以前,訴えの取下げと放棄という内容で記事を書いたことがありました。

 

 

請求の放棄と訴えの取り下げ

https://ameblo.jp/egidaisuke/entry-11250378516.html

 

 

この中で,訴えの取下げでは同じ理由で再訴することも可能と書いた部分がありましたが,民訴法262条2項では,終局判決後に訴えの取下げをした場合には再訴を禁止する旨の規定があります(再訴したとしても訴え却下しとして門前払いされるということになります。)。

これは判決まででいるのにまた同じ理由で訴訟提起するというのは不合理であるからです。

 

(訴えの取下げの効果)
民事訴訟法第262条 訴訟は、訴えの取下げがあった部分については、初めから係属していなかったものとみなす。
2 本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。

 

判決まで出ているのに訴えを取り下げることがあるのかとも思われるかもしれませんが(とりわけ,判決で勝ったほうについては訴えを取り下げたり,原告の取下げに同意して勝訴判決をなかったことにするメリットはないと思われるから),判決が出た後で,控訴審で訴えの取下げも内容としたうえで和解するということもありますので現実的にないことではありません。

 

 

ただ,再度同じ訴訟を提起することについて合理的な事情が認められれば,再訴禁止に抵触せずに許されるとされることもあります。

 

 

事例としては,クラブに勤めていた女性が顧客と関係を持ち子どもを出産し,当該顧客に対して認知請求を行い認容されたが,その後,顧客男性と金銭の支払いを受けることで和解し,認知請求について取り下げたが,その後,男性が死亡したことから,相続のために再度認知請求を提起したという案件において,相続の開始という事情も踏まえて再度の認知請求は適法であるとされた事例があります(福岡高裁平成21年2月27日判決)。