちの方が便利でしょ?」とまたアタマの中に話しかけてきた。

 

どうやら、これが使える仲間が結構いるそうだ。その子の祖父もそうで物心ついた時からずっとこれで会話をして来たらしい。

祖父の受け売りであるが「これは遥か昔から使っていたモノで現代は使わなくなって退化してしまったモノだそうだ…人は話さなければ声が出なくなるのと同じなんだ」と言い笑った。

しかも驚く事に、この国ではかなりいるらしく、単に気持ち悪がられたりバケモノ扱いされるのを嫌って、「自分は使える」とは大ぴらに言わないそうだ…使える者同士がコッソリ会話しているそうな。そう言われてみれば、この国は物静かな国であまり話をしない人種として有名であるが、根本にこう言う事だったのか?関心した。

そして、ふと思ったのが「物静かでおとなしく、気配りが出来る人種?」

それは昔、日本人もそうだ!と言われていたが…そうか、この能力が退化して使い方を忘れてしまった人種なのかもしれない…そう考えると合点の行く話である

その子の話では…この国には鳥や犬や猫や羊と会話ができる人もいるそうだ

人によっては…祖先の霊とも会話ができる者もいるらしい

遥か昔に言語が無かった時代のコミュニケーションツールとして使っていた物であったが

いつしか人は進化や発展と共に『秘密』を持ち、心を閉ざし…相手に心を読まれない様にする事が必然となり、その為に相手を思いやる事を避け、現代人はそのツールを失ってしまったのかも知れない。

知恵を持つとより便利を求め、手間を不要な物として淘汰してゆく…そしてその淘汰され失われた物に対して後に懐かしみ、後悔するのが人間と言われているが…

「後悔先に立たず」「転ばぬ先の杖」「覆水盆に返らず」に「後の祭り」と日本語にはとても良い言葉が沢山あるが、まさに宝の持ち腐れ…と言うか、とことん学べない人種なのだろうと思った

 

はたして現代を生きる我々は本当に幸せなのであろうか?

学ぶ以前に反省する事まで退化させてる気がするのは…

しょうがない…事なのか?

 

 

 

今、何かに気が付かなければいけない気がします

 

てれぱす…てれぱす…るるるるる~

 

♪目と目で通じ合う~そう言う仲になりたいわ~