風のマーサ、蝿帽子峠を行く③ | 風のマーサ、街道を歩く(旅と古道と峠道のブログ)

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また、それらを
通して日本の美しい原風景を紹介出来たらなぁと
思っております。
是非、ご訪問ください。

こんばんは

風のマーサです😊


蝿帽子(はえぼうし)峠シリーズ第3回目。

前回は越美国境尾根上にある

蝿帽子峠までやって来ました。

今回は、ここから福井県側に

降りていきます(下写真)

もうすこし状況を説明すると

峠(越美国境尾根)ではU字型に

県境を乗り越していきます(下写真)

岐阜県側も福井県側も山腹を巻いています。

蝿帽子峠付近の略図も載せておきます。

(上が北、赤が歩いた古道ルート、緑が国道157号線)

福井県側の巻道は

岐阜県側に比べると、やや荒れていて

歩くにくいように感じました。

また崩れているところもあるので注意して進みます。

一方で崖のような雰囲気は、岐阜県側と同様に

なかったので、そう言った意味での

怖さはないかもしれません。

とはいうものの、いずれの側も

十分に気を引き締まる必要はあります。


福井県側の巻道を下っていきます(下写真)



そして尾根に乗りました。

越美国境尾根から北に派生する尾根です。

この先、尾根を下っていきますが

見事な堀状の古道が続いていました(下写真)



この(支)尾根には、いろんな道が

並走しています。

堀状の道が残る点なども含めて

岐阜県側の尾根道と同じですが、

こちらのほうが、遥かに

道跡が顕著です。

また標高を下げるほどに

立派に掘られた道が目立ちます。


最後は、つづら折れるようにして

一気に高度を下げて谷に降りていきます(下写真)


谷出合の地点に降りてくるのですが

その手前あたりで道を見失います。

このあたり草の生えこみが激しくて分かりにくい。

多少、草を掻き分けて獣道を辿り

沢に出ました(下写真)

蝿帽子川右股の沢になります。

ここがD地点です。

福井県側から蝿帽子峠へとアプローチする場合

その中間尾根への取り付きが少し分かりにくいかも

しれません。



沢を渡って進むと

自然と蝿帽子川左岸を歩いていくことに

なります(下写真)


福井県側においては

ここから先が、かなり困難になります😓

ずっと蝿帽子川沿いに下っていくのですが

国道地理院の地図を見ても道表記は

ありません。

事実、林道などは通っていないのですが

この区間、距離が結構長いです(汗)

その分、古道が残っている

可能性はあるのですが。


さて蝿帽子川左岸を

歩いていきます。

基本的には、川を下に見て

高巻いていきます。

(上写真、倒木が見られますが道ははっきりと

しています)

(上写真、馬車が通れそうな道幅がです)


さて道は崩れているような区間もありますが

どうも巻くように進んでいた形跡が

感じられます。

なんとか壁に張り付いたりしながら

やり過ごしました(下写真)


(すぐ上の写真は、崩れた区間を振り返った様子)

川からの高度は、そんなにないですが

肝を冷やしました。


そして、川が大きく蛇行するような所では

川沿いではなくて、山に入ってショートカットする

ように進みました。

かなりざっくりとですが下図のようなイメージで

少し内周りで進みます。

というわけで、

少しよじ登って山に入ります(下写真)

(というより川沿いに進むのはキツイ)

すると、はっきりと掘り込まれた古道が

残っていました(下写真)

しっかりと道が続いています(下写真)

そして、また蝿帽子川沿いを歩きます(下写真)

また少し大雑把な記述になりますが

道跡を辿っていき、岸がなくなった場合は

川から離れて少し山側に登ります。

すると、巻道が存在します。


さて、ここからは

説明を省いて

何枚か写真を貼っておきます。

出来るだけ道を探すようには

歩きました。







獣道が続いていたり

何もなかったり、古道なのかどうなのかも

分かりませんが、右往左往な感じで(汗)

歩きました。

また印象的な巨木を見ました(下写真)

谷に降りてからは

思った以上に時間がかかっています。

こういった川沿いは、林道があるのと

ないのとでは、全然違うなぁと

しみじみに思います(汗)


ここで蝿帽子川沿いの地形について

私なりの感想を書きます。

左岸の山は傾斜も緩やかで、平地もあります。

右岸の山は傾斜が急で、崖も多いです。

つまり、岸がなくなった場合

右岸だと尾根に迂回する(よじ登る)ことが難しく

通行不能になるのです。

(川の中を進めば別なのでしょうが😱)

というわけで、ずっと左岸を進んでいけば

良いと思います。

思うという中途半端な表現を使っているのは

途中、(何を思ったか)右岸に渡って

挙句の果てに斜面をしがみつくような

失敗をおかしためであり、全区間で左岸を

歩いていないのです。

(一応、右岸にも踏み跡が一部見られたのですが)

結局、川を渡り返して左岸に戻り

歩くことになりました。

今回は反省ばかりです(汗)


この先、あまり写真を撮っていません。

歩くのに必死だったのです。

やがてダムが見えてきて

川幅が広く、そして深くなります。

このあたりになると、当然

川を渡ることなど不可能です。

そもそもが沿岸部には近づかずに

尾根側を進むことが大切です。

泥沼に足を取られることになるからです(汗)

地面のぬかるみを見たら

常に底無し沼の可能性は

考えておく、特にダムや砂防の近くなら

なおさらです。


蝿帽子川から高く離れて所を

進んでいます(下写真)

そしてダムを越えてから

しばらくして河原へ降りてきました(下写真)

どこかで右岸に渡る必要があります。

(上写真、ダムを振り返った写真)

このあたりの川は普通の川で

渡ることが出来そうです。

ズボンを脱いで準備します。

岐阜県側の渡渉に比べたら

まだマシではありますが

それでも出来れば川は渡りたくないものです。

下写真は渡った後の写真です。

蝿帽子川を見ながら、その場で

腰を下ろし一休みです。

やれやれとタオルで汗を拭います。

もう危険箇所はないだろう。

国道地理院の地図によると、すぐに

林道があるはずだ。


断定していないのは

辺りが薮で覆われていて

何も見えないからです。

しかし、対岸を高巻いているときに

何となしに林道?は確認しています。

さて薮に突入します(下写真)

やったぁ!林道広場に出て来ました(下写真)

ここで午後3時15分。

かつて、蝿帽子峠は岐阜県側の根尾大河原と

福井県側の旧西谷村下秋生とを繋いでいました。

現在、大河原は廃村。

下秋生に至ってはダムに沈んでいます。


この先、蝿帽子川は笹生川に合流します。

またその付近は、かなり広い範囲で

ダム湖になっています。

というわけで、昔の道を辿って

下秋生というわけにはいきません。

(ダム底深く沈んでいる)

現在は、林道を進み

かなりの迂回をしながら下秋生方面に

向かうこととなります。

(上写真、林道をひたすら歩く)

続く

(今年の6月)