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アイビーリーグ学生の平凡な本・音楽紹介

アメリカ在住10年以上、某アイビーリーグ大学在学中のジャパニーズ・ボーイが気に入った本・音楽などを気ままに紹介するブログ。

こんにちはビックリマーク eggstraordinaryです。

つい最近、洋服店に行った際、ブルースのBGMが気になったのでまたジャズをよく聞くようになりました。Graphophone (←自作)
ということで、本日のトピックはジャズです!!
そのお店でかかっていたCDはウィントン・マルサリスのトランペットものだったのですが、紹介するのは彼の作品ではありません。汗

本日紹介したいのはデューク・エリングトンのライブアルバム、"Ellington at Newport”に収録されている一曲、"Diminuendo and Crescendo in Blue”です!
Ellington At Newport 1956/Sony

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エリングトンと言えば、アメリカのジャズ・ピアノの巨匠。ジャズオーケストラのリーダー、作曲家、演奏者として50年以上活躍しました。代表作の「A列車に乗って行こう」は皆さん、一度はお聞きになったことが多分あると思います。

このアルバムは1956年にロードアイランド州・ニューポート市で開催されたニューポート・ジャズ・フェスティバルでの演奏を収録したものです。当時、エリングトンの人気は数年続いたスランプと、大衆がその頃もうすでにジャズから離れて行く傾向を示し始めていたせいもあって、下がっていくばかりでした。その日も、観客は演奏に関心を持たず、沈黙で客席に座っていました。
そんなピンチを衝撃的に逆転させたのが"Diminuendo and Crescendo in Blue”ですビックリマーク(←外部リンクでYouTubeに行きます)

実はさらに細かく言うと、その曲の中のサックス・ソロが注目なのですサックス
タイトルから見えるように、この曲は2パートに分かれています。その第一部である"Diminuendo in Blue”と第二部の"Crescendo in Blue”を繋ぐのが、アルトサックス演奏者・ポール・ゴンザルベスの歴史的なソロ。

アルトサックスと言えばチャーリー・パーカーなどが有名ですが、ゴンザルベスの名前を知っている方は、ジャズに通じている方以外ではいないでしょう。なぜなら、彼は独立した作曲家ではなく、テクニックが別に特別突出していたわけでもなかったのです。
Paul Gonsalves

しかし、彼に備わっていたのはスムーズなリズム感と、観客のノリにソロを絶妙に合わせるセンス。

ジャズにありがちな自分の技術を見せびらかすために余りにも多くの音を猛スピードで吹いて逆に観客を聞き疲れさせてしまう、というソロは彼のスタイルではありません。自己顕示欲があまりなかったのでしょうか。
その代りに彼が繰り出したのはリラックスした、シンプルであり聞きやすいメロディーと、思わず体が動いてしまいそうな耳をくすぐる、進化し続けるリズム。

この演奏にまつわる伝説では、それまで完全に冷めきっていた観客の中からソロの途中で突如、若い金髪の美女がまるで魔術にかかったように、立ち上がって踊り始めた、と言われています。キスマーク 彼女につられて、観客全体がゴンザルベスのソロに泥酔し、奇声を上げたり、踊ったり、ドンチャン騒ぎになったそうです。結果、コンサートは大成功。
このソロのおかげで、エリングトンの人気は一日にしてまた急上昇し、ジャズの時代も少しばかり延命しました。

15分程度の曲の中、6分半という異例の長さのソロですが、ゴンザルベスは一度も繰り返すことなく、ちゃんと繋がりをたもち、焦らずにクライマックスへと観客を連れていきます。まるでカメルーンの笛吹です。
実際に曲を聞いてみると、5分45秒辺りから観客が叫んだり、喝采し始めるのが聞こえます。
ライブアルバムでしか味わえない、熱狂的なエネルギーが伝わってこないでしょうか。

音楽には人知を超えた精神を影響する力がある、と言われていますが、本当にそうですね。僕は大学の授業で黒人教会に参加させて頂いた経験がありますが、霊歌や賛美歌を歌った際、本当に神の声に導かれたように、自然に立ち上がって踊り始める方が何人もいました。神の存在を認めざるを得ないような体験でした。
やはり心を揺さぶるなにかが音楽に秘められているようです。

で、紹介の曲に戻りますが、この曲は僕にとって個人的に思い入れが深い一曲でもあります。
実は僕も小学5年生から高校時代を通してアルトサックスを学校のバンドなどで吹いていたのですが、このソロはレッスンを初めてばかりの頃に先生に聞かされたものでした。やっぱり自分と同じ楽器のソロに憧れるのは当たり前ですが、今でもこの曲は聞いて感激します。

このアルバム、ほかの曲もすべて良いので、是非聞いてみてください!
ではまた。