風のマーサ、西熊野街道を行く2 鳩の首峠〜永谷〜天辻峠〜天辻 | 風のマーサ、街道を歩く(旅と古道と峠道のブログ)

風のマーサ、街道を歩く(旅と古道と峠道のブログ)

旅人、ヨガインストラクターの"風のマーサ"
です。
当ブログでは主に
旧街道、古道、峠越えなど
について書いています。
また、それらを
通して日本の美しい原風景を紹介出来たらなぁと
思っております。
是非、ご訪問ください。

こんばんは

風のマーサです😊


五條市街地から西吉野町、大塔町を

経て十津川村へと至る西熊野街道。

前回は西吉野町大日川から長坂の古道を経て

鳩の首峠に至りました(下写真)

標高約660m

(上写真、長坂から鳩の首峠へとやって来た)

鳩の首峠には舗装道路が通っています。

道路を左側に降りていくと永谷集落に至ります。

このルートが西熊野街道です。

一方で右に進むと300mほどで奈良県から

和歌山県に入り、その後は高野町の富貴地区に

至るようです。


さて今回は永谷へと降りていきます(下写真)

下写真は振り返った鳩の首峠の様子。

舗装道路を歩いていきます。

緩やかな谷を下っていくイメージです。


そして永谷集落へと入っていきます(下写真)



全体として戸数は少なめで

まばらに家々が建っていました。

永谷から、次に向かうのは天辻峠。

西熊野街道最大の難所と呼ばれたところです。


かなり歩いたように感じましたが

(大日川集落以来の)

国道168号線に合流しました。

その後、国道を南へと進んでいくと

500mくらいだろうか、旧道分岐に至ります(下写真)

(上写真、左側に切り返すようにして旧道が伸びる)


(車には注意をして)

国道168号線から分かれ

旧道を登っていきます(下写真)

このルートが大正11年に開通したという

旧国道となります。

現在は林道永谷天辻線となっています。

始めは舗装された道路ですが

間もなくして未舗装に変わります。

道幅そのものは広いです(下写真)

本当のところは

旧道以前の道、天辻古道を探りたかったのですが

国道168号線が立派に通っている現在、

果たして今でも残っているのだろうか?

また谷を進むことから考えても

リスクが大きそうだったので

迷わずに除外しました。


一方で旧国道をしばらく歩いていると

崩土のため通行止めという

看板が立っていました(下写真)

見たところ積極的に封鎖されている感じではない?

徒歩ならばと様子を見にいきます(汗)

しばらくは綺麗な道でした(下写真)

しかし、ほどなくすると

道の側面が崩れている箇所が

ありました(下写真)

なるほど

車なら、まず通ることは出来ないだろう。

しかし徒歩ならば通過することは

可能でした。

この先は道は安定していました。

さて旧国道は出来るだけ高低差を少なくして

作られているので、その分かなり遠回りな

進路をとることになります。


こういう道は、やはり単調で

飽きてきます。

飽きてくると疲ればかりが増幅します。

しかも距離が長いとは。


途中、どこかから

(残っていたとするならば)

江戸時代の古道が登ってくるはずなのですが

わからない。

それっぽく見えても誤解かもしれない。

といって降りて確認する気力まで

はなかったのです。

そんな葛藤を抱え込んでいる内に

天辻隧道までやって来ました(下写真)

中々、貫禄のある良い雰囲気のトンネルです。

ここを抜けると大塔町に入ります。


内部はコンクリート補修されているようで

比較的、新しいように感じました(下写真)

しかし今回は、このトンネルを通るのが

目的ではありません。

その上にある(西熊野街道の)

天辻峠に行きたいのです。


さてさて、どのようにして

天辻峠へと行けばよいのだろう?

まあ、どこかから

山の上に登るだけなのですが(汗)

というわけで、

ここに来るまでにあらかじめ

見当をつけておいた場所へと戻ります。


ところで、このあたりの山々?は

マツタケの関係か、10月〜11月いっぱい?は

止山(関係者以外入山禁止)になっている?ようです。


今は12月末、

時期的には大丈夫だろうということで

天辻峠を目指します。

トンネルからは少し戻った所から

山に登り始めました(下写真)

といっても道があるわけではなくて

無理矢理に登るだけです。

それでも安全に行けそうなところを選び、

かなり難航しながらも、獣道?を辿り

古道に取り付くことに成功しました(下写真)

この古道を辿れば天辻峠に着くはず。

とその前に、確認作業として

逆側に辿ってみました。


すると程なくして、古道は完全に

寸断されていました😱

遥か真下には先程歩いた旧道が見えていました(下写真)

旧道が開削されたことにより

古道は完全に消えてしまったようです。


次に天辻峠へと登っていきます。

中々に立派な堀切道が続いていました(下写真)

これが江戸時代の道かと、すでに廃道になって

久しい道跡を踏みしめます。

下写真は後ろを振り返った古道の様子(下写真)

ついつい、嬉しくなるような道の形です。

そして天辻峠が見えてきました。

なにやら石碑が立っています(下写真)

石碑そのものは、明らかに新しい。

左 富貴、橋本道 右 五条、下市道と

書かれているようです。

右は、今少しだけ歩いた道。

左のほうは、少し様子を見ただけですが

しっかりと続いているようです(最後まで

歩けるかは確認していない)

富貴辻(天辻峠)は

紀ノ川水系と熊野川水系の分水嶺で

標高は約780m。

西熊野街道、最大の難所と呼ばれるところ。

また、ここに雪が積もっていなければ

十津川地方に雪はないと

勝手に思っています。


さて舗装道路に上がります(下写真)

また天辻峠付近の国土地理院地図を

下に載せておきます。

(赤い太線が国道、実線の曲がりくねった道が

旧国道で、隧道から先は白い太線で表示されています)

(天辻峠付近、国土地理院地図より)


次に舗装路を下っていきます。

つまり峠から降りていきます。

峠にある説明看板によると

かつて峠付近には旅館など

一時は100戸をこすほどの

賑わいを見せたとあります。


天誅組本陣遺跡と書かれる

案内看板が立っていました(下写真)

そのルートに従い歩いていくと

天辻延命地蔵尊堂にやって来ました(下写真)

その前は広場になっています。

ここが天誅組が本陣を構えた場所なの

だろうか。

石碑には天誅組本陣遺趾と刻まれていました(下写真)

そして天辻集落を通ります。

看板に書かれていたような

かつての賑わいはなく、ひっそりと

佇んでいました。



個人的には歩いていて

とても落ち着く感じが

しました。


それから間もなくして
国道168号線に合流。
すぐ向かい側には道の駅大塔が
見えています。
さらに少し先には「星のくに」バス停が
あって、ここで帰りのバスを待つことにしました。

大日川を出発したのが

午前8時30分

星のくにバス停に到着したのが

午後2時10分になります。


今から五條市街地に戻っていきたいと

思います。

続く

(2023年12月下旬)