風のマーサ、蝿帽子峠を行く② | 風のマーサ、街道を歩く(旅と古道と峠道のブログ)

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また、それらを
通して日本の美しい原風景を紹介出来たらなぁと
思っております。
是非、ご訪問ください。

こんばんは

風のマーサです😊


蝿帽子(はえぼうし)峠を歩くシリーズ

第2回目。

前回は黒津、大河原と歩きました。

その後、国道157号線から分かれて

蝿帽子峠方面へ向かうと

すぐに最大の難所、

根尾西谷川の渡渉が待ち構えていました。

対岸を渡ると石仏を見る。

またさらに山道を進むと如意輪観音を見る。

ここから、尾根に取り付くことになりますが

馬車が通れそうな幅の道が、薮に埋もれながらも

しっかりと続いていました。

(詳しくは前回投稿を参照ください)


ここで、蝿帽子峠ルートの略図を

載せておきます。

Aが石仏、Bが如意輪観音になります。

(上が北方向、赤が実際に歩いた古道ルート、

緑が国道157号線)


如意輪観音からは、

薮に覆われ倒木に遮られながらも

しっかりとした道が続いています(下写真)

ジグザグに登っていきます。

ほどなくすると

(支)尾根に乗ります(下写真)

尾根には堀状の古道が見られます(下写真)

また複数の道跡が伸びていて

例えば良く掘れた道は、蛇行しながらも

直線的に進んでいます。

他にも平面的な道が左側山腹を巻き気味に

進んでいます。

おそらく平面的な道のほうが

高度差も少なく歩きやすいと

思われますが、どうしても堀状の道を

踏みしめたくなります。


しかし堀状の道は

消えかかっていたり、途切れたりする

場合が多く、結局は元の平たい道を

歩くことになります。

いろんな道が輻輳している様は

支尾根に見られる典型的な古道風景とも言えます。


そして所々、つづら折れで

登っていきます。

またよく見ると道幅は広いです(下写真)

薮で覆われていたり、堆積していたり

崩落部分があったりで、分かりにくいですが。


石積みが見られました(下写真)

このあたりからほ

ますますジグザグに尾根を登っていくように

なります。

道そのものは、相変わらず広くて

2m幅くらいありそうです(下写真)


そうして標高810mあたりを過ぎると

尾根上から離れて左の山腹を巻くようになります

(下写真)

ちょうどP908を迂回するようなルートが

取られているのです。


はじめは道があるのか不安になりますが

我慢して進むとはっきりとした道になります。

また概ね、登り坂となっています。


そして再び尾根に乗ります。

次のピークはちょっとした丘みたいな感じで

昔の地図を見るとピークをそのまま

通っているようです。

しかし道跡は

見つけられませんでした。

一方で、現在は左に巻くように道がついています。

果たして?

さて合流して、尾根上を進みます(下写真)

とても素晴らしい道が待ち構えています。

ここまで思った以上に時間がかかっています。

さて、この先は

道としては不自然なほどの急坂になります。

ピーク943に登っていくルートだと

思いますが、峠道として考えた場合

横から巻いていくのが自然です。


さて昔の地図通りに、右側山腹を巻いていく

道があったので、そちらに進みました(下写真)

はじめ、やや広めの道が続いています。

果たして、無事にピーク943を巻ききれるのか、

かなり不安ではあります。

(ピーク943を通るルートのほうが歩きやすいと

思われる)


やはり巻道は崩れていて

途切れてる所が何ヶ所かありました。

その部分は山腹をよじ登ってかわす。

時には、木を掴みながら斜面を

横切った場面もありました。

ハラハラします。

また倒木やら薮も普通に多いです。


最後は薮をかき分けて

無事に尾根に合流しました。

そしてまた尾根を歩いていきます(下写真)


ここまでずっと

広い道がしっかりと通っていたことが

わかります。

少なくとも人一人が何とか歩けるような

細い道ではなかったようです。


そのまま道を辿っていくと、ごく自然に

今まで歩いてきた(支)尾根から

離れて左山腹を巻くようになります(下写真)

ここからは越美国境尾根の南面を巻いていくように

なって、やがて蝿帽子峠に至ります。



ルート的には小谷を跨ぐところは

気をつける必要がありますが

道は全体的にしっかりとしています。

また斜面はそれほどの崖でもないので

トラバース道としての

怖さは比較的少ないかなぁと思います。

(あくまで個人的な感想ですが)


そして、

越美国境尾根から派生する

また別の尾根を

乗り越していきます(下写真)(C地点)

このちょうど乗り越していく部分が

U字型の道筋になっています。

後でわかりますが、蝿帽子峠も同じような形で

国境尾根を乗り越しています。

またこの地点には

印象的な巨大な木がありました(下写真)

さて、この先も引き続き

山腹を巻いていきます(下写真)


周りは木々に囲まれていて

基本的には展望はないですが、

合間から見える山々が、この地の

奥深さを物語っております。


そうして、ついに蝿帽子峠に到着しました(下写真)

標高970m。到着時間、午前11時20分。

ここまでかなり遠かった。

峠には、お地蔵様が見られます。


また先程にも触れましたが

峠でU字にターンして

(岐阜県と福井県の)県境尾根

を乗り越していきます(下写真)

それゆえに峠らしい形状ではありません。

余談ですが、このような形式の峠で

他にパッと思い浮かんだのが、京都府の

仏主峠です。

峠には看板が立っていて

水戸浪士が通ったことを示しています。

ここを通った水戸天狗党は、その後

敦賀で悲劇的な結末を迎えるのです。

また看板に書かれている通り

福井県側にも降りていけそうです(下写真)

とはいうものの、表示されている

越前大野(大野市街地)に行こうと

思うと、かなりの距離がありますが😓

さあ、少し一休みしてから

いざ、福井県側に降りていきます。

向かうは、越前大野。

続く。

(今年の6月)