風のマーサ、羽州浜街道を行く9 象潟 | 風のマーサ、街道を歩く(旅と古道と峠道のブログ)

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旅人、ヨガインストラクターの"風のマーサ"
です。
当ブログでは主に
旧街道、古道、峠越えなど
について書いています。
また、それらを
通して日本の美しい原風景を紹介出来たらなぁと
思っております。
是非、ご訪問ください。

こんばんは

風のマーサです😊


羽州浜街道の旅は、とうとう

象潟町(旧塩越村)までやって来ました。

この地にある景勝地、象潟は

かつて鳥海山の噴火によって

形成された潟湖です。

また九十九島と呼ばれるように

その湖に多くの島々が浮かぶさまは

素晴らしく、松島(日本三景の一つ)と並び称される

ほどでした。

松尾芭蕉が奥の細道道中にて

訪れた中では最北の地にあたり

ある意味、旅のハイライトだったように

思います。


さて塩越の街道を歩きながら

象潟を見学しに行きます。

ただし、芭蕉が訪れてから約100年後

1804年の象潟地震によって

潟湖は干上がってしまい

当時の様子とは大分、異なっています。

(現在の象潟の様子。田んぼに小さな丘が

点在していますが、昔は湖に浮かぶ島々だった)


さて象潟道路元標の地点から(前回記事参照)

さらに進んでいくと、奥の細道と書かれる

表示看板があるので、その指示通りに

角を右に曲がります(下写真)

すると菅江真澄が宿泊したという

岡本屋跡の説明看板が立っています(下写真)

さらに進んでいきます。

(塩越の様子)

角まで来たら

右に曲がります。

ほどなくして塩越城跡の説明看板が

立っています(下写真)

江戸時代初期、仁賀保氏の居城でしたが

城の存続期間は9年間だったようです。

その後、本荘藩六郷氏の領地になってからは

跡地に塩越奉行所が置かれたとあります。


また少し先には熊野神社が

鎮座しています(下写真)

芭蕉が象潟に訪れたときには

たまたま熊野神社の祭りの日でして

宿が祭りの女客で満室だったようです。

そのため向かいの宿に泊まったと

曽良日記には記述されています。


熊野神社に参拝してから

街道に戻ってすぐ、

象潟橋(欄干橋)があります(下写真)

ここに最初に橋が架けられたのは1603年。

昔は見晴らしが良くて

ここから眺める九十九島と鳥海山の景色は

素晴らしかったようです。

つまり潟に浮かぶ島々が

ここから見られたのです。

現在は建物しか見えません(汗)


この橋で象潟川を渡ります。

川の辺りには船つなぎ石があります(下写真)

また左右往還という文字がつなぎ石には

刻まれているようです。

かつて島々が湖に浮かんでいた時代、

松尾芭蕉も、ここから舟に乗って

象潟川を遡り、八十八潟九十九島と

呼ばれる象潟の景勝地に出かけたようです。


あいにく現在は舟で島巡りというわけにも

行かないので歩いて向かいます。

まずは能因島へ(下写真)
能因法師が三年間ひっそりと
暮らしていたと伝えられる島です。


芭蕉は舟を浮かべ、まずは

この能因島に訪れています。


続いて蚶満寺(かんまんじ)へ。

松尾芭蕉や菅江真澄が上陸しています。

現在は陸地なので歩いていきます。

(蚶満寺の山門)

(蚶満寺)

境内に芭蕉句碑がありました。

象潟や雨に西施がねぶの花

また船つなぎ石などもあります。


その後は象潟の九十九島を

ランダムにまわります。

当時は舟で訪ねましたが

陸地となった今は

ひたすら歩きます。

(確か、何かの旅行のポスターになった風景だ)




当時の情景を想像しながら

歩きます。

あいにく天候に恵まれず

鳥海山は、はっきりとしません。

ですが十分に象潟を満喫しました。


ここで一旦、塩越の街中に戻ります。

そして翌日は海岸に向かいました。


塩越港は本荘藩の港であり

北前船の寄港地。

とても繁栄したといいます。

海岸には石の杭が置かれていました(下写真)

当時は沖合にて北前船を繋ぎとめて

いたらしい。

次に

沖の口番所、台場跡にやって来ました。

海岸防備のための砲台場があったようです。

さてさて

西近江路、旧北陸道ルートを通りながら

とうとう象潟に辿り着き、満足感に

溢れていました。

何回かに分けていますが

京都→大津→敦賀→福井→金沢→富山→直江津

→新潟→村上→鼠ヶ関→酒田→象潟と

歩いてきました。

(象潟駅のホームにて)


一区切りがついたので

帰路に着きます。

また何度か立ち寄った新潟では

万代バスセンターのカレーを食べました。

おそらく4、5回は食べていると思います。

値段もリーズナブルで

ボリュームがあって美味しい。

歩き旅には欠かせないアイテムです。

ここまで書きながら

羽州浜街道シリーズは

まだまだ続きます。

象潟よりも、もっと北へ歩きたい。

日に日に、その思いは募るばかりで

2ヶ月後には

再び象潟へやって来ました(交通機関を使って)


さて次回からは秋田方面へ

向かって歩きます。

続く。



参考)

秋田県道路地図 県別マップル5  昭文社

アプリ ヤマレコ、古地図散歩

など