●自分がコントロールできるか否かで、幸、不幸が決まります
こんにちは、坂井快衣、けいです。
我が家には受験生(高3、中3)の子どもが2人います。
どちらも一生懸命勉強していますが、9月に入って、試験日が近づきつつある今、受験に対する緊張度が一段高くなったと思います。
特に、兄の方は、某国立難関大学を受験しようとしていることと
今年に入ってから身体的な問題が次々起こり病院を複数受診していることから、自分の心と身体が思うようにならない苛立ちを抱え、かなり苦しんでいるようです。
しまいには、とうとう、「なぜこんなにまでして勉強する必要があるのか、僕には分からなくなった・・」と言います。
これまでの彼は、①好きな分野の勉強を深め、自由な環境で、好奇心の赴くままに様々なチャレンジをしたい ②気の合う仲間を沢山作り青春したい というのが主な受験のモチベーションだったように思います。
しかし、今は眠りたいのに眠れない、いったん集中力が削がれてしまうと気持ちの切り替えができない、学校では身体的不調が原因で楽しく自然な友達付き合いができない・・とのこと。
そして、仮にもし頑張って大学に合格したとしても、大学に入ってからも、この身体的不調を抱えながら、周囲に気を遣いながら勉強するのは、心が保てるか分からないし
就職したとしても、今よりももっと厳しく配慮のないところで、自己を保ち続けられるのかハッキリいって分からない。
というような内容を、先日ポツリポツリと話してくれました。
で、その話を聞いていて、気づいたことがあります。
それって・・・単純に書くと
自分がコントロールできている・・楽しいし幸せ
自分がコントロールできない・・不安で苦しいし不幸
って、ことじゃね?
例えば、息子くんが楽しかったと話してくれた高校1年~2年の間って、仲間と共同研究や発表、学園祭の実行委員、購買システムの開発、日本数学エイリンピアードへのグループ参加など、数日間、平気で完徹するような日々を送っていた訳です。
まぁ、時にはゲームでオールすることもあったと思う。
その時は、頭も冴えていたし、身体に負荷をかけてもちゃんと動いてくれていた。→幸せ
ところが、じゃあ受験ガンバローって時に、身体のあちこちに不調が現れ、冴えていた頭は動かないし、身体もだるくて動かない。→不幸
そこで、今度は親の立場から、息子くんに伝えてみました。
「君がめっちゃ幸せだった高1~高2の間は、正直お母さんは不安だった。
元々君の身体は小さく強い方じゃないし、生活リズムを壊し続ける状態を危惧して、何度も声かけしたけれど、君は一蹴していたね。
それに、家の外で甘い食べ物や飲み物、コーヒーをよく飲んでいたし、わたしは、よくそれを注意してバトルもした。
親としては、生活リズムを壊す行為や、必要以上の甘味やカフェインを摂取する行為を看過できないとは言いつつも、君の自由を束縛することもできなかった。
今の状態は、その蓄積の結果かもしれないけれど、そうじゃないのかもしれない。
ただ、お母さんとしては、君の行為をコントロールできない不安や苦しみをずっと抱えながら、君を見守ってきた。
そして、今は、そうやって苦しむ君を見ながら、その中で最善策を模索している。
最善策を探しながら、君と一緒に動けている今のお母さんは、以前よりかなり気持ちがラク。
そして、今の君の身体が自分でもコントロール不能であれば、お医者さんの言うことをもっと信じて、お医者さんのコントロールに身ゆだねるのも、手だと思うよ。」
この話を聞いて息子くんは当初
「お母さんは、僕の過去の行いの報いが今来ていると非難しているのか?それだと全く救いがない!」
とか
「お医者さんが言うことは、一応信用しているけれど、一方では、どうしても信じ切れない自分もいる。」
と、返って怒らせてしまいましたが
「今はお母さん側の気持ちを君に伝えただけだよ。
人は、自分が物事のコントロールできている状態を幸せだと感じるし、コントロール不能になると、不安や恐怖、不幸だと感じる。
もしかすると、君の自律神経は一生懸命、君の身体に最適な生活リズムを刻もうとしているのに
君本体が気持ちの赴くままに動いてしまうことから、自立神経が制御不能となり、その結果として、今の身体の不調に繋がっているのかもしれないよ。
お母さんも、君の健康を積極的にコントロールしたいけれど、君からコントロールを奪うと君が強く抵抗し、不幸になるなら手を出せずにいたこと、すごく悩んでいた気持ちをどうか分かって欲しい。
君がお医者さんの指導を守らず、代替案を提示しても、外でペットボトルのカフェオレを飲み続けるのは、糖分やカフェインを摂取しないと勉強できなくなる・・と勉強に対するコントロール不能を恐れているからだよね。
でも、君自身が一番身体の不調を感じているのだから、辛いかもしれないけれど、君自身がコントロールを手放し、専門家の手にゆだねることが、今は必要だと思う。
あと
勉強って、なんかワクワクしていて、これを学べばもっと面白いことができるんじゃね?ってことで、知識の蓄積を楽しむことだと、わたしは思う。
君も最初はそう思って勉強してきたと思うけれど、今は、この大学に合格しないと、自分の価値がない位に悲壮感抱えながら勉強しているような気がする。
その辺り、本当にこの大学じゃなきゃダメなのか、とか、大学だけじゃなく、もっと他に生き方があるかもしれないとか
せっかく親元を離れて、親の経済的支えがありながら、色々楽しいことに挑戦できる貴重な時期が大学生活だから、やっぱこの大学のために頑張るとか、もう少し合格しやすい大学を選ぶとか
もっと楽しく人生を歩めるよう、いろいろ選択肢の幅を広げ、自分の手で好きな人生を選べるという自己コントロール感を持てるようにしたら良いのかも。
と、この時は、こんなような話をして終わりました。
実は、自分がこの【自分がコントロールできるか否か】という考えは、さまざまなことに当てはまります。
夫婦関係でも、妻の言動が夫や子どもに喜ばれたり感謝されたりする状態は【妻が家庭をコントロールできている状態】
夫が妻のやることなすことに対しダメ出ししたり、妻の存在を無視する状態、子どもが母親に反抗している状態は【妻が家庭をコントロールできていない状態】
職場で仕事をしていることがスムーズで問題ないのは【自分が仕事をコントロールできている状態】
職場内のイジメ、仕事が上手くいかないのは【自分が仕事をコントロールできていない状態】
何事もコントロールできている時は幸せ、コントロール不能の時は不幸なのです。
また、社会にはびこるイジメがなくならないのは、加害者側が被害者をコントロールできている感覚が、加害者側にとっては、非常に楽しくて仕方がないことだから。
ゲームが楽しいのは、自分がコントロールできるか否かのギリギリなところで、ゲームを巧くコントロールできた際に強く喜びを感じられるから。
勉強では、少しずつでも分かるようになることが喜びになるし、手も足も出ない状態になると勉強に対して無力感に苛まれやらなくなる。
母親が子どもに過干渉になりやすいのは、子どもをコントロールし思い通りに育てること自体が快楽だから。
嫁姑問題は、嫁と姑のコントロール主導権の奪い合い
そのため、人は幸せに貪欲になると、周りの人の持っているコントローラーをどんどん奪い、他者をコントロールしようとすることで周りを不幸にします。
また、親や学校、職場などで、人生のコントロールを他者から奪われ続けてきた人は、ずっと幸せを感じることができずに、虚無感に襲われる。
ですから、人間関係を良好にするコツは
【自分のコントローラーを奪われていないか】
【他者からコントローラーを奪っていないか】
【自分からコントローラーを放棄していないか】
を意識しつつ、自分の大切なコントローラーをしっかり握って、日々足下の自分が出来ること、後悔のないように地道に丁寧に実行していくことなんですねー
そして、フッと顔を上げた時に、周りを見渡すと、以前は想像もつかない、人生を楽しむ自分と、素敵な景色に目を細めることになるでしょう。
で、自分の意思で、うまくコントロールできなくなった際には、あえて信頼できる人の意見を聞くなど、一時的に自分のコントローラーを他者ゆだねることも必要です。
ちなみに、陰陽五行でいくと、比劫星の多い人は、自我が強い訳ですが、これは、意思が強いとも取れるけれども、他者からのアドバイスを受け付けないともとれます。
上の例でいくと、どんなときも自分のコントローラーを決して手放さず、自分の信じる道をマイペースに前進していくのですから、仮に、その人が人生の横道にそれていったとしても、周囲はその人を見守ることしかできません。
そして、見守る側は相手をコントロールできませんので
みすみす相手が不幸になっていくのを、こちらも不安だったりモヤモヤした気持ちを抱えながら、一緒に進んでいくのか
きっぱり離別し、全く別の人生を歩むかのどちらかを選択するようになるでしょう。
ですから、比劫星の多い人にお願いしたいことは、強すぎる自我は、往々にして周囲を不幸にしてしまうので、【第三者の意見を聞き入れる】ということを、最初から選択肢の一つに入れて欲しいのです。
また、悩みの渦中にいますと、感情と理性がぐちゃぐちゃになり、視野が狭くなります。
そんな時に、「あれ?今わたし、誰かをコントロールしようとしてる?」とか「今わたし、誰かにコントロールされそうになってない?」などといった視点を持つことも、問題解決の手助けになります。
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