太極拳が何故ゆっくりで在らねばならないのか、また何故早くないとダメなのか。 | 東京 護身術、中国伝統武術 掌友会のブログ (東京)

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太極拳推手に関しては流派の違いはあれど大筋は同じであると

考えて、少しこの件名に関して考えてみましょう。


太極拳の套路(型)を学ぶ際によく言われるのがゆっくりと

稽古しなさい。よく言われるのではないかと思いますが、

この意味として、“まったりと稽古しましょうね。“という

休憩を挟んでゆっくりと稽古していきましょう。と言って

いる時と、動く速度をゆっくりやりましょう。と言って

いるのは違うことだと思ってまずは、やっていただきたいです。



健康で太極拳を稽古している方もガチの武術で稽古している方も

まったりとゆっくり稽古することに何も問題はないのですが

動きの速度に関しては太極拳の套路(型)を稽古する際には

さっさとやってしまっては得るものが非常に少ないことを考え

ていただきたのです。では何故太極拳の套路(型)はゆっくり

稽古するのでしょうか。実はだいぶ前にも書いたのですが、

もう一度おさらいしながら書いていきます。

難しい言葉をあえて封印して誰にでもわかる書き方で説明しますと

“身体全ての皮膚感覚と全身の筋の強化のため”型を行う速度を

極限まで落として、動きます。



やってみてください。

意外と難しいと思います。

この上で太極拳の要求に合わせ、更に型の動きを何度も稽古していきます。

これで上記の“身体全ての皮膚感覚と全身の筋の強化のため”と言う効果が

出てきます。

ゆっくり稽古をすると言う言い方よりは、套路の速度を落として稽古して

行くと言った方が、良いかもしれません。

これがゆっくり稽古する理由です。


太極拳の中には稀に早い太極拳の型が存在します。

陳式太極拳は套路の中に発勁が入りますので、非常にわかりやすいです。

発勁の速さはそのまま発勁の強さにつながりますので、早く発勁することが

一つの早くしなければならいことの理由となります。

楊式太極拳の中にも早く動く流派があります。私の稽古している小架などは

その一つです、やはり打撃の際に発勁動作としの速さを求められることと

“借力”(しゃくりき)の練習の為にその想定の通りに手を回して動かす練習を

するための型を稽古していきます。この借力自体は太極拳の套路であれば

どの太極拳にも入っており、いつでもみることが出来ます。簡化24式太極拳にも

もちろん入っており、どの太極拳にもあると言えます。

しかし、これを意識して、早く稽古する練習をしている流派は私の知っているかぎり

限りなく少なく、その意味すら知らない流派は未だ多くあります。

実戦や競技的推手においては相手がゆっくりだけ来てくれるとは限らず、

基本的にガンガン早く押してきますので、このような稽古が必要なのです。

ゆっくりの化勁だけ稽古していると早く押された際に非常に困ってしまいます。


そう、太極拳も早いものへの対応は練習しないと出来ないのです。

早い推手もやりましょう。