海外へ長距離を国際線で旅をすると,どうしても我慢しなければならないのが時差ボケですよね.
毎回毎回海外出張時には時差ボケに悩まされるので,自分なりに軽減策をいつも考えています.特に日本からアメリカへ渡航の時差ボケは特に辛いと言われています.全般的に東方向への時差ボケは辛いというのが一般的です.
また一般的に,1時間の時差ボケへの対応は1時間で,10時間時差があれば適応までに10日とか言われますが,そんな単純な話でもないと思います.日本からの旅行でアジアで時差数時間であれば,1時間の対応で1日は適応できるかもしれませんが,日本から欧米への渡航では時差が大きすぎてこの考えを適応するのは難しいでしょう.
私は研究者ですが,科学的な知見はさておき私なりの時差ボケのことや時差対策についてつらつら書いてみたいと思います.
まず日本から欧米へ渡航後は,少しづつ体が時間に慣れていくというよりは,体内時計がメチャクチャでグシャグシャになるイメージがあります.なので,少しずつ寝る時間と起きる時間がズレていくということでもなさそうです(なので1時間1日の法則は適応できません).
人間にはサーカディアンリズムという地球自転と同調した約24時間周期の体内時計があると言われていますが,時差ボケの解消までのプロセスは,このサーカディアンリズムをリセットして再インストールするようなイメージでしょうか.ですので,時差ボケ解消までは,赤ちゃんのように急に眠くなったり,夜中に覚醒したりしてしまうのかもしれません.またこの約24時間周期というのも24時間より少し長く,外部からの刺激がなければ25時間程度だということもどこかで聞いたことがある気がします.このことが人間は一般的に遅寝遅起きになるだらけた生活になる方が楽だという原因でもあるそうです.そして,日々の生活(主に太陽の光の刺激)を通じて常に規則正しい体内時計に補正をしているみたいです(朝寝坊したいから,これが皆さん苦ですよね).またこのことが西へ渡航することより,東へ渡航することの方が時差ボケが辛くなる原因かもしれません.
さらに最近は時差ボケで眠い・眠くないという直接感じる時差ボケの他に内臓,特に消化器系も独自にリズムを持っているのだと感じることがあります.時差ぼけをあまり感じなくなった後もどうも胃腸の調子が悪く,便秘や下痢が続くということを感じた人もいると思います.中には,渡航先の食事が体に合わないからと思う人もいるかもしれませんが,私としては頭(精神)と腸をはじめとする消化器系の体内時計のミスマッチだと思っています.私はアメリカへ渡航するとだいたいお腹が緩くなる傾向があり,頭と体の両方が現地時間に適応するのに2週間ぐらいかかると思っています.よって一般的な出張や旅行で1週間程度アメリカへ滞在する場合は,常に体調がよくないです・・・そして体内時計が適応しないまま,また日本へ帰国となります.これが原因で,「欧米の食事は胃腸に合わない」と思っている人もいるでしょう.しかしこれは時差ボケによる胃腸の不調が原因かもしれません.
それでは,今回は私が試したアメリカへの渡航の際の具体的な時差ぼけ対策を書いていきます.
(1) 日本を夕方発,アメリカ現地に昼ごろ着の便を選ぶ.
これは,飛行機でゆっくりした後にアメリカに夜着くとその後眠れないということもありますが,現地に午前中〜昼ごろについて明るい太陽のもとで行動をするということに意味があります.大手航空会社のアメリカ便はおおよそ日本を夕方発,アメリカに朝〜昼着だと思います.
(2) 機内で酒を飲みすぎない,映画を見過ぎない
大手国際線では,無料でお酒が提供されますが,飲み過ぎると寝付きが悪くなるのと夜中にトイレに行くことで眠れなくなるので私は最小限にしています.しかし,お酒を飲むと睡眠の導入効果があるので,私は,夕食時(機内食)に一本ビールを頂いて,その後赤ワインをもらってから歯を磨き寝るようにしています.歯を磨くという動作も,体へそろそろ寝るよという暗示(?)のような儀式でしょうか.ここでビールばっかりだと水分が多くトイレに行きたくなります.機内メディアの映画を見始めると眠れなくなるので,一本程度に抑えて1回目の畿内食後はすぐに寝るようにしています.(すみません,これは当たり前と言えば当たり前)
(3) 睡眠グッズは必ず持ち込む
アイマスクと空気で膨らむネックピローは,試したことがない人は騙されたと思って試してみてください.睡眠の質が格段に向上します.また体を温めるために,私は一枚厚着をして機内で寝るようにしています.そして,寝るときに靴は必ず脱ぎます.そして,2回目の機内食が配られるまでひたすら寝ます.もはや機内食も貰わないで着陸まで寝てても良いと思います.今回はお腹が空いたので,朝ごはんとして機内食を食べましたが,その後また寝ました.
(4) 到着後は休まずにできる限り夕方まで活動をする
アメリカ昼ごろに到着すると必ずと言っていいほど,午後に眠くなります.しかし,ここで妥協してホテルや家で寝てはいけません.この眠さは,日本時間を考えれば徹夜明けの朝に相当する眠さなのですが,ここで寝てしまうとまた日本の体内時計へ戻されてしまします.今回はサンディエゴに午後3時ごろについて,そのまま家へチェックインし家の説明を受け,その後オーナーにスーパー(grocery)に連れて行ってもらったので夕方まで活動的でいられました.そして次の日も朝から研究所へ出勤して,眠くても夕方まで仕事をして,ビールを飲んで寝ました.
(5) 日中は人と話をして活動的にする
これも自論なのですが,活動的に人と話したりディスカッションをしたりすることが時差ボケ解消には良いと思います.今回到着後の次の日の研究所出勤初日に,隣のオフィスのおじいさん研究者(調べたらすごい大御所だった)と午前中にコーヒーを飲みながら研究所を案内してもらい,世間話,その後サバティカル受け入れ研究者の先生とランチ,その数時間後にセミナーへ参加,そして夕方6時ごろから大学のパブで先生とビールを飲み帰宅.とにかく到着直後は,疲れているからといって休まず活動的にすることが重要です.
(欠番)効果があるかはわからない
(x-1) 出発前に体内時計をリセットに近づける
出発数日前から,不規則な生活をする,しかし睡眠不足にならないように十分な睡眠をとる.私はStranger things のシーズン4を一気見して不規則な生活に持っていきました.しかし,これは場合によっては逆効果かも・・・.
(x-2) 薬に頼る
今回2日目の深夜に覚醒してしまったので,ドリエル(睡眠改善薬)を飲んだら,その後よく眠れました.日本では売っていないですが,メラトニンを飲むといいと知り合いの研究者から言われました.「眠い」より「眠いのに眠れない」ことの方が辛いので,薬に頼っても良いと思います.「時差ボケ」は病気です.
では,おやすみなさい.